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第一章

ライアの両親

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冒険者ギルドでキラークラブを解体してもらい、ライラを伴ってギルドを出る。

一旦闇に潜り、離れた場所から空を飛ぶ。

「大騒ぎはしなかったろうな」

「えっ……」

「マリアの言う通り、危機感に欠けているようだな」

「久しぶりにライアに会えるのよ。しょうがないじゃない」

「それが、ライアの身の危険につながるとは考えられないのか」

「ライアに会ったら、家に帰るように説得するわ」

「ライアが、王妃や仲間を見捨てて帰ると、本気で思っているのか」

「当然でしょ。家族と暮らしたいっていうわよ」

家から離れた場所で闇に潜り、ライラには場所が分からないように細工する。

「ただいま」

直接家の中に出て声をかける。

「お帰り……、ライラ」

「ライア、会いたかった」

パシッ!

ライアの平手打ちがとんだ。

「聞いたわ。お父さんとお母さんを危険な目にあわせたそうね」

「だって……」

「少しは成長してるんじゃないかと期待した私がバカだったわ」

「もう、家に帰ろうよ。お父さんもお母さんも心配してるよ」

「私は帰らない。王妃様とじゃ……シンジ様と仲間と共に生きていくわ」

「もう、ミシティーなんてないんだから……」

「国がどうこうっていうのは関係ないわ。私は王妃様に忠誠を誓っているし、それは何が変わろうと揺るがない」

「そんなのって……」

「それに、もし帰ったとしても、私はマークされているからすぐに捕まるわ。それくらいの事が分からないの」

「そんなの帰ってみないと分からないじゃない。そうだ、私が王族に直訴してあげるから」

「そんなことしてみなさい。また家族全員が捕まるだけよ」

「ライアが犠牲になって帰れないなんておかしいじゃない」

「犠牲じゃないわ。家族よりも大切な仲間なの」

「王妃様、何とか言ってください。ライアは……」

パシィッ!

「シンジ様、連れて帰ってください。
これ以上話すことはありません」

「分かった」

ライラを眠らせて連れ帰る。
ギルドの前でライラと別れて闇に潜る。

帰宅するライラの後をつけて家は確認した。

翌日、ライラが出かけたのを確認して両親を訪ねる。

「そうですか、ライアは元気なんですね」

「ええ、おそらく王妃の息子と結ばれると思います

「王妃に息子さんが!」

「ええ、ただ今のところ国を興す気はないようですから、ただの冒険者ですけど」

「私どもの事は心配せず、元気で暮らすよう伝えてください」

「はい。承知しました」

自分がその息子だとは打ち明けられない。
いつか、子供でもできたら、一緒に会いに来よう。
俺は両親の家を辞した。
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