稀代の魔物使い

モモん

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第Ⅳ章 ワイバーンの故郷

欲張り

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「ヨロイウオはもっと北の魚なんだ。
たまたま網にかかるのは、迷い込んできたにすぎないんだよ」

「北のほう」

「ヨロイウオが好きなら、フグはどうだい」

「フグ?」

「フグを知らないのか。
ヨロイウオみたいに弾力のある身で、淡白な味だぜ。
内臓に毒があって捌くのはむつかしいんだが……
よかったら、ここで切り身にしてやんぜ」



「おい、料理長!
なんで俺の刺身だけ、こんなにペラペラなんだ」

「その魚は、シーリアの嬢ちゃんがやったんでさ」

「シーリアが……
ふむ、どれ……」

パクッ

「……!
これは!」

「どうですかい」

「ヨロイウオと同じような弾けるような歯ごたえ。
うーむ、味は淡白ながら深みのある感じがいいな」

「内臓に毒があるらしくて、向こうで捌いてもらったみたいですよ」

「それで、シーリアはどうした」

「ヨロイウオを探しに行くって、飛んでいっちゃいましたよ」



「チョロリ、北ってどれくらい北なんだろうね」

ピュリー

「あんまり寒くなると、チョロリもイヤだもんね」

ピュリー!

「えっ、見つけたの」

ピュリー

幸い、ナキュから1時間ほどの海でヨロイウオが見つかりました。
それも、5匹です。

「やった!
明日はヨロイウオづくしだね」


城に帰ると、王様はベッドでウンウン唸ってます。

「まさか、毒が残ってたの?」

「欲張って、フグを一人で食べたものだからお腹をこわしたみたいよ」

「あーっ、せっかくヨロイウオ獲ってきたけど、それじゃあ明日も食べられないね」

「いいんじゃない。
明日はみんなでヨロイウオをいただきましょう」

「いや、俺も……」

ダダダダダッ

王さまはトイレに駆け込んでいきました。



第5章終了です。
一日お休みさせていただき、明後日からは第6章「北からの来訪者」を開始いたします。




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