稀代の魔物使い

モモん

文字の大きさ
上 下
113 / 172
第Ⅳ章 ワイバーンの故郷

ドラゴンづくし

しおりを挟む
「さあ、遠慮なさらないでおかけください。
せっかくのお料理がさめてしまいますから」

そう言いながら、私は手を引いて適当な席に誘導します。

王子は、ジャルク王女のいる席へ。
二人とも次期国王ですから、いろいろと話すこともあるでしょう。

サラダは事前に大皿で用意してあります。
簡単に乾杯して食事にかかります。

「では、最初はドラゴン・デ・ローストをお召し上がりください」

赤みの薄切りをメイドたちが取り分けます。

「大ぶりの塊をじっくり焼いてから、内側の肉を薄切りにしたものです。
赤みですが、十分に火はとおしてありますのでご安心ください」

「こ、これはステーキの内側だけ……」

「さようでございます。
外側は、うちの従魔たちがおいしくいただきました。
脂身がありませんので、さっぱりとポン酢でお召し上がりください」

「柔らかくて旨いな」 「素材の豊かさがわかりますね」

「これならいくらでも食えそうだな」

「次は、ドラゴンレバーのあぶり焼きです。
外側だけさっと焼いてありますので、半生になっております。
これはニンニク醤油でどうぞ。
もし、半生が苦手な方はおっしゃってくださいね」

「ドラゴンの血が入っていく感じがする。
これは、効きそうだ」

「次は新作になります。
ドラゴン肉の唐揚げです。
下味はついていますので、そのままお召し上がりください。
熱いので注意してくださいね」

「おわっ、外側はサクッと……」 「…………」 「…………」

「「「美味い!」」」  「「おいしい!」」

「サクッと噛みつくと、肉汁がジュワーッと……」

「まさか、こんな調理法があったなんて」

「さすがにパトリア料理長の師匠!」

「肉の弾力がなんともいえません」

「こんな美味い肉を提供してくれたアルトハインに感謝する!」

「次は玉子料理です。
ドラゴンひき肉の玉子包みをお召し上がりください」

「くっ……どうすれば、こんなにフワッとした食感になるんだ」

「続いて、ドラゴン肉の青菜包みです。
煮込んでありますので、スープと一緒にしてあります」

「ああ……、この国に移住しようかな……」

「最後になります。
ドラゴンとキノコのソテーです。
地竜だけあって、キノコとの相性バッチリです」

最後に、王子に耳打ちします。

「ステーキ肉は別に切り分けてサランの葉でくるんでありますので、帰ってからパトリアに焼いてもらってくださいね。
それと、ソイソースと新作の果実ソースも荷車に積んでありますので、パトリアに渡してください」

サランの葉というのは、大きい葉っぱで、匂い移りしないんです。
肉は氷室で保管して、明日出発する時には保冷用の木箱に詰めて持って行ってもらいます。

「申し訳ない。感謝します」

「とんでもないです。
こんなに美味しいお肉を料理できたんですから、こちらからお礼を申し上げます。
本当にありがとうございました」

しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

異世界無宿

ゆきねる
ファンタジー
運転席から見た景色は、異世界だった。 アクション映画への憧れを捨て切れない男、和泉 俊介。 映画の影響で筋トレしてみたり、休日にエアガンを弄りつつ映画を観るのが楽しみな男。 訳あって車を購入する事になった時、偶然通りかかったお店にて運命の出会いをする。 一目惚れで購入した車の納車日。 エンジンをかけて前方に目をやった時、そこは知らない景色(異世界)が広がっていた… 神様の道楽で異世界転移をさせられた男は、愛車の持つ特別な能力を頼りに異世界を駆け抜ける。 アクション有り! ロマンス控えめ! ご都合主義展開あり! ノリと勢いで物語を書いてますので、B級映画を観るような感覚で楽しんでいただければ幸いです。 不定期投稿になります。 投稿する際の時間は11:30(24h表記)となります。

備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ

ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。 見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は? 異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。 鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

日本帝国陸海軍 混成異世界根拠地隊

北鴨梨
ファンタジー
太平洋戦争も終盤に近付いた1944(昭和19)年末、日本海軍が特攻作戦のため終結させた南方の小規模な空母機動部隊、北方の輸送兼対潜掃討部隊、小笠原増援輸送部隊が突如として消失し、異世界へ転移した。米軍相手には苦戦続きの彼らが、航空戦力と火力、機動力を生かして他を圧倒し、図らずも異世界最強の軍隊となってしまい、その情勢に大きく関わって引っ掻き回すことになる。

家の庭にレアドロップダンジョンが生えた~神話級のアイテムを使って普通のダンジョンで無双します~

芦屋貴緒
ファンタジー
売れないイラストレーターである里見司(さとみつかさ)の家にダンジョンが生えた。 駆除業者も呼ぶことができない金欠ぶりに「ダンジョンで手に入れたものを売ればいいのでは?」と考え潜り始める。 だがそのダンジョンで手に入るアイテムは全て他人に譲渡できないものだったのだ。 彼が財宝を鑑定すると驚愕の事実が判明する。 経験値も金にもならないこのダンジョン。 しかし手に入るものは全て高ランクのダンジョンでも入手困難なレアアイテムばかり。 ――じゃあ、アイテムの力で強くなって普通のダンジョンで稼げばよくない?

平民として生まれた男、努力でスキルと魔法が使える様になる。〜イージーな世界に生まれ変わった。

モンド
ファンタジー
1人の男が異世界に転生した。 日本に住んでいた頃の記憶を持ったまま、男は前世でサラリーマンとして長年働いてきた経験から。 今度生まれ変われるなら、自由に旅をしながら生きてみたいと思い描いていたのだ。 そんな彼が、15歳の成人の儀式の際に過去の記憶を思い出して旅立つことにした。 特に使命や野心のない男は、好きなように生きることにした。

動物に好かれまくる体質の少年、ダンジョンを探索する 配信中にレッドドラゴンを手懐けたら大バズりしました!

海夏世もみじ
ファンタジー
 旧題:動物に好かれまくる体質の少年、ダンジョン配信中にレッドドラゴン手懐けたら大バズりしました  動物に好かれまくる体質を持つ主人公、藍堂咲太《あいどう・さくた》は、友人にダンジョンカメラというものをもらった。  そのカメラで暇つぶしにダンジョン配信をしようということでダンジョンに向かったのだが、イレギュラーのレッドドラゴンが現れてしまう。  しかし主人公に攻撃は一切せず、喉を鳴らして好意的な様子。その様子が全て配信されており、拡散され、大バズりしてしまった!  戦闘力ミジンコ主人公が魔物や幻獣を手懐けながらダンジョンを進む配信のスタート!

異世界でネットショッピングをして商いをしました。

ss
ファンタジー
異世界に飛ばされた主人公、アキラが使えたスキルは「ネットショッピング」だった。 それは、地球の物を買えるというスキルだった。アキラはこれを駆使して異世界で荒稼ぎする。 これはそんなアキラの爽快で時には苦難ありの異世界生活の一端である。(ハーレムはないよ) よければお気に入り、感想よろしくお願いしますm(_ _)m hotランキング23位(18日11時時点) 本当にありがとうございます 誤字指摘などありがとうございます!スキルの「作者の権限」で直していこうと思いますが、発動条件がたくさんあるので直すのに時間がかかりますので気長にお待ちください。

処理中です...