両性具有の亡国王子は両方の性を満喫する

モモん

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第一章

決戦前夜

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その日、俺たち先発隊はガンダルカンに向けて出発した。
昼には母さんの演説があるがあり、皇帝も一緒に民衆の前に姿を表す段取りだ。

先発隊は魔法師30名と俺とモウジュさん、隊長級3名だ。
本隊は1日遅れて出発する。
先発隊は翌日朝ガンダルカンに入った。
隊長一人と魔法師3人が一組になり、本隊の隊長級に状況説明に走る。

俺とモウジュさんは、ミシティーの兵団長であったガルバ氏のもとに向かった。

モウジュさんが闇の中から囁く。

「ガルバよ」

「モウジュか、どうした」

「話がある、出てもよいか」

「無論だ」

モウジュさんと俺は闇から出た。

「そいつは?」

「ミシティーのジェシカ王女の息子だ」

「待て、ジェシカ王女が結婚してそんな時は経っていないぞ」

俺は、本来の3歳児に戻る。

「これでいいですか?」

「……」

「ここに、お主に宛てた皇帝の書がある。
まず、これを読め」

「なぜ、書面など……」

「いいから読め」

「……これは、本当なのか」

「昨日、ミシティーではジェシカ王女が国民に向けて説明しておる。
皇帝も一緒じゃ」

「にわかには信じられんが……」

ガルバ氏は顔面を蒼白にしている。

「ミシティーを攻めた理由にはなるじゃろ」

「だが、俺はミシティーを裏切った」

「ならば、その一命を賭して、偽皇帝の暗殺に手を貸せ」

「……俺は……どうしたらいいんだ」

「明日の早朝、魔法師団の本体が来る。
そこで、一気にかたをつける」

「だが、皇帝に魔法は効かぬぞ」

「障壁を破る手立てはある。100名が闇から攻めれば倒せぬこともあるまい。
それに、お主らも共に闇から攻撃してもらう。
魔法と物理、両面の攻撃だ。
それでダメなら諦めるしかあるまいて」

「時間は?」

「明け方三時だ」

「分かった、支度をして待機していよう」

「頼んだ」



次は兵団長だ。
俺たちは闇に潜り、兵団長の元を訪れる。

「……まことなのか」

「ミシティーを攻めたことも、これなら納得がいくであろう」

「た、確かに……あれほど親密にしていたミシティーを攻める道理はなかった。
それに、これは確かに陛下の字だ……」

「各隊長へも、今日中に連絡する」

「俺たちはどうすればいいのだ」

「何もするな。
事が終わったら、連絡するから皇帝側の人間を捕らえろ。
特に息子二人。
それと、十王8人の動向を確認しておけ。
皇帝側なのか判断できんからな」

「それだけでいいのか」

「逆に、目立ったことをして、悟られるほうがやっかいだ。
普段通りにしておれ」

こうして、決戦の準備が整った。

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