112 / 172
第Ⅳ章 ワイバーンの故郷
お風呂と癒しタイム
しおりを挟む
湯から出た皆さんに、男性スタッフが簡易下帯の使い方を説明します。
「このように、布のついている方を尻の側に持っていき、紐を前で結びます。
紐は、このように輪を作って結ぶことで、簡単に解くことができますよ」
「な、なんだその結び方は!」
「シーリア様の考案されたリボン結びです」
「まさか、この下帯も?」
「ええ、風呂も下帯も寝巻も、シーリア様の考案です」
「なぜ、彼女はこんな色々なことを思いつくんだ……」
「えっ……聖女様ですから」
「聖女様?」
「彼女が現れてから、世の中が大きく変わりました。
聖角灯……ホーリーライトに反射板。定時便に食べ物。
風呂にパジャマパーティーに癒しの日の設立……数えたら、きりがありませんね」
「癒しの日?」
「ええ、7日に一度、完全に休息する日を作ったんです。
この日は、店はもちろん、ギルドや城の一般業務は休みになります。
6日働いて、具合の悪い者や疲れの激しい者は、城にきてミーミー様の癒しを受けます」
「ミーミー様というと、彼女の従魔のことだな」
「ええ。
ミーミー様の癒し効果で、みんなリフレッシュできるんですよ。
だから6日の間は、みんな一生懸命に働きますよ」
「メリハリというやつだな……」
「皆さんもお疲れでしょうから、このあとで癒しを受けていただきますからね」
「なんと、我々も体験できるのか」
「ケガをされている方もおられるようなので、シーリア様から聖堂にご案内するようにいわれてます」
寝巻は、7分袖のひざ丈で、頭からすっぽりかぶれるようになっています。
簡易下帯も綿で作ってありますので、着心地はいいと思います。
「寝巻と簡易下帯は、お持ち帰りいただきますので、汚れとかも気にしないでくださいね。
さあ、ここが聖堂です。ケガをされている方は、ミーミー様の毛玉の中に入ってください。
10分間です。だまされたと思って、横になって目を閉じていてくださいね。
城のスタッフも参加しますので、寝返りをうつ時は注意してください」
そして、10分後……
「王子!地竜にやられた傷が消えました!」
「シー……まだ横になってる人もいますからね。
回復した人は、部屋の外に出てください」
「はい、すみません……」
「王子、アレは一体なんでしょう」
「アートランド卿の従魔だといっただろ」
「まさか、途中で使ったミーミーハウスというのも」
「ああ、あの従魔が作った休息所だ。
土魔法だというが、信じられん頑丈さだったよな」
「もし、この国と戦争になったら、いくらでも要塞を作られてしまいますね」
「滅多なことを言うんじゃない。
6匹の従魔が、火と氷のブレスを吐き、土魔法で防壁を作られて風魔法できりきざまれるんだぞ。
しかも、敵兵は昼間どれだけ傷ついても夜のうちに完全リフレッシュだ!
どう考えても、手の打ちようがないだろう」
「火のブレスだけで完敗ですね……」
「アートランド卿だけは、怒らせたくないものだな……」
「そういえば、どこかの王子が……」
「忘れろ!」
リフレッシュしたみなさんを食堂にご案内します。
「お風呂とミーミーの癒しは如何でした」
「もう、驚きの連続ですよ」
食堂には、局長クラスと王族が先に座っています。
「この丸いテーブルは?」
「上座も下座もないテーブルです。
空いている席におかけください」
「いや、王様が先に座って待ってるなんて……」
「王族も特別扱いしてくれないんだよ、こいつは……」
「シーリアに文句言ったら、自宅に出入り禁止になっちゃうものね」
「彼女は?」
「私のお姉ちゃんで、シーリーン・シュトーリア」
「すると王妃様」
「まあ、そんなものです」
「さあ、立っていないで、座ってくださいね。
料理を運ばせますから」
「あ、ああ。みんな空いている席に座るんだ」
「お、王子……、全部のテーブルに、王族の誰かがいるとこへ……
俺たちなんか座れないですよ」
「このように、布のついている方を尻の側に持っていき、紐を前で結びます。
紐は、このように輪を作って結ぶことで、簡単に解くことができますよ」
「な、なんだその結び方は!」
「シーリア様の考案されたリボン結びです」
「まさか、この下帯も?」
「ええ、風呂も下帯も寝巻も、シーリア様の考案です」
「なぜ、彼女はこんな色々なことを思いつくんだ……」
「えっ……聖女様ですから」
「聖女様?」
「彼女が現れてから、世の中が大きく変わりました。
聖角灯……ホーリーライトに反射板。定時便に食べ物。
風呂にパジャマパーティーに癒しの日の設立……数えたら、きりがありませんね」
「癒しの日?」
「ええ、7日に一度、完全に休息する日を作ったんです。
この日は、店はもちろん、ギルドや城の一般業務は休みになります。
6日働いて、具合の悪い者や疲れの激しい者は、城にきてミーミー様の癒しを受けます」
「ミーミー様というと、彼女の従魔のことだな」
「ええ。
ミーミー様の癒し効果で、みんなリフレッシュできるんですよ。
だから6日の間は、みんな一生懸命に働きますよ」
「メリハリというやつだな……」
「皆さんもお疲れでしょうから、このあとで癒しを受けていただきますからね」
「なんと、我々も体験できるのか」
「ケガをされている方もおられるようなので、シーリア様から聖堂にご案内するようにいわれてます」
寝巻は、7分袖のひざ丈で、頭からすっぽりかぶれるようになっています。
簡易下帯も綿で作ってありますので、着心地はいいと思います。
「寝巻と簡易下帯は、お持ち帰りいただきますので、汚れとかも気にしないでくださいね。
さあ、ここが聖堂です。ケガをされている方は、ミーミー様の毛玉の中に入ってください。
10分間です。だまされたと思って、横になって目を閉じていてくださいね。
城のスタッフも参加しますので、寝返りをうつ時は注意してください」
そして、10分後……
「王子!地竜にやられた傷が消えました!」
「シー……まだ横になってる人もいますからね。
回復した人は、部屋の外に出てください」
「はい、すみません……」
「王子、アレは一体なんでしょう」
「アートランド卿の従魔だといっただろ」
「まさか、途中で使ったミーミーハウスというのも」
「ああ、あの従魔が作った休息所だ。
土魔法だというが、信じられん頑丈さだったよな」
「もし、この国と戦争になったら、いくらでも要塞を作られてしまいますね」
「滅多なことを言うんじゃない。
6匹の従魔が、火と氷のブレスを吐き、土魔法で防壁を作られて風魔法できりきざまれるんだぞ。
しかも、敵兵は昼間どれだけ傷ついても夜のうちに完全リフレッシュだ!
どう考えても、手の打ちようがないだろう」
「火のブレスだけで完敗ですね……」
「アートランド卿だけは、怒らせたくないものだな……」
「そういえば、どこかの王子が……」
「忘れろ!」
リフレッシュしたみなさんを食堂にご案内します。
「お風呂とミーミーの癒しは如何でした」
「もう、驚きの連続ですよ」
食堂には、局長クラスと王族が先に座っています。
「この丸いテーブルは?」
「上座も下座もないテーブルです。
空いている席におかけください」
「いや、王様が先に座って待ってるなんて……」
「王族も特別扱いしてくれないんだよ、こいつは……」
「シーリアに文句言ったら、自宅に出入り禁止になっちゃうものね」
「彼女は?」
「私のお姉ちゃんで、シーリーン・シュトーリア」
「すると王妃様」
「まあ、そんなものです」
「さあ、立っていないで、座ってくださいね。
料理を運ばせますから」
「あ、ああ。みんな空いている席に座るんだ」
「お、王子……、全部のテーブルに、王族の誰かがいるとこへ……
俺たちなんか座れないですよ」
0
お気に入りに追加
64
あなたにおすすめの小説
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
獣人の里の仕置き小屋
真木
恋愛
ある狼獣人の里には、仕置き小屋というところがある。
獣人は愛情深く、その執着ゆえに伴侶が逃げ出すとき、獣人の夫が伴侶に仕置きをするところだ。
今夜もまた一人、里から出ようとして仕置き小屋に連れられてきた少女がいた。
仕置き小屋にあるものを見て、彼女は……。
転生させて貰ったけど…これやりたかった事…だっけ?
N
ファンタジー
目が覚めたら…目の前には白い球が、、
生まれる世界が間違っていたって⁇
自分が好きだった漫画の中のような世界に転生出来るって⁈
嬉しいけど…これは一旦落ち着いてチートを勝ち取って最高に楽しい人生勝ち組にならねば!!
そう意気込んで転生したものの、気がついたら………
大切な人生の相棒との出会いや沢山の人との出会い!
そして転生した本当の理由はいつ分かるのか…!!
ーーーーーーーーーーーーーー
※誤字・脱字多いかもしれません💦
(教えて頂けたらめっちゃ助かります…)
※自分自身が句読点・改行多めが好きなのでそうしています、読みにくかったらすみません
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生
野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。
普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。
そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。
そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。
そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。
うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。
いずれは王となるのも夢ではないかも!?
◇世界観的に命の価値は軽いです◇
カクヨムでも同タイトルで掲載しています。
転生したら貴族の息子の友人A(庶民)になりました。
襲
ファンタジー
〈あらすじ〉
信号無視で突っ込んできたトラックに轢かれそうになった子どもを助けて代わりに轢かれた俺。
目が覚めると、そこは異世界!?
あぁ、よくあるやつか。
食堂兼居酒屋を営む両親の元に転生した俺は、庶民なのに、領主の息子、つまりは貴族の坊ちゃんと関わることに……
面倒ごとは御免なんだが。
魔力量“だけ”チートな主人公が、店を手伝いながら、学校で学びながら、冒険もしながら、領主の息子をからかいつつ(オイ)、のんびり(できたらいいな)ライフを満喫するお話。
誤字脱字の訂正、感想、などなど、お待ちしております。
やんわり決まってるけど、大体行き当たりばったりです。
かつてダンジョン配信者として成功することを夢見たダンジョン配信者マネージャー、S級ダンジョンで休暇中に人気配信者に凸られた結果バズる
竜頭蛇
ファンタジー
伊藤淳は都内の某所にあるダンジョン配信者事務所のマネージャーをしており、かつて人気配信者を目指していた時の憧憬を抱えつつも、忙しない日々を送っていた。
ある時、ワーカーホリックになりかねていた淳を心配した社長から休暇を取らせられることになり、特に休日に何もすることがなく、暇になった淳は半年先にあるS級ダンジョン『破滅の扉』の配信プロジェクトの下見をすることで時間を潰すことにする.
モンスターの攻撃を利用していたウォータースライダーを息抜きで満喫していると、日本発のS級ダンジョン配信という箔に目が眩んだ事務所のNO.1配信者最上ヒカリとそのマネージャーの大口大火と鉢合わせする.
その配信で姿を晒すことになった淳は、さまざまな実力者から一目を置かれる様になり、世界に名を轟かす配信者となる.
機械仕掛けの最終勇者
土日 月
ファンタジー
アンドロイドっぽい幼女女神に担当され、勇者として異世界転生することになった草場輝久は、説明の付かないチート能力で異世界アルヴァーナを攻略していく。理解不能の無双バトルにツッコむ輝久。だがそれは、六万回以上ループする世界で自身が求め続けた、覇王を倒す究極の力だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる