両性具有の亡国王子は両方の性を満喫する

モモん

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第一章

ギルマスの紹介状

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翌日、シンジ・オオガミの姿で町へ行き、カレンさんに依頼があるか確認します。

「シンジ君に回すような依頼はないわね。
どうする、Aランクの依頼受ける?」

「いえ、今日は用があって港町まで行こうと思って」

「だったら、向こうのギルマスに紹介状書きましょうか」

「あっ、お願いします」

それなら、この姿で堂々と出かけられる。



「ほう、ミンクのギルマスが推薦状を書いてよろすとは、よほど手放したくない人材ってことか」

「そうなんですか?」

「ランクがAってのは、ギルドカードを見せりゃあ済むだろ。
わざわざ、紹介状を持たせるってことは、手を出すなとこっちに言ってるようなもんだろ」

「はあ」

「それで、用事ってのは」

「ライラって女の子、エルフらしいんですけど、探すよう頼まれまして」

「おーい、誰かライラを見たやついるか」

「そういやあ、昨日から来てないぜ」

「そうですか、ありがとうございます」

「残念だったな」

「いえ、僕も頼まれただけですから」

「Aランクの依頼を受けてくれる気はあるかい?」

「仕事があるんでしたらやりますよ」

「助かるよ。
この町では、Aランク冒険者が少なくて、依頼がたまる一方なんだ」

受けた依頼は、サンゴ礁に出没するテントパスというタコのモンスター討伐でした。
俺は空中から苦も無くテントパスを見つけ出し、魔法弾を打ち込んで仕留めます。

テントパスを収納にしまってギルドへ戻ります。

「テントパスの討伐が終わりましたけど、どこに出したらいいですか?」

「えっ、だってさっき出て行ったばかり……」

奥の倉庫でテントパスを収納から出して、確認してもらいます。

「こ、こんなに早いなんて……」

「ほかにAランクの依頼があるんなら片づけますよ」


俺は、その日もう二件の依頼をやっつけた。
レッドシャ-ク討伐と大量発生したリザードマンの掃討だ。

「すごいな。ミンクのギルマスが囲い込みたいのもうなづける。
これからも、時々顔を出してくれると助かるんだが」

「こっちに来た時には顔を出しますよ。
ライラさんが見つかるまでは滞在するつもりですから、明日も顔をだしますよ」

「そうか、助かる。
ライラが顔を出したら、必ず拘束しておくからな」

「お願いします。でも手荒なことはしないでくださいね」
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