稀代の魔物使い

モモん

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第Ⅵ章 南の大地

直行便

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やがて、ダイバーンとの交易を始める日を迎えた。

「じゃあ、塩とソイソースをワイバーンに積んでください。
荷崩れを起こさないように、しっかり固定してね」

「はい!」

返事の主は、今日から正式に飛竜乗りとなるセシリアだ。
セシリアにとっては、夢にまで見た仕事である。

追加の警備員はまだ決まっていないが、屋敷にはミーミーたちがいるので問題ない。
この屋敷を知っていて、かつ盗みに入ろうという命知らずがいない限りは。

シーリアの先導でダイバーン王国のアナカワ町に向かうワイバーン5匹。
空は青く飛行には快適な日であった。



「では、塩とソイソースです」

「うむ。
こちらはメロンとモモとパイナップルを用意した。
だが、この量では到底見合わんぞ。本当にいいのか?」

「近いうちにそのあたりの調整を行います。
輸送費もその時に取り決めたいと思っていますが、例えば塩などはアルトハインでは十分に貯えもあります。
価値観はそれぞれ違いますので、例えば自国で金貨5枚分といった形になると思います。
では、いただいてまいります」

「おう。明日からは、ここに魚が加わるのだな」

「その予定です」

「民も楽しみにしておる。
よろしくな」

「はい」

この日は、アナカワからアルトハイン王都へ直行し、そのあとでシュトーリアに帰る。



アルトハインの出迎えはカイン王子だ。

「お待たせしました。
初めてのダイバーンからの直行便です。
ご確認ください」

「おお、待ちかねたぞ。
国王も朝からそわそわしてな」

「大袈裟ですよ。
これからは毎日2便届くんですからね」

「しかしな。山脈二つ先の国からこうしてその日のうちに荷が届く日が来るとは夢にも思わなかったぞ」

「その分、輸送費はしっかりといただきますからね」

「当然だ。普通は何日もかけて荷を運ぶのだから、荷と同額以上の輸送費がかかる。
いくらワイバーンを使っているといっても、そこはきっちりと考えさせてもらうからな」

「えへへ、期待してます……と言いたいところですが、それだと価格が高騰して一般の民には手の届かない価格になってしまいます。
ですから、そこを配慮して、荷の一割程度を考えているんです」

「一割だと!」

「はい。輸送費がそのうちの半分で、もう半分は流通税として国の利益にします」

「その考え方でいくと、この国でも5%の流通税を課して卸せばよいのか。
それならば一般の民でも手に入る価格になる……
流通税か、面白いことを考えたものだ」

「どうしたらみんながこの恩恵を受けられるか、必死で考えました。
私のところは、ワイバーンの食事代と三人分のお給料が出ればいいですから」

「相変わらず欲がないよな。
王族らしい考え方だ」
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