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第Ⅵ章 南の大地
ワイバーンはいないようだ
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翌日、シーリアはミーミーに乗ってラトランドを目指すが、途中に挙兵されている様子はなかった。
ラトランド王都についても、ワイバーンの姿は見えない。
挑発気味に城の上空を旋回しても同じだった。
見えないとことで地表に降りて、少し聞き込みをしたところ、ここ数か月はワイバーンの姿を見ていないとのことだった。
私はアナカワに戻って領主にその旨を伝える。
「やはり、ワイバーン部隊の壊滅により、兵を引き上げたとみえますな」
「今のところはそうだと思います。
ただ、完全にあきらめたのかどうかは分かりませんので、ラトランドに対する警戒は続けたほうがいいと思いますよ」
「そうですな。
国境の見張りを強化して、臨戦態勢は解除しましょう。
いやあ、本当にありがとうございます」
お礼だと、たくさんのフルーツとハムを分けてもらい、シーリアは一旦シュトーリアに引き返した。
そして、国王に今回の一件を報告する。
「なに、ダイバーンへ行ったのか」
「はい。下見のつもりでしたので、相談せずに申し訳ありません」
「そうだな。せめて外務局には伝えておいた方がよかったな。
そうすれば、何かあった時に対処できるからな」
「申し訳ございません」
「それで?」
「ラトランドと交戦中と聞いていたのですが、ラトランド側は兵を引き上げている様子でした」
「戦は終わったのか」
「ワイバーン部隊の壊滅が影響しているようで、少なくとも前線の領主はそうみています」
「なるほどな。
それだけワイバーン部隊の存在は大きかったということか」
「物資の輸送や、兵士の補強などにも使われていたようです」
「そうだろうな。俺の裁量で動かせるワイバーンがいるなら当然そうするからな」
「申し訳ございません」
「まあ良い。気にするな。
魔物を戦の道具にしたくないというのは俺も同じだ」
「それで、今回情報交換させていただいた、アナカワという町で、土産をもらってきました。
多くのフルーツをいただきましたので、今日の夕食にお出しいたします」
「ほう、南国だからフルーツは豊富なんだな」
「肉にしても、新しい保存方法を仕入れてきました。
今日はその一部をお出しします」
「ベーコンとは違うのか」
「若干の違いですが、触感は別物ですね。
焼かずに食べられるという点で大きく違ってきます」
「ほう。夕食を楽しみにしていよう」
「何度かダイバーンに行って、交易を実現させようと思います」
「こっちからは、ソイソースか」
「水牛の乳を使った加工品も出せますね」
「チーズや乳油だな。
まあ、そのあたりは自由にやっていいぞ」
「はい。ありがとうございます」
ラトランド王都についても、ワイバーンの姿は見えない。
挑発気味に城の上空を旋回しても同じだった。
見えないとことで地表に降りて、少し聞き込みをしたところ、ここ数か月はワイバーンの姿を見ていないとのことだった。
私はアナカワに戻って領主にその旨を伝える。
「やはり、ワイバーン部隊の壊滅により、兵を引き上げたとみえますな」
「今のところはそうだと思います。
ただ、完全にあきらめたのかどうかは分かりませんので、ラトランドに対する警戒は続けたほうがいいと思いますよ」
「そうですな。
国境の見張りを強化して、臨戦態勢は解除しましょう。
いやあ、本当にありがとうございます」
お礼だと、たくさんのフルーツとハムを分けてもらい、シーリアは一旦シュトーリアに引き返した。
そして、国王に今回の一件を報告する。
「なに、ダイバーンへ行ったのか」
「はい。下見のつもりでしたので、相談せずに申し訳ありません」
「そうだな。せめて外務局には伝えておいた方がよかったな。
そうすれば、何かあった時に対処できるからな」
「申し訳ございません」
「それで?」
「ラトランドと交戦中と聞いていたのですが、ラトランド側は兵を引き上げている様子でした」
「戦は終わったのか」
「ワイバーン部隊の壊滅が影響しているようで、少なくとも前線の領主はそうみています」
「なるほどな。
それだけワイバーン部隊の存在は大きかったということか」
「物資の輸送や、兵士の補強などにも使われていたようです」
「そうだろうな。俺の裁量で動かせるワイバーンがいるなら当然そうするからな」
「申し訳ございません」
「まあ良い。気にするな。
魔物を戦の道具にしたくないというのは俺も同じだ」
「それで、今回情報交換させていただいた、アナカワという町で、土産をもらってきました。
多くのフルーツをいただきましたので、今日の夕食にお出しいたします」
「ほう、南国だからフルーツは豊富なんだな」
「肉にしても、新しい保存方法を仕入れてきました。
今日はその一部をお出しします」
「ベーコンとは違うのか」
「若干の違いですが、触感は別物ですね。
焼かずに食べられるという点で大きく違ってきます」
「ほう。夕食を楽しみにしていよう」
「何度かダイバーンに行って、交易を実現させようと思います」
「こっちからは、ソイソースか」
「水牛の乳を使った加工品も出せますね」
「チーズや乳油だな。
まあ、そのあたりは自由にやっていいぞ」
「はい。ありがとうございます」
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