165 / 172
第Ⅵ章 南の大地
流通センター構想
しおりを挟む
その日も、山盛りのフルーツを持ち帰ったシーリアだったが、アルトハインへは翌日行くことにした。
どのみちミーミーできているので、一旦は帰らなくてはならない。
「みんなー、今日もフルーツどっさりよ」
「キャー、また新しいのがありますね。
この大きなのは?」
「スイカっていうんだって。
冷やして食べると美味しいって言ってたわ。
フルーツは明日アルトハインへ半分持っていくので、半分だけね」
「マリアーナが喜びそうですね。
あの子、フルーツ処理するの上手だから」
「そうね。
柑橘類もいっぱいあるから、おいしいソースやジャムにしてくれるんじゃないかな」
マリアーナはアルトハインの臨時料理長である。
2年間の約束で常駐してもらっているのだ。
そうして、シーリアは警備のセシリアに声をかける。
「セシリアさんは警備ということで屋敷に詰めていただいてますが、ほかのお仕事に変わっていただきたいのですが、不都合はありますか?」
「何か問題でもありましたか……」
「違うのよ。
私の個人的な構想なんですけど、ダイバーンとの交易を始めようとおもっているの。
そのために、ワイバーンを操れる人が必要なんだけど如何?」
「ま、毎日ワイバーンに乗る仕事なんですか!お給料なしでもやりたいです!」
「特殊な能力ですからね。お給料は今までよりもアップさせてもらうつもりよ」
こうして、ダイバーンとの定期便も目途がついた。
その足で国王に報告に行く。
「ダイバーンとの交易の目途が立ちましたので、実行したいと思います。
基本的に、交易の中心はシュトーリアにおいて、ここ経由でダイバーンとアルトハインに荷の運搬をさせます。
つきましては、城の裏庭に外務局の倉庫を建てたいと思いますので許可をお願いします」
「許可って、手ぶらかよ。
決裁書をもってこい!」
「それは後ほど担当に持ってこさせます。
流通させる物資は、ダイバーンから果実中心として、アルトハインからは魚と塩。
シュトーリアからはイノシン肉とソイソース・マヨソースを考えています」
「それも決裁書にして持ってこい」
「それらの物資を捌くのに、会計と農事局のスタッフがほしいんですけど。
事務室も総務局の間借りではなく、別の部屋にしてください」
「まさか、こんなに早く外務局が機能するとは思わなかったぞ……」
「のんびりしてたら、それだけ美味しいものを食べる機会を逃すことになりますから」
「そこかよ……
セシリアも正式に飛竜乗りとなるのだな」
「はい。本人も喜んでいます」
「収益はどれくらい見込めるんだ」
「どれくらい収益をあげればいいんですか。
ある意味、こちらの言い値ですからね。
とはいえ、不公平感がでないようにしたいので、優秀なスタッフをお願いします。
それから、収益というよりも、税制にして固定費を課したほうがよくありませんか」
「国はあくまでも税収か。もっともだな。
おまえにしてはよく考えているな。そこは総務局と調整してくれ」
翌日、シーリアはワイバーンに乗ってアルトハインに向かうのであった。
どのみちミーミーできているので、一旦は帰らなくてはならない。
「みんなー、今日もフルーツどっさりよ」
「キャー、また新しいのがありますね。
この大きなのは?」
「スイカっていうんだって。
冷やして食べると美味しいって言ってたわ。
フルーツは明日アルトハインへ半分持っていくので、半分だけね」
「マリアーナが喜びそうですね。
あの子、フルーツ処理するの上手だから」
「そうね。
柑橘類もいっぱいあるから、おいしいソースやジャムにしてくれるんじゃないかな」
マリアーナはアルトハインの臨時料理長である。
2年間の約束で常駐してもらっているのだ。
そうして、シーリアは警備のセシリアに声をかける。
「セシリアさんは警備ということで屋敷に詰めていただいてますが、ほかのお仕事に変わっていただきたいのですが、不都合はありますか?」
「何か問題でもありましたか……」
「違うのよ。
私の個人的な構想なんですけど、ダイバーンとの交易を始めようとおもっているの。
そのために、ワイバーンを操れる人が必要なんだけど如何?」
「ま、毎日ワイバーンに乗る仕事なんですか!お給料なしでもやりたいです!」
「特殊な能力ですからね。お給料は今までよりもアップさせてもらうつもりよ」
こうして、ダイバーンとの定期便も目途がついた。
その足で国王に報告に行く。
「ダイバーンとの交易の目途が立ちましたので、実行したいと思います。
基本的に、交易の中心はシュトーリアにおいて、ここ経由でダイバーンとアルトハインに荷の運搬をさせます。
つきましては、城の裏庭に外務局の倉庫を建てたいと思いますので許可をお願いします」
「許可って、手ぶらかよ。
決裁書をもってこい!」
「それは後ほど担当に持ってこさせます。
流通させる物資は、ダイバーンから果実中心として、アルトハインからは魚と塩。
シュトーリアからはイノシン肉とソイソース・マヨソースを考えています」
「それも決裁書にして持ってこい」
「それらの物資を捌くのに、会計と農事局のスタッフがほしいんですけど。
事務室も総務局の間借りではなく、別の部屋にしてください」
「まさか、こんなに早く外務局が機能するとは思わなかったぞ……」
「のんびりしてたら、それだけ美味しいものを食べる機会を逃すことになりますから」
「そこかよ……
セシリアも正式に飛竜乗りとなるのだな」
「はい。本人も喜んでいます」
「収益はどれくらい見込めるんだ」
「どれくらい収益をあげればいいんですか。
ある意味、こちらの言い値ですからね。
とはいえ、不公平感がでないようにしたいので、優秀なスタッフをお願いします。
それから、収益というよりも、税制にして固定費を課したほうがよくありませんか」
「国はあくまでも税収か。もっともだな。
おまえにしてはよく考えているな。そこは総務局と調整してくれ」
翌日、シーリアはワイバーンに乗ってアルトハインに向かうのであった。
0
お気に入りに追加
65
あなたにおすすめの小説
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
俺だけに効くエリクサー。飲んで戦って気が付けば異世界最強に⁉
まるせい
ファンタジー
異世界に召喚された熱海 湊(あたみ みなと)が得たのは(自分だけにしか効果のない)エリクサーを作り出す能力だった。『外れ異世界人』認定された湊は神殿から追放されてしまう。
貰った手切れ金を元手に装備を整え、湊はこの世界で生きることを決意する。
ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
家庭菜園物語
コンビニ
ファンタジー
お人好しで動物好きな最上 悠(さいじょう ゆう)は肉親であった祖父が亡くなり、最後の家族であり姉のような存在でもある黒猫の杏(あんず)も静かに息を引き取ろうとする中で、助けたいなら異世界に来てくれないかと、少し残念な神様に提案される。
その転移先で秋田犬の大福を助けたことで、能力を失いそのままスローライフをおくることとなってしまう。
異世界で新しい家族や友人を作り、本人としてはほのぼのと家庭菜園を営んでいるが、小さな畑が世界には大きな影響を与えることになっていく。
大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです
飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。
だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。
勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し!
そんなお話です。
転生したら貴族の息子の友人A(庶民)になりました。
襲
ファンタジー
〈あらすじ〉
信号無視で突っ込んできたトラックに轢かれそうになった子どもを助けて代わりに轢かれた俺。
目が覚めると、そこは異世界!?
あぁ、よくあるやつか。
食堂兼居酒屋を営む両親の元に転生した俺は、庶民なのに、領主の息子、つまりは貴族の坊ちゃんと関わることに……
面倒ごとは御免なんだが。
魔力量“だけ”チートな主人公が、店を手伝いながら、学校で学びながら、冒険もしながら、領主の息子をからかいつつ(オイ)、のんびり(できたらいいな)ライフを満喫するお話。
誤字脱字の訂正、感想、などなど、お待ちしております。
やんわり決まってるけど、大体行き当たりばったりです。
転生テイマー、異世界生活を楽しむ
さっちさん
ファンタジー
題名変更しました。
内容がどんどんかけ離れていくので…
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
ありきたりな転生ものの予定です。
主人公は30代後半で病死した、天涯孤独の女性が幼女になって冒険する。
一応、転生特典でスキルは貰ったけど、大丈夫か。私。
まっ、なんとかなるっしょ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる