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第二章

マーメイドクイーン

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6人のソフィアさん相手に、3回が限界でした。

「す、すみません……」

「いいの、何度も来てくれるんですよね」

「は、はい。行ってきます」

シュン!

タンペイの町でマーメイドをサーチし、少しだけ状況を説明してシマガメに移動する。
これを繰り返すこと50回…3回は移動した瞬間に拿捕されお礼とやらを受け取りました……

「あとは海賊の元から助け出すんだけど、ソフィア場所は分かる」

「あっ、私分かります」

「いいの、ジェシカは引っ込んでいて!」

「ずるいよ、ソフィアばっかり……」

「さ、行きましょう」

キーン

「私はまだ、お礼していませんの……」

「あっ……」

本日7回目……

海賊の拠点から30往復目で対応された、

「おかしな術を使うようだが、抵抗したらこのマーメイドを……ぎゃあ!」

転移して海賊の腕を切り落とす。
35往復目には残りのマーメイドが集められていた。
しかも、複数の弓でマーメイドを狙っている。

「おかしな……」

『精神支配!マインドハーネス』

海賊全員を支配下に置き、他の海賊を盗伐するよう指示を出す。

こうしてマーメイドの救出は終わった。

「行っちゃうんですか……」

「また、すぐに来ますよ。
これからの事を相談しないといけませんしね」

「勘違いしないでくださいね」

「何を?」

「マーメイドは、誰でもいいからするわけじゃありませんの。
心からマーメイドの事を考えてくれる人でなければ、自分から抱かれることはありません」

「じゃあ、俺は合格なのか?」

「すべてのマーメイドにとって大切な人……」

「分かった。またすぐに来るから」

俺はソフィアの額にキスをした。

「あっ……」

「どうした?」

ソフィアの耳が赤い……

「な、なにか……おかしいです……」

ソフィアの全身が光に包まれ、おさまっていくと、そこにはティアラをいただき、金色の尻尾をしたソフィアが横すわりになっていた。
海の色だった瞳も、金色に変わっている。

「「「おお!」」」

「数百年ぶりにクイーンが誕生するなんて!」

「「「クイーン!」」」

「えっ?どうしたの?」

「そうか、お前はまだ知らなかったのですねクイーンの事を……」

「「クイーンって?」」

俺とソフィア(初めてあったマーメイド)の声が重なる。

「マーメイドにとって真の理解者が現れ、そのお方に自分の全てを捧げたいと願う者がいて、その思いを遂げたときにマーメイド・クイーンが誕生します。
私が生きてきた380年でも、初めてのこと」

「マーメイドクイーン……」

「ティアラと、金の瞳、金の下半身。伝承のとおりです」

「そ、それで何か変わるのか?」

「クイーンの伴侶は、全てのマーメイドに愛を注ぎ、その影響を受けたシマガメ様が一か所に集い産卵を始めます」

「待て、こんなのが5匹も揃ったら、人間の町は壊滅するぞ」

「大丈夫です。このシマガメ様を安全な場所に誘導するのは私たちのお役目です」

「それだけの砂浜……あった。ゴルの東側だ。
俺の家から東に行った浜辺」

「そして、全ての海の生き物が活性化し、豊かな海が再現されるのです。
シマガメ様は次の世代に海を託し、その亡骸は伴侶様の所有物となります。
そして、そこは当分の間マーメイドの里となります」

「いや、あんな亀の甲羅をいただいても……」

「あの甲羅は鉱石なのです」

「鉱石?」

「金や銀を始めとした金属類と、宝石の山です」

「それならば、里を作る資金にできるな。
まあ、乗りかかった船だ。できる限りのことはしよう」

「「「よろしくお願いします」」」

「とりあえず、このまま東へ向かってくれ。俺は受け入れの準備をしてくるから」
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