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第一章

オークとオーガ

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緊急依頼は西の森に出現したオーク3頭の討伐だった。
討伐証明に依頼元の村にオークの右手を切り取って持参し、確認を受けることと書かれている。

期限は3日以内で、報奨金は金貨3枚。
同じ西の山脈でロックバードの卵採取と、ノコギリソウの採取があったので、一緒にカウンターに持っていく。

「この三つを受けたいんですが」

「同時の受注は三つまでですが、ちょっと無理なんじゃないでしょうか」

「ロックバードの巣は知っていますし、ノコギリソウも多分大丈夫です。
あとはオークさえすんなり見つかれば問題ありません。
村までの地図ってありますか?」

「ギルドマップはお持ちじゃないですよね」

「マップって売ってるんですか?」

「ええ、銀貨2枚になります」

「それでしたら足ります。売ってください」

「はい。町がこの場所になりますから、これが依頼のあった村です。
裏にノコギリソウの絵がありますから見ておいてくださいね」

「ありがとうございます」

そのままギルドを飛び出し、門を出てから林に入って飛び上がり、街道沿いに西を目指す。
西の村まで10分ほどで到着した。

「すみません。村長さんの家はどちらですか」

「あ、あそこの赤い煙突の家だ。
それよりも早く逃げないとオーガが襲ってくるぞ」

村人は走り去りました。

「オークじゃないのかよ」

村長さんの家に行くと、大勢集まっていました。

「あのー、ギルドに依頼されたオークの討伐に来たんですけど」

「何言ってる。今朝になってオーガが目撃された。いつ村にくるか分からんのだぞ」

「それって、追加の依頼で出してもらえます?」

「いくらでも出すから、何とかできるもんならやってくれ」

「じゃあ、ここにオーガ追加と書いてください」

「ほ、本当に何とかできるのか?」

「ええ、大丈夫ですよ」

「じゃが、金貨がないんじゃ、5枚までなら何とかする」

「じゃあ、金貨5枚と書いてください」

来たー!と叫ぶ声がしたので、急いで外に出ると、森の木の向こうに頭が見えた。
平屋の屋根くらいの高さだ。

オーガに追われてオークが5頭村に駆け込んでくる。

『アイススピアー!』
氷の手槍を5本飛ばし、オークの頭を打ち抜く。

オークの絶命を確認し空に飛びあがる。
探すまでもなく見えているんだから楽勝だ。
近づいてアイスランスで岸刺しにする。

オーガとオークの右手を切り取って村長さんに確認してもらう。
本体があるんだから必要ないと思うかもしれないが、手順は大切だ。

「じゃあ、ここにサインください」

「あ、ああ。
まさか、こんなにあっけなく倒してしまうとは……」
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