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第一章

Aランク討伐

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翌日、朝早くからギルドに顔を出す。

「おはようございます。
ライラさんは来ていませんか?」

「今日も見ていませんね」

「そうですか。じゃあAランクの依頼受けますよ」

「ありがとうございます。
昨日、ギルマスが嬉しそうに選んでいました。
この3件をお願いしてくれって」

「えっと、タイコタヌキの騒音苦情……」

「ええ、夜になると腹鼓を打って、結構広範囲から苦情が出てるんですよ。
近づくと腹鼓の振動波でダメージを受けるので、遠隔系の攻撃でしか倒せないんです」

「それと、キラークラブ……」

「こいつは、鋭いハサミを持っていて、漁師の仕掛けた網を切ってしまうんです。
これは熱に弱いんですが、何分水中なので手を焼いているんです。
ただ、身がおいしいので、買取価格は高額になりますよ」

「最後にフライングシャークですか」

「飛んでくるサメです。一度の滑空で10mも飛ぶんですよ。
小さな漁船は沈められてしまいますので、討伐が難しいんです。
漁師ギルドに連絡して、大型船を手配してもらうことになっています」

「漁師ギルドの応援は必要ありませんよ。
じゃあ、この3件行ってきます」

「よろしくお願いします」



優先度から考えるとフライングシャークだな。
だいたいの出没エリアは分かったから、ダミーの舟を木から削りだして風魔法でそのエリアを走り回る。
20分ほどでそいつが出てきた。
いきなり飛び上がって攻撃してきたので、氷槍アイスランスを口にぶち込んでやる。
だが、かみ砕かれてしまった。
俺は風魔法で飛び上がり、フライングシャークの攻撃を回避するが、舟は一撃で壊れてしまった。
サメの奴は、空中の俺めがけて飛び上がってくる。
俺はフローズンでシャークそのものを氷漬けにしてそのまま収納する。

次はキラークラブだ。
5mほどの海底にいるのだが、2mほどの真っ赤なカニなので海上から丸見えだ。
これも、海水ごと円柱状に凍り付かせる。
3匹捕獲できたので一匹は家にお土産で持ち帰ろう。
家族の喜ぶ顔が目に浮かぶ。

タイコタヌキは巣がわかっているので、簡単だ。
アイスランスで簡単に仕留めてやる。
子連れだったが仕方ない。

3件の依頼を終えてギルドに戻ると、ライラが捕まっていた。

「誰よあんた」

「マリアに頼まれてきた」

「……」

「両親は無事なのか?」

「大丈夫よ」

「ライアのところに連れて行ってやる」

「ホント!」

ギルドで獲物を収納から出して完了のチェックをしてもらう。
カニとサメは氷漬けのままだ。

「まだ生きていると思うので、解凍する時は注意してくださいね」

一匹のカニは、さばいてもらう。
その間にライラは両親に外泊のことを伝えてもらった。
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