両性具有の亡国王子は両方の性を満喫する

モモん

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第一章

第三王女

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家に帰って、母さんに状況を伝えます。

「そんなことがあったなんて……」

「母さんは皇帝のこと知ってるの」

「ええ、ジャン皇帝陛下には小さい頃から可愛がってもらったわ」

「皇帝もそう言ってた」

「ジェシカ様、それが真実なら、今こそ名乗り出るまたとない機会かと」

「私もそう思います」

「俺もだ。ガンダルカンの皇帝と一緒に名乗りをあげて、地固めをしておかないとダメだと思う」

「そうね。ともかく、おじさまに一度お目にかかりたいわ」

「じゃあ、明日にでもみんなで行こうか」

「三人も抱えて飛べるんですか」

「明日までに工夫しておくよ」

翌朝、俺は三人乗った籠をぶら下げてミシティー城へ飛んだ。
三人で150kg、いくら身体強化してもマリアでは無理だったため、シンジの姿でだ。

ミシティー城上空で魔法師が飛び上がってきた。

「マリアの連れだ!」

「了解したが、我々についてきてもらおう」

魔法師に誘導されてミシティー城のバルコニーに降り、モウジュ氏の元まで連行される。

「はて、どういうことかな?」

俺は一度子供に戻りマリアの姿になる。

「これは?」

「私は両性具有なの。
だからどちらの姿にもなれるわ」

「ほう、そのような便利な体とは……」

「ご内密にお願いします。いろいろと使い分けているものですから」

「承知した。で、そちらの御仁は?」

「母のジェシカ・クールカンと側近です」

「おお、第三王女様」

「モウジュ殿ですね。
ガンダルカン皇帝に取次ぎをお願いします」

「は、こちらへ」

モウジュさんの案内で室内に入ります。

「皇帝陛下、ジェシカ王女様がお見えです」

「なに、待て、着替えを頼む」

「おじ様、無理なさらないでください。
横になったままで結構ですよ」

「おお、ジェシカ……すまんな、我が国がミシティーに迷惑をかけた」

「仕方ありませんわ、それよりもしっかり静養いただいて、それから対策を考えましょう」

「そうも言ってられんのじゃ。
今、国内におる兵士を掌握せんとな」

「でしたら、私からも旧ミシティーの国民に呼びかけましょう」

「ミシティーも共に戦ってくれるのか」

「当然ですわ。
微力ながらお手伝いさせていただきます」

「では、今日中に軍の統率をとって、明日昼に王女からのメッセージを発信すると通知させましょう」

やはり、トップ同士だと話も早い。
母さんたちは、今日から城へ滞在することとなった、


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