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第一章

息子よ……

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「おお、喜んでくれるのか息子よ!」

「へっ?」

「俺は、ジェシカを嫁にすることにした」

「なんでそうなるの」

「ガンダルカンとミシティーは正式に合併する。
両方の国を立て直すよりも、その方が合理的だろう」

「それはそうだけど」

「国の名もガンダルカン・ミシティー王国とする。
俺とジェシカはガンダルカンに移るから、こっちは任せたぞ」

「まて、結婚は母さんが了解してるのなら俺はいい。
だけど、実質3歳児にそんなもん任せるなよ」

「お前のことはジェシカから聞いたよ。
実際には17歳の知識と経験があるとな。
今回の働きを見ても、十分に領主としてやっていけると見たのだ。
それにモウジュも残そう」

こうして俺は3歳児にしてミシティー領の領主となった……いや、押し付けられた。

翌日、母さんと国王がガンダルカン領に移動する。
マリーは母さん付きで同行するが、ライアは残った。
もちろん俺の婚約者としてだ。
モウジュと大部分の兵士はミシティー領の駐在として残ってもらう。

「ジャスミン王子よ」

「やめてくれよ、これまで通り呼び捨てにしてくれ」

「そうはいかん。
れっきとした次期国王なのだからな」

「な、なんでそうなる」

「おや、国王の一人息子が次期国王ではないというのか」

「ぐっ……」

「まあ、時々はシンジやマリアの姿で遊びに出るのもいいじゃろう。
じゃが、魔法師団から護衛を連れて行くのじゃぞ。
それと、魔法師団はお主の直属じゃ。
好きに使ってやってくれ」

「いや、一人で行かせてくれよ」

「次期国王に対し、そこまで自由にはさせられんよ。
フォッフォッフォッ、まあ観念するんじゃな」

「はあ……、こんな事なら、皇帝なんか助けるんじゃなかった……」

「いや、我が国最強の魔法師が国王になるんじゃ。
わしは楽しくて仕方ないぞ」

「俺には、暗黒の未来しか見えねえよ」

「そんな事はあるまい。
第三の性をもつお主じゃ、人の倍は楽しめるじゃろう」



俺は、魔法師にアルミやチタンの特性を教え、様々な金属を量産し、加工・市場に投下した。
鍋や食器は木製からアルミ製にとってかわり、マヨネーズが市場を席巻した。
次に、俺はゴムの木を探させた。
硫黄と混ぜる事で弾力性のある物質に変化する樹液だ。
これには時間がかかったが、ゴムが普及すると靴が変化し、衣類も変わっていく。
そして車輪を生み出して、自転車を普及させる。

「まあ、領主としてここまでやればいいだろう。
さあ、遊ぶぞ~!」

「王子よ、国王からお呼びがかかってるぞ。
ミシティー領だけ便利にしてどうするとな」

********************

第一章終話です。
再開まで少しお待ちください。
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