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第二章
チートリアル
しおりを挟む『あそこ、城があります』
「ああ、ゾロゾロとゴーレムやメタル系が出てきてるな「
『シュウ、窓を開けるニャ!クロウが退治してくるニャ』
「いいけど……」
シュ
『うっ、寒いニャ……』
クロウは丸くなって寝てしまった。
『収納!』
シュン!
『また、そんなズボラな対応を……
あっ、メタル系のドラゴンです!ブレスを……』
ゴー…… ゴー…… ゴー
「空中でブレスはダメだって……、ジェット噴射みたいなもんだからさ。
後ろに吹っ飛んでいくに決まってるでしょ」
『見えなくなりましたね』
「じゃあ、今の収納したゴーレムを加工して、空爆してやろう」
ドゴーン ドゴーン ドゴーン
『生命反応が消えていきます』
「ああ、小さいのが100くらい残っているな。降りて確認してみるか」
がれきを収納しながら反応のあった場所へ行くと20cmほどの小人の集団が固まって震えていた。
「なんだ、こいつらは?」
『チーターですね。
魔族というよりも、妖精に近い存在です。
チート……、反則級の複写能力と魔道具制作能力を持ちながら、創造性がないために人や魔族から便利な道具として使われます。
寿命は300年程度で、美食家であるため、彼らを使役するには美味しいものの提供が必要です。
彼らにとって契約は絶対で、相手が放棄しない限り守られます』
「美味いものか。
おい言葉は分かるか?」
「わかりますわ」
「おまえは?」
「チーターの女王、チートリアルです」
「美味いものを食わせれば俺に従うのか?」
「人に従うなど、われらのプライドが許しません。
とびきりのご馳走を捧げるなら多少の協力は約束しましょう」
「肉は好きか?」
「「「肉!」」」 「「「ニク!」」」 「「「肉!」」」 「「「ニク!」」」
収納からクマ丼と唐揚げを一人前出してやる。
「これでどうだ?」
クンクン クンクン クンクン
「しょ、食しても良いのですか……」
ニンニクやタレの香りに我慢できないようだ。
十分間をあけてから、言葉にする。
「俺に絶対の忠誠を誓えば食っていいぞ」
「ぜ、絶対の忠誠など……」
「「「チカウ!」」」
女王の言葉を待たずに一斉にクマ丼と唐揚げに襲い掛かるチーターたち。
「くっ、ち、誓います。
お前たち、私を差し置いて!」
チーターは手をナイフとフォークに変化させて平らげていく。
「こ、これでは、足りません。おかわりを!」
「「「おかわり!」」」
「家に帰ったらいくらでも食わせてやる。
それよりも、ここの事を教えろ。
お前たちを使っていた奴らはどこへ行った」
「奥の穴が魔界と繋がっていて、そこから逃げていきました」
「あな?」
瓦礫を片付けていくと、ぽっかりと20mほどの黒い穴が開いていた。
「ふむ、とりあえず塞ぐとして……
あのミスリル性のガーゴイルやドラゴンはお前たちが作ったのか?」
「そうです。
ああ、あのお肉はどのような調味料を……」
「食べ物の話は後だ。
ドラゴンはほかにもあるのか?」
「完成体が2つ」
「飛行の能力を消して、魔族を襲うように修正できるか」
「簡単です」
「じゃあ、光を受けたら起動するようにしてくれ」
「はい、すぐに」
ガチャガチャ
「完了しました」
『収納!』
「えっ」 「「「おお!」」」
「ど、どこへ行ったのですか」
「空間を捻じ曲げて、専用のスペースを作ってある。そこに保管するんだ」
「く、空間に……」
「ま、待ってくれ。これを一度保管して、出してくれないか」
「ああ、簡単だが、何だそれは?」
「魔法を解析する魔道具だ」
「いいぞ、『収納!』『でろ!』どうだ?」
「ま、魔法は解析できた。これなら作れるかもしれない」
「つ、作れるのか!」
「少し時間はかかりそうだが、作れる」
「それはすごいぞ。
完成したら、とびきりのご馳走だ」
「ホントか!頑張る」
メタルドラゴンを岩で封印し、それを中心とした岩の楔で穴を塞ぐ。
「魔界の奴らが楔を砕いたら、メタルドラゴンが暴れだす。クククッ楽しみだ」
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