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第Ⅵ章 南の大地
流通センター構想
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その日も、山盛りのフルーツを持ち帰ったシーリアだったが、アルトハインへは翌日行くことにした。
どのみちミーミーできているので、一旦は帰らなくてはならない。
「みんなー、今日もフルーツどっさりよ」
「キャー、また新しいのがありますね。
この大きなのは?」
「スイカっていうんだって。
冷やして食べると美味しいって言ってたわ。
フルーツは明日アルトハインへ半分持っていくので、半分だけね」
「マリアーナが喜びそうですね。
あの子、フルーツ処理するの上手だから」
「そうね。
柑橘類もいっぱいあるから、おいしいソースやジャムにしてくれるんじゃないかな」
マリアーナはアルトハインの臨時料理長である。
2年間の約束で常駐してもらっているのだ。
そうして、シーリアは警備のセシリアに声をかける。
「セシリアさんは警備ということで屋敷に詰めていただいてますが、ほかのお仕事に変わっていただきたいのですが、不都合はありますか?」
「何か問題でもありましたか……」
「違うのよ。
私の個人的な構想なんですけど、ダイバーンとの交易を始めようとおもっているの。
そのために、ワイバーンを操れる人が必要なんだけど如何?」
「ま、毎日ワイバーンに乗る仕事なんですか!お給料なしでもやりたいです!」
「特殊な能力ですからね。お給料は今までよりもアップさせてもらうつもりよ」
こうして、ダイバーンとの定期便も目途がついた。
その足で国王に報告に行く。
「ダイバーンとの交易の目途が立ちましたので、実行したいと思います。
基本的に、交易の中心はシュトーリアにおいて、ここ経由でダイバーンとアルトハインに荷の運搬をさせます。
つきましては、城の裏庭に外務局の倉庫を建てたいと思いますので許可をお願いします」
「許可って、手ぶらかよ。
決裁書をもってこい!」
「それは後ほど担当に持ってこさせます。
流通させる物資は、ダイバーンから果実中心として、アルトハインからは魚と塩。
シュトーリアからはイノシン肉とソイソース・マヨソースを考えています」
「それも決裁書にして持ってこい」
「それらの物資を捌くのに、会計と農事局のスタッフがほしいんですけど。
事務室も総務局の間借りではなく、別の部屋にしてください」
「まさか、こんなに早く外務局が機能するとは思わなかったぞ……」
「のんびりしてたら、それだけ美味しいものを食べる機会を逃すことになりますから」
「そこかよ……
セシリアも正式に飛竜乗りとなるのだな」
「はい。本人も喜んでいます」
「収益はどれくらい見込めるんだ」
「どれくらい収益をあげればいいんですか。
ある意味、こちらの言い値ですからね。
とはいえ、不公平感がでないようにしたいので、優秀なスタッフをお願いします。
それから、収益というよりも、税制にして固定費を課したほうがよくありませんか」
「国はあくまでも税収か。もっともだな。
おまえにしてはよく考えているな。そこは総務局と調整してくれ」
翌日、シーリアはワイバーンに乗ってアルトハインに向かうのであった。
どのみちミーミーできているので、一旦は帰らなくてはならない。
「みんなー、今日もフルーツどっさりよ」
「キャー、また新しいのがありますね。
この大きなのは?」
「スイカっていうんだって。
冷やして食べると美味しいって言ってたわ。
フルーツは明日アルトハインへ半分持っていくので、半分だけね」
「マリアーナが喜びそうですね。
あの子、フルーツ処理するの上手だから」
「そうね。
柑橘類もいっぱいあるから、おいしいソースやジャムにしてくれるんじゃないかな」
マリアーナはアルトハインの臨時料理長である。
2年間の約束で常駐してもらっているのだ。
そうして、シーリアは警備のセシリアに声をかける。
「セシリアさんは警備ということで屋敷に詰めていただいてますが、ほかのお仕事に変わっていただきたいのですが、不都合はありますか?」
「何か問題でもありましたか……」
「違うのよ。
私の個人的な構想なんですけど、ダイバーンとの交易を始めようとおもっているの。
そのために、ワイバーンを操れる人が必要なんだけど如何?」
「ま、毎日ワイバーンに乗る仕事なんですか!お給料なしでもやりたいです!」
「特殊な能力ですからね。お給料は今までよりもアップさせてもらうつもりよ」
こうして、ダイバーンとの定期便も目途がついた。
その足で国王に報告に行く。
「ダイバーンとの交易の目途が立ちましたので、実行したいと思います。
基本的に、交易の中心はシュトーリアにおいて、ここ経由でダイバーンとアルトハインに荷の運搬をさせます。
つきましては、城の裏庭に外務局の倉庫を建てたいと思いますので許可をお願いします」
「許可って、手ぶらかよ。
決裁書をもってこい!」
「それは後ほど担当に持ってこさせます。
流通させる物資は、ダイバーンから果実中心として、アルトハインからは魚と塩。
シュトーリアからはイノシン肉とソイソース・マヨソースを考えています」
「それも決裁書にして持ってこい」
「それらの物資を捌くのに、会計と農事局のスタッフがほしいんですけど。
事務室も総務局の間借りではなく、別の部屋にしてください」
「まさか、こんなに早く外務局が機能するとは思わなかったぞ……」
「のんびりしてたら、それだけ美味しいものを食べる機会を逃すことになりますから」
「そこかよ……
セシリアも正式に飛竜乗りとなるのだな」
「はい。本人も喜んでいます」
「収益はどれくらい見込めるんだ」
「どれくらい収益をあげればいいんですか。
ある意味、こちらの言い値ですからね。
とはいえ、不公平感がでないようにしたいので、優秀なスタッフをお願いします。
それから、収益というよりも、税制にして固定費を課したほうがよくありませんか」
「国はあくまでも税収か。もっともだな。
おまえにしてはよく考えているな。そこは総務局と調整してくれ」
翌日、シーリアはワイバーンに乗ってアルトハインに向かうのであった。
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