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第一章
第5話、マイナス × マイナス = プラス
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マイナス×マイナスはプラスになる。
そんな奇妙な事が起こってしまったのだ。
「しっかりしてください」
「ここは……天国かな」
「変な事を言わないでください。
私の射た矢があなたのお腹を貫いてしまったんです」
「へっ、『ハイキュア!』『ハイヒール!』
はあ、もう大丈夫ですよ」
「そんなことありません。
私は、こういう事の連続で人に迷惑をかけてばかり。それがイヤになって人から離れて暮らしていたんです。
それが、こんなところへ人が来るなんて……」
「奇遇ですね。僕も不幸引き寄せ体質で、街道を歩くと事故ばかりなんですよ」
「ともかく家に来てください」
「はあ」
少女はニールという名だった。
淡い茶色のキツネ耳が可愛い。
ズボンから飛び出ている尻尾は、髪と同じで少し濃い茶色だ。
彼女の家は、粗末な小屋だった。
「すみません、こんなところで。
最初は大工さんに作ってもらったんですが、台風ですぐに壊れてしまって……」
「あはは、分かります。
僕も、宿に泊まると床が抜けたりネズミが出たり」
「あっ、私も同じです」
「街道を歩くとイノシシやクマが出てくるし」
「馬車に乗ると車軸が折れたり、車輪が外れたり……」
「いや、こんな事を話せる日が来るとは思いませんでした」
「私もデス」
「「あ、あの……」」
「はい」
「一緒に北の国に行きませんか」
「私は、北の国の出身で、向こうに行けば『厄災のニール』って知れ渡ってるんです。
ですから、ここで一緒に……その」
「知ってますか、マイナスとマイナスが合わさるとプラスになるんです」
「でも、磁石だと反発しますよ」
「こうして、出会ってしまって、反発はなさそうですよね。
だったら東の国に行きましょうよ」
「でも……、人の中にいるのは……」
-えーい、しょうがないのう。
ポワン☆☆☆彡
「「えっ、神さま……」」
『いかにも、わしがこの世界の神じゃ』
「へへー」
二人で土下座した。
低頭である。
『いや、普通にしとっていいよ。
先ほど、セナンが申したように、どうやら二人が出会ったことで、不幸体質がプラスに転じたようじゃ』
「やっぱり……」
『これが一時的なものかは不明じゃが、特にセナンの方はこの星を滅ぼしかねないほど、強力なモノじゃ。
じゃから、お主達二人は、これから一緒に生きていくのじゃ。
どれほど離れたら再発するかは、二人で試すが良い』
「「は、はい」」
『時にセナンよ』
「はい」
『武道大会とやらで、とんでもない量のスキルを覚えておる。
じゃが、このまま何を覚えているか分からない状態では使えまい。
今、助手に一覧を作らせておるからそれを使ってとりあえず魔王を討伐するのじゃ。
勿論、ニールも同行するのじゃぞ』
「ま、魔王ですか……ムリですよ」
そんな奇妙な事が起こってしまったのだ。
「しっかりしてください」
「ここは……天国かな」
「変な事を言わないでください。
私の射た矢があなたのお腹を貫いてしまったんです」
「へっ、『ハイキュア!』『ハイヒール!』
はあ、もう大丈夫ですよ」
「そんなことありません。
私は、こういう事の連続で人に迷惑をかけてばかり。それがイヤになって人から離れて暮らしていたんです。
それが、こんなところへ人が来るなんて……」
「奇遇ですね。僕も不幸引き寄せ体質で、街道を歩くと事故ばかりなんですよ」
「ともかく家に来てください」
「はあ」
少女はニールという名だった。
淡い茶色のキツネ耳が可愛い。
ズボンから飛び出ている尻尾は、髪と同じで少し濃い茶色だ。
彼女の家は、粗末な小屋だった。
「すみません、こんなところで。
最初は大工さんに作ってもらったんですが、台風ですぐに壊れてしまって……」
「あはは、分かります。
僕も、宿に泊まると床が抜けたりネズミが出たり」
「あっ、私も同じです」
「街道を歩くとイノシシやクマが出てくるし」
「馬車に乗ると車軸が折れたり、車輪が外れたり……」
「いや、こんな事を話せる日が来るとは思いませんでした」
「私もデス」
「「あ、あの……」」
「はい」
「一緒に北の国に行きませんか」
「私は、北の国の出身で、向こうに行けば『厄災のニール』って知れ渡ってるんです。
ですから、ここで一緒に……その」
「知ってますか、マイナスとマイナスが合わさるとプラスになるんです」
「でも、磁石だと反発しますよ」
「こうして、出会ってしまって、反発はなさそうですよね。
だったら東の国に行きましょうよ」
「でも……、人の中にいるのは……」
-えーい、しょうがないのう。
ポワン☆☆☆彡
「「えっ、神さま……」」
『いかにも、わしがこの世界の神じゃ』
「へへー」
二人で土下座した。
低頭である。
『いや、普通にしとっていいよ。
先ほど、セナンが申したように、どうやら二人が出会ったことで、不幸体質がプラスに転じたようじゃ』
「やっぱり……」
『これが一時的なものかは不明じゃが、特にセナンの方はこの星を滅ぼしかねないほど、強力なモノじゃ。
じゃから、お主達二人は、これから一緒に生きていくのじゃ。
どれほど離れたら再発するかは、二人で試すが良い』
「「は、はい」」
『時にセナンよ』
「はい」
『武道大会とやらで、とんでもない量のスキルを覚えておる。
じゃが、このまま何を覚えているか分からない状態では使えまい。
今、助手に一覧を作らせておるからそれを使ってとりあえず魔王を討伐するのじゃ。
勿論、ニールも同行するのじゃぞ』
「ま、魔王ですか……ムリですよ」
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