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第二章

マーメイドのいる町

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塩害に強いとされるトマト・アイスプラント・アスパラガス・キャベツの種を購入し、マーメイド用に魚を確保する。
ほかにも、養殖場用に網とひも類、フロートも大量に買っておく。

「さてと、二人乗りの飛行艇も作ったし、下見でもしておくか」

二人乗り飛行艇の試験飛行をしながら西を目指して飛んでいく。
すると海に出たので南下していくと、町があった。

「すみません、ここはガンダの町ですか?」

「ガンダだと?ガンダは滅んだ。今は海賊の拠点になっているハズだ」

「えっ?」

「3か月ほど前に、海賊の襲撃があり、多くの住民はここタンペイに避難している。
あそこに残っているのは、捕まって奴隷にされた住民と、人質をとられて奴隷状態のマーメイドだけだよ」

「す、すみませんが、ゴルの町相談役のシュウと申します。
領主様にお取次ぎいただけませんか」

兵士によって取次され、領主邸の応接で面会してもらった。

「突然の訪問で申し訳ございません。
ゴルとドランの相談役を兼務しています、シュウと申します」

「タンペイ領主のタイラです。
ゴルとドランの繁栄は聞き及んでいますよ。
シュウさんのご活躍もね」

「恐縮です。
実は、ガンダからドランのケビンに対して援助の要請があったそうで、その下調べに来たんですが、ガンダは滅んだと聞きまして、そのあたりの情報をいただければとお伺いしました」

「罠ですね。ガンダは海賊に襲われ、半数の町民がこの町に避難しております。
ガンダで暮らしていたマーメイドの半数も避難してきましたが、海賊が怖くて海に出られない状況が続いています。
タンペイの船も何隻か被害にあっており、対策を検討しているところです」

「こちらも被害を受けているのですか。
海に出られず、避難者を受け入れたのでは、この町も困っているのではないですか?」

「恥ずかしい話ですが、特に食料に困窮しておりまして、ドランへ援助をお願いしようかと考えていたところです」

「でしたら、ガンダへの支援用に用意してきた物資を提供できます」

「それは助かります」

「では、食糧庫に案内してください。できれば、そのあとでマーメイド族と話をしたいのですが」

「はい、そちらも準備させます」



「では麦500袋」

ドン

「小麦粉500袋」

ドン

「こ、これだけあれば、当分は凌げます」

「ほかに倉庫は?」

「はい、隣にも」

「では、ジャガイモとサツマイモを置いていきます」

「ありがとうございます。
マーメイドは漁業ギルドの応接に待たせてあります」

「申し訳ないのですが、僕一人で話をさせてもらいたいのですが」

「かまいません。引き合わせが終わったら、私は帰りますから」



「さてと、周りに音は聞こえないようにしたから、安心して話してください。
僕はゴルという町から来ました、シュウです」

「マーメイド族のソフィアと申します」

地上で生活するときは人間と変わらない姿になり、残念ながら普通に服も着ています。
ソバージュの金髪で海色の目をした美人さんです。

「マーメイド族は、昔から人と暮らしてきたんですか?」

「いえ、50年ほど前までは、シマガメ様の元で暮らしていました。
今でも、多くのマーメイドはシマガメ様の元にいるはずです」

「へえ、昨日見ましたよ、シマガメ様」

「ど、どこで……、いえ、それを聞いても……」

「50年前に何があったんですか?」

「私を含めて50人のマーメイドがガンダの人間に拉致されました」
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