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第Ⅲ章 アルトハイン
串焼き食べ放題だぞ
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翌日、王の私室に伺うと財務局長と土木局長。それに農林局長がいました。
「ソイの木の特徴を教えてやってくれ」
「それでしたら、うちの庭にある皮を剥いだ木を見てください。
それがソイの木です。
樹高が低めで日当たりの良い場所を好みます。
ですから、単独で生えているか、森の周辺を探してみてください。
イヌ系の魔物を連れて行った方がいいですよ」
「分かった。感謝する」
「それで、道の整備にいくらかかる。
人手は、必要な材料は何だ」
「とりあえずシャイリアまでの道を整備しますから、それを見て評価してください」
「だから、人手と材料はどうするのだ」
「許可だけいただければ、あとはうちの子達でやってみます」
「なに!」
「土魔法でやります。ピー助以外は一通り使えますから。
馬車が余裕ですれ違えるくらいでいいですよね」
「幅はそれでいいが、本当に魔法だけでできるのか」
ミー
「大丈夫だって言ってます。
あっ、それと聖角灯の代金をいただきに、私もアルトハインへ参りますがよろしいですよね」
「いつだ?」
「多分、4日くらいで出来上がってきますので、そうしたら出発します。
道の方は、多少下地を作っておいて、作るのは帰ってからですね」
「分かった。どんなイメージなのか、門の先を少しやってみてくれぬか」
「分かりました。これからやりますけど、ご覧になります?」
「準備は要らないのか?」
「ええ、練習はしてありますから」
全員で表門へ移動し、道を造ります。
「ルマとサンガで周りの土を真ん中に寄せて、ミーちゃんが整地。石みたいに堅くしてね。チョロリとコロンで、両脇に側溝ね。
幅は門の幅であのT字路までお願い」
ミー、ピュリー、ギー!
10m作っては先に進みます。30分もかからず100mの道が完成しました。
「すごいな」
「両脇の溝は?」
「実は、ほんの少しだけ道の中央が高くなっているんです。
雨は自然に両脇へ流れていくようにしてあります」
「路面は石のように堅く、でこぼこがない……」
「これなら馬車も揺れずに走れそうだな。
局長、この道にいくらだす」
「そうですな、人力に換算して10人で一週間。70人工ですから、金貨5枚くらいですな。
シャイリアまで200km程度ですから金貨1万枚ですかね」
「まあ、妥当なところだな」
「ですが、途中の川はどうされますか」
「なるべく坂道を作らないようにして、大きめの橋をかけます」
「そうなると、橋だけで金貨1万枚くらいでしょうか。
石で作るとなると、材料の切り出しと運搬だけでも相当の労力を必要としますから、数年かかりそうですが……」
「完成時点で、金貨1000枚で如何でしょう」
「いいのか?」
ミー
「そうか。終わったら、一年間毎日串焼き食べ放題だ」
ミー、ピュリー、ギー!
「ソイの木の特徴を教えてやってくれ」
「それでしたら、うちの庭にある皮を剥いだ木を見てください。
それがソイの木です。
樹高が低めで日当たりの良い場所を好みます。
ですから、単独で生えているか、森の周辺を探してみてください。
イヌ系の魔物を連れて行った方がいいですよ」
「分かった。感謝する」
「それで、道の整備にいくらかかる。
人手は、必要な材料は何だ」
「とりあえずシャイリアまでの道を整備しますから、それを見て評価してください」
「だから、人手と材料はどうするのだ」
「許可だけいただければ、あとはうちの子達でやってみます」
「なに!」
「土魔法でやります。ピー助以外は一通り使えますから。
馬車が余裕ですれ違えるくらいでいいですよね」
「幅はそれでいいが、本当に魔法だけでできるのか」
ミー
「大丈夫だって言ってます。
あっ、それと聖角灯の代金をいただきに、私もアルトハインへ参りますがよろしいですよね」
「いつだ?」
「多分、4日くらいで出来上がってきますので、そうしたら出発します。
道の方は、多少下地を作っておいて、作るのは帰ってからですね」
「分かった。どんなイメージなのか、門の先を少しやってみてくれぬか」
「分かりました。これからやりますけど、ご覧になります?」
「準備は要らないのか?」
「ええ、練習はしてありますから」
全員で表門へ移動し、道を造ります。
「ルマとサンガで周りの土を真ん中に寄せて、ミーちゃんが整地。石みたいに堅くしてね。チョロリとコロンで、両脇に側溝ね。
幅は門の幅であのT字路までお願い」
ミー、ピュリー、ギー!
10m作っては先に進みます。30分もかからず100mの道が完成しました。
「すごいな」
「両脇の溝は?」
「実は、ほんの少しだけ道の中央が高くなっているんです。
雨は自然に両脇へ流れていくようにしてあります」
「路面は石のように堅く、でこぼこがない……」
「これなら馬車も揺れずに走れそうだな。
局長、この道にいくらだす」
「そうですな、人力に換算して10人で一週間。70人工ですから、金貨5枚くらいですな。
シャイリアまで200km程度ですから金貨1万枚ですかね」
「まあ、妥当なところだな」
「ですが、途中の川はどうされますか」
「なるべく坂道を作らないようにして、大きめの橋をかけます」
「そうなると、橋だけで金貨1万枚くらいでしょうか。
石で作るとなると、材料の切り出しと運搬だけでも相当の労力を必要としますから、数年かかりそうですが……」
「完成時点で、金貨1000枚で如何でしょう」
「いいのか?」
ミー
「そうか。終わったら、一年間毎日串焼き食べ放題だ」
ミー、ピュリー、ギー!
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