52 / 224
第二章
金
しおりを挟む「ボス、収納が完成しました!」
「おっ、凄いじゃないか」
「劣化版なので、入れた順番でしか出せませんし、容量も馬車2台程度ですが」
「十分だよ。よくやってくれた。
御馳走するって約束したよな。何が食べたい」
「この間食べさせてくれたプリンが……」
「そういえば、甘いものはあまり流通してないな……
牛とサトウキビも展開してみるか、いやサトウキビは沖縄とかの熱い地域だったよな。
そうするとテンサイか……
この町の砂糖は南にあるリンドから仕入れていて、高額だって言ってたよな。
ハチミツの方が安いって……」
「だ、ダメですか……」
「いや、簡単に甘いお菓子を作るにはどうしたらいいか考えてた。
よし、今日はスイーツ三昧だ!」
日本で有名店のスイーツをホールで買い漁ってきた。
プリンにババロア、ティラミスにゼリー、シュークリームとエクレアにショートケーキとメロンケーキ。
モンブランとショコラケーキとミルフィーユとパンナコッタとムース類。
チーターには食堂を提供し、好きなように食べてもらい、2階のホールにソフィアとバーバラの一族と嫁たちも呼んだ。
「「「ウメー!」」」 「「「おいしい♪」」」 「「「幸せ♪」」」 「「「別腹よ!」」」
うん、みんな幸せそうだ。
「なあ、ケビン」
「どうした」
「ドランの北側で、砂糖と牛を育てたいと思うんだが」
「牛ってのは、肉が柔らかくて乳をとれる家畜だと言ってたな。
佐藤というのは、お前の国で上位に入る名前だと聞いたが、牛に近いほどの乳を出す人種でもいるのか?」
「すまん、言い方が悪かった。
砂糖の元となるテンサイ(サトウダイコン)という植物を育てさせたいんだ。
テンサイの根を絞って煮詰めると砂糖が取れる。
その搾りかすは牛の飼料にもなる」
「いや、この光景を見てたから、乳にイメージが行ってしまったんだろう」
マーメイド達は裸である。
服や下着も用意してやらないと……
そういえば、元の職場でもレディース用品を扱ってたな。
久しぶりに顔を出してみるか。
「こんにちわ」
「おお、末永じゃないか。元気にしてたか」
「ええ、おかげさまで」
「どうした。会社に戻りたくなったのか?」
「いえ、今のところでも似たようなことをやっていますから。
今日は、牛と、女性用衣類の調達に来たんです」
「鉄鉱石やアルミの需要はないのか?」
「ジュラルミンなら……、アルミでもいいか、支払いは金になりますけど大丈夫ですか?」
「金かよ、無理だって。今は規制が厳しくてな一度に200万以上の取引は調書が必要とかな……」
「そうですか……まいったな。
お金を作って出直してきます……」
「そういえば、神さまがスキルでできるような事を言ってたな。
えっと、
換金:金を日本円に換金する
これでいいかな。
収納の金に対して『換金!』『出ろ!』」
ドサドサドサッ
「うおー、そうか500憶円くらいあったんだよな……『収納!』」
「出直してきました」
「おお、早いな」
「アルミ20トンくらい買いますよ。
今の相場だと、350万くらいですか」
「ああ、本当に買うのかよ。
運送はどうするんだ?」
「場所を指定してください。自分で取りに行きますから。
はい、現金です」
バサッ
「お、おう。伝票作るから……」
「その前にレディースの担当と、農業の担当を教えてくださいよ」
「おう、誰かアルミの売却で伝票発行しといてくれ。それと現金を一緒にして経理へもっていくように」
「はい、自分がやっておきます」
「衣料品のレディースだったな、こっちだ」
「レディース部門の田中課長だ。
こいつは元俺の部下で末永。
買いたいものがあるそうなんで、話を聞いてやってくれるかな」
「末永です。よろしくお願いします」
「田中です。それで希望は?」
「俺は席に戻る。終わったら農業部門へ案内するから来てくれ」
「あっ、お願いします」
0
お気に入りに追加
146
あなたにおすすめの小説
転生弁護士のクエスト同行記 ~冒険者用の契約書を作ることにしたらクエストの成功率が爆上がりしました~
昼から山猫
ファンタジー
異世界に降り立った元日本の弁護士が、冒険者ギルドの依頼で「クエスト契約書」を作成することに。出発前に役割分担を明文化し、報酬の配分や責任範囲を細かく決めると、パーティ同士の内輪揉めは激減し、クエスト成功率が劇的に上がる。そんな噂が広がり、冒険者は誰もが法律事務所に相談してから旅立つように。魔王討伐の最強パーティにも声をかけられ、彼の“契約書”は世界の運命を左右する重要要素となっていく。
男女比の狂った世界で愛を振りまく
キョウキョウ
恋愛
男女比が1:10という、男性の数が少ない世界に転生した主人公の七沢直人(ななさわなおと)。
その世界の男性は無気力な人が多くて、異性その恋愛にも消極的。逆に、女性たちは恋愛に飢え続けていた。どうにかして男性と仲良くなりたい。イチャイチャしたい。
直人は他の男性たちと違って、欲求を強く感じていた。女性とイチャイチャしたいし、楽しく過ごしたい。
生まれた瞬間から愛され続けてきた七沢直人は、その愛を周りの女性に返そうと思った。
デートしたり、手料理を振る舞ったり、一緒に趣味を楽しんだりする。その他にも、色々と。
本作品は、男女比の異なる世界の女性たちと積極的に触れ合っていく様子を描く物語です。
※カクヨムにも掲載中の作品です。
実力を隠し「例え長男でも無能に家は継がせん。他家に養子に出す」と親父殿に言われたところまでは計算通りだったが、まさかハーレム生活になるとは
竹井ゴールド
ライト文芸
日本国内トップ5に入る異能力者の名家、東条院。
その宗家本流の嫡子に生まれた東条院青夜は子供の頃に実母に「16歳までに東条院の家を出ないと命を落とす事になる」と予言され、無能を演じ続け、父親や後妻、異母弟や異母妹、親族や許嫁に馬鹿にされながらも、念願適って中学卒業の春休みに東条院家から田中家に養子に出された。
青夜は4月が誕生日なのでギリギリ16歳までに家を出た訳だが。
その後がよろしくない。
青夜を引き取った田中家の義父、一狼は53歳ながら若い妻を持ち、4人の娘の父親でもあったからだ。
妻、21歳、一狼の8人目の妻、愛。
長女、25歳、皇宮警察の異能力部隊所属、弥生。
次女、22歳、田中流空手道場の師範代、葉月。
三女、19歳、離婚したフランス系アメリカ人の3人目の妻が産んだハーフ、アンジェリカ。
四女、17歳、死別した4人目の妻が産んだ中国系ハーフ、シャンリー。
この5人とも青夜は家族となり、
・・・何これ? 少し想定外なんだけど。
【2023/3/23、24hポイント26万4600pt突破】
【2023/7/11、累計ポイント550万pt突破】
【2023/6/5、お気に入り数2130突破】
【アルファポリスのみの投稿です】
【第6回ライト文芸大賞、22万7046pt、2位】
【2023/6/30、メールが来て出版申請、8/1、慰めメール】
【未完】
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
男女比世界は大変らしい。(ただしイケメンに限る)
@aozora
ファンタジー
ひろし君は狂喜した。「俺ってこの世界の主役じゃね?」
このお話は、男女比が狂った世界で女性に優しくハーレムを目指して邁進する男の物語…ではなく、そんな彼を端から見ながら「頑張れ~」と気のない声援を送る男の物語である。
「第一章 男女比世界へようこそ」完結しました。
男女比世界での脇役少年の日常が描かれています。
「第二章 中二病には罹りませんー中学校編ー」完結しました。
青年になって行く佐々木君、いろんな人との交流が彼を成長させていきます。
ここから何故かあやかし現代ファンタジーに・・・。どうしてこうなった。
「カクヨム」さんが先行投稿になります。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
迷い人 ~異世界で成り上がる。大器晩成型とは知らずに無難な商人になっちゃった。~
飛燕 つばさ
ファンタジー
孤独な中年、坂本零。ある日、彼は目を覚ますと、まったく知らない異世界に立っていた。彼は現地の兵士たちに捕まり、不審人物とされて牢獄に投獄されてしまう。
彼は異世界から迷い込んだ『迷い人』と呼ばれる存在だと告げられる。その『迷い人』には、世界を救う勇者としての可能性も、世界を滅ぼす魔王としての可能性も秘められているそうだ。しかし、零は自分がそんな使命を担う存在だと受け入れることができなかった。
独房から零を救ったのは、昔この世界を救った勇者の末裔である老婆だった。老婆は零の力を探るが、彼は戦闘や魔法に関する特別な力を持っていなかった。零はそのことに絶望するが、自身の日本での知識を駆使し、『商人』として新たな一歩を踏み出す決意をする…。
この物語は、異世界に迷い込んだ日本のサラリーマンが主人公です。彼は潜在的に秘められた能力に気づかずに、無難な商人を選びます。次々に目覚める力でこの世界に起こる問題を解決していく姿を描いていきます。
※当作品は、過去に私が創作した作品『異世界で商人になっちゃった。』を一から徹底的に文章校正し、新たな作品として再構築したものです。文章表現だけでなく、ストーリー展開の修正や、新ストーリーの追加、新キャラクターの登場など、変更点が多くございます。
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる