146 / 172
第Ⅴ章 北からの来訪者
魔法競技 真の一番は誰だ?
しおりを挟む
メインスタジアムの第二競技は20km長距離走だ。
だが、この種目には魔族のエントリーはなかった。
地上を走るくらいなら飛んで行った方が早いし楽だからだ。
したがって、ここはシュトーリアとアルトハインの一騎打ちになる。
どちらの兵団も、負けることは許されない。
お互いの威信をかけた戦いであった。
「いいか、最初から全力でいくんだぞ」
「こもかく、シュトーリアの兵士だけには負かるんじゃない」
かくして、両陣営ともにスタートから全力疾走となった……なってしまった。
ペース配分を無視した暴挙は、1kmもいかないうちにスタミナ切れを引き起こし、総崩れとなった。
結局、長距離走を制したのは、シュトーリアとアルトハインの山間部に暮らす木こりや炭焼きだった。
木製武器を使う武術競技には、結局シュトーリアとアルトハインの代表1名しかエントリーがなかった。
ほかは、すべて格闘にまわったのだ。
ここは、アルトハイン側が勝利したものの、どちらも譲らない拮抗した試合となったため両社とも面目を保った。
北スタジアムでは、土魔法の試合が行われていた。
これは、1対1のマッチアップ方式で、64名の参加者で試合が行われている。
土魔法競技のルールは、まず自陣に1m四方の立方体を土で作成し、どちらが早く相手の立方体を崩せるかで勝負が決まる。
ところが、30%の出場者は、制限時間内に立方体を構築できずに敗退した。
土魔法は地味であるため、得意とする選手が少ないのだ。
予選を勝ち上がったのは、21人が魔族で、シュトーリアが5人、アルトハインが6人となった。
ヒト族の巻き返しに期待したい。
東スタジアムは、火魔法の試合会場だ。
魔法競技の中では、ここが一番エントリーが多く、約1000人となった。
そのため、10人一組で予選が行われ、トップの者だけが決勝トーナメントに進出する。
競技方法は簡単で、直径1mの氷柱を早く崩した者が勝利者となる。
「なあ、あの氷柱を作ってるの、聖女様の龍だよな」
「ああ。俺もさっき水魔法の会場を見てきたけど、10本の氷柱を一瞬で作れるやつなんていなかったぞ」
「レベルが違いすぎて相手にならないってことか」
「水魔法だけじゃないぜ。
火魔法も土魔法も、聖女様の従魔に勝てるやつなんていないっての。
このスタジアムだって、聖女様のところのネコが作ったんだろ」
「だよな」
だが、この種目には魔族のエントリーはなかった。
地上を走るくらいなら飛んで行った方が早いし楽だからだ。
したがって、ここはシュトーリアとアルトハインの一騎打ちになる。
どちらの兵団も、負けることは許されない。
お互いの威信をかけた戦いであった。
「いいか、最初から全力でいくんだぞ」
「こもかく、シュトーリアの兵士だけには負かるんじゃない」
かくして、両陣営ともにスタートから全力疾走となった……なってしまった。
ペース配分を無視した暴挙は、1kmもいかないうちにスタミナ切れを引き起こし、総崩れとなった。
結局、長距離走を制したのは、シュトーリアとアルトハインの山間部に暮らす木こりや炭焼きだった。
木製武器を使う武術競技には、結局シュトーリアとアルトハインの代表1名しかエントリーがなかった。
ほかは、すべて格闘にまわったのだ。
ここは、アルトハイン側が勝利したものの、どちらも譲らない拮抗した試合となったため両社とも面目を保った。
北スタジアムでは、土魔法の試合が行われていた。
これは、1対1のマッチアップ方式で、64名の参加者で試合が行われている。
土魔法競技のルールは、まず自陣に1m四方の立方体を土で作成し、どちらが早く相手の立方体を崩せるかで勝負が決まる。
ところが、30%の出場者は、制限時間内に立方体を構築できずに敗退した。
土魔法は地味であるため、得意とする選手が少ないのだ。
予選を勝ち上がったのは、21人が魔族で、シュトーリアが5人、アルトハインが6人となった。
ヒト族の巻き返しに期待したい。
東スタジアムは、火魔法の試合会場だ。
魔法競技の中では、ここが一番エントリーが多く、約1000人となった。
そのため、10人一組で予選が行われ、トップの者だけが決勝トーナメントに進出する。
競技方法は簡単で、直径1mの氷柱を早く崩した者が勝利者となる。
「なあ、あの氷柱を作ってるの、聖女様の龍だよな」
「ああ。俺もさっき水魔法の会場を見てきたけど、10本の氷柱を一瞬で作れるやつなんていなかったぞ」
「レベルが違いすぎて相手にならないってことか」
「水魔法だけじゃないぜ。
火魔法も土魔法も、聖女様の従魔に勝てるやつなんていないっての。
このスタジアムだって、聖女様のところのネコが作ったんだろ」
「だよな」
0
お気に入りに追加
64
あなたにおすすめの小説
日本帝国陸海軍 混成異世界根拠地隊
北鴨梨
ファンタジー
太平洋戦争も終盤に近付いた1944(昭和19)年末、日本海軍が特攻作戦のため終結させた南方の小規模な空母機動部隊、北方の輸送兼対潜掃討部隊、小笠原増援輸送部隊が突如として消失し、異世界へ転移した。米軍相手には苦戦続きの彼らが、航空戦力と火力、機動力を生かして他を圧倒し、図らずも異世界最強の軍隊となってしまい、その情勢に大きく関わって引っ掻き回すことになる。
明智さんちの旦那さんたちR
明智 颯茄
恋愛
あの小高い丘の上に建つ大きなお屋敷には、一風変わった夫婦が住んでいる。それは、妻一人に夫十人のいわゆる逆ハーレム婚だ。
奥さんは何かと大変かと思いきやそうではないらしい。旦那さんたちは全員神がかりな美しさを持つイケメンで、奥さんはニヤケ放題らしい。
ほのぼのとしながらも、複数婚が巻き起こすおかしな日常が満載。
*BL描写あり
毎週月曜日と隔週の日曜日お休みします。
ちょっと神様!私もうステータス調整されてるんですが!!
べちてん
ファンタジー
アニメ、マンガ、ラノベに小説好きの典型的な陰キャ高校生の西園千成はある日河川敷に花見に来ていた。人混みに酔い、体調が悪くなったので少し離れた路地で休憩していたらいつの間にか神域に迷い込んでしまっていた!!もう元居た世界には戻れないとのことなので魔法の世界へ転移することに。申し訳ないとか何とかでステータスを古龍の半分にしてもらったのだが、別の神様がそれを知らずに私のステータスをそこからさらに2倍にしてしまった!ちょっと神様!もうステータス調整されてるんですが!!
転生したらただの女の子、かと思ったら最強の魔物使いだったらしいです〜しゃべるうさぎと始める異世界魔物使いファンタジー〜
上村 俊貴
ファンタジー
【あらすじ】
普通に事務職で働いていた成人男性の如月真也(きさらぎしんや)は、ある朝目覚めたら異世界だった上に女になっていた。一緒に牢屋に閉じ込められていた謎のしゃべるうさぎと協力して脱出した真也改めマヤは、冒険者となって異世界を暮らしていくこととなる。帰る方法もわからないし特別帰りたいわけでもないマヤは、しゃべるうさぎ改めマッシュのさらわれた家族を救出すること当面の目標に、冒険を始めるのだった。
(しばらく本人も周りも気が付きませんが、実は最強の魔物使い(本人の戦闘力自体はほぼゼロ)だったことに気がついて、魔物たちと一緒に色々無双していきます)
【キャラクター】
マヤ
・主人公(元は如月真也という名前の男)
・銀髪翠眼の少女
・魔物使い
マッシュ
・しゃべるうさぎ
・もふもふ
・高位の魔物らしい
オリガ
・ダークエルフ
・黒髪金眼で褐色肌
・魔力と魔法がすごい
【作者から】
毎日投稿を目指してがんばります。
わかりやすく面白くを心がけるのでぼーっと読みたい人にはおすすめかも?
それでは気が向いた時にでもお付き合いください〜。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
女性の少ない異世界に生まれ変わったら
Azuki
恋愛
高校に登校している途中、道路に飛び出した子供を助ける形でトラックに轢かれてそのまま意識を失った私。
目を覚ますと、私はベッドに寝ていて、目の前にも周りにもイケメン、イケメン、イケメンだらけーーー!?
なんと私は幼女に生まれ変わっており、しかもお嬢様だった!!
ーーやった〜!勝ち組人生来た〜〜〜!!!
そう、心の中で思いっきり歓喜していた私だけど、この世界はとんでもない世界で・・・!?
これは、女性が圧倒的に少ない異世界に転生した私が、家族や周りから溺愛されながら様々な問題を解決して、更に溺愛されていく物語。
転生させて貰ったけど…これやりたかった事…だっけ?
N
ファンタジー
目が覚めたら…目の前には白い球が、、
生まれる世界が間違っていたって⁇
自分が好きだった漫画の中のような世界に転生出来るって⁈
嬉しいけど…これは一旦落ち着いてチートを勝ち取って最高に楽しい人生勝ち組にならねば!!
そう意気込んで転生したものの、気がついたら………
大切な人生の相棒との出会いや沢山の人との出会い!
そして転生した本当の理由はいつ分かるのか…!!
ーーーーーーーーーーーーーー
※誤字・脱字多いかもしれません💦
(教えて頂けたらめっちゃ助かります…)
※自分自身が句読点・改行多めが好きなのでそうしています、読みにくかったらすみません
貢ぎモノ姫の宮廷生活 ~旅の途中、娼館に売られました~
菱沼あゆ
ファンタジー
旅の途中、盗賊にさらわれたアローナ。
娼館に売られるが、謎の男、アハトに買われ、王への貢ぎ物として王宮へ。
だが、美しきメディフィスの王、ジンはアローナを刺客ではないかと疑っていた――。
王様、王様っ。
私、ほんとは娼婦でも、刺客でもありませんーっ!
ひょんなことから若き王への貢ぎ物となったアローナの宮廷生活。
(小説家になろうにも掲載しています)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる