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第二章

神界のパーティー

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「それでね、今度パーティーを開くことになったの」

「それは楽しそうですね」

「他人事じゃないのよ。
幹事に指名されたのが異世界の神で、私とアルテミスが補佐になったの」

「それは大変ですね」

「神って、基本飲兵衛だからね。
異世界の神は招待者の選別と、挨拶の順番とかの根回しで大変なことになってるわ。
だから私たちが来たの」

「えっ?」

「私たちは、自分たちのために力は使えないのよ」

「あっ、はい」

「じゃあ、お酒や食べ物はどうしたらいい?」

「まさか、お供えや奉納とか……ですか」

「ピンポーン♪
だからセナンに頼るしかないんだよな」

「ええーっ!」

「必要な資金は、この間の炭鉱から好きなだけ金を取り出してください。
それから、ヘファイストスの教えた転移は元の世界へも行けますから、それで何とかお願いできないかしら」

「えっ、帰れるんですか?」

「厳密にいうと、君が来た世界の複写版を作ったの。
だから、君の居場所はないんだけどね」

「まさか、パーティーのために……」

「表向きは違うわよ。正当な理屈は異世界間の物理的何とかって名目だったわ。
パーティーのためだもん、適当な理由でも監理局は承認しちゃうわよ。
なにしろ、最高神の肝いりだからさ」

「最高神様ですか……」

「正直に言うとね、神に対する尊厳みたいなものが薄れてきて、神界全体が力を無くしてきていたの。
それが、この町のおかげで活気づいてきたのよ。
それはセナンが先頭に立って住民に手本を示してくれているからこそよ」

「僕は、ただ感謝してるだけですから」

「それがいいんだよ。
下手な宗教と違って、お前はすべての神を受け入れてるだろ」

「まあ、日本では八百万の神様っていいますからね」

「宗教でもないのにすべての神を受け入れてくれるってとても大切な事なの」

「はあ……」

「期日は一か月後の1日よ。
それまでに、300人規模のパーティーを準備したいの。
神界は時間経過の概念がないから、今できたての料理を持っていけば、一か月後も同じ状態で食べられるわ。
お酒も同じよ」

「全部、この町で作らないとだめですか?
ほら、ビールやシャンパンなんかは買った方が早いですし、そもそも作り方知らないので」

「お酒やオードブルとか、地球もどきで取り寄せてもらっても問題ないわ。
その代わり、神界には何もないから、それこそテーブルから必要なんだけど」

「必要なものは言ってくれれば買いに行ってきますから、言ってください」

「じゃあ、この袋を渡しておくから、パーティーに必要なものはここに入れてね。
セナンの収納と同じように使えて、神界でも直接取り出せるから」

「わかりました。頑張りましょう」
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