稀代の魔物使い

モモん

文字の大きさ
上 下
68 / 172
第Ⅱ章 二人旅

便秘

しおりを挟む

「くそう、メリッサをギャフンと言わせられるかと思ったんだが…」

「ギルマスの分かる程度の事でしたら。
ところで、ケイトから聞いているんですが、フォレストキャットのミーミーちゃんに回復能力があるんだとか」

「ケイトさんの知り合いなんですか。よかったら試してみます?」

「ええ、是非に。それと、同僚の従魔に体調を崩しているものがおりまして、一緒にお願いしてもよろしいでしょうか?」

「うん、連れてきて」

「ああ、あれか。応接はしばらく使っていいぞ。ほかの女たちも交代でリフレッシュさせてもらえ。
なあ、シーリーン。俺の頼みを断るってことはないよな」

「もちろんです!」

ケイトさんがもう一人の女性を連れて戻ってきます。
女性の腕の中には耳の長い白と茶色の混ざったウサギが抱かれています。

「触ってもいい?」

「はい」

「怖がらなくていいよ。どうしたの?」

ミュウ

「ふーん。そうなんだ。
じゃあ、今からいく?」

ミュウ!

「えっ、なに!」

「ちょっと散歩にいってくる。
運動不足による便秘だね。特定の草を食べて走り回れば大丈夫みたい。
お姉さんは少し休んでて。
お姉ちゃん、セイレーン連れてくよ。チョロりもおいで」

「あんまり遠くへ行っちゃだめよ」

「うん、30分くらいで戻る」

「いってらっしゃい」


「あ、あの、まさか会話できるんですか?」

「そうみたい」

「ケイトもそう言っていました。定時連絡便の細かい内容は、彼女がいなければ無理だったって。
普通なら、町の領主邸までの往復くらいしか指示できないから、彼女の企画書では機密文書は対象外だったそうです」

「ほう、興味深いな。
俺もガルドよりは魔物のいいたいことが分かるつもりだったが、今のはそういうレベルじゃないぞ」

「このワイバーンの母親が死んだときも、子供を頼むと言われたそうです。
とても、そんな気がするっていう感じじゃないんですよ」

「最初からそうだったのか?」

「手当をすると、魔物の側からも何か返ってくるって言ってましたけど、最初の頃は気がする程度だったと思います」

「ふむ、彼女の持つ資質なのか、龍やフォレストキャットの影響なのかは分からない訳か」

「ほかに使役している人なんていませんからね。それに、この回復効果も、フォレストキャットの能力なのか、この子固有の能力なのか、確認する方法がありませんもの。
では、失礼して私も実体験してみますから。
うふふ、ルマ君。ちょっとお邪魔するわね」

ギー
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

俺だけに効くエリクサー。飲んで戦って気が付けば異世界最強に⁉

まるせい
ファンタジー
異世界に召喚された熱海 湊(あたみ みなと)が得たのは(自分だけにしか効果のない)エリクサーを作り出す能力だった。『外れ異世界人』認定された湊は神殿から追放されてしまう。 貰った手切れ金を元手に装備を整え、湊はこの世界で生きることを決意する。

ユーヤのお気楽異世界転移

暇野無学
ファンタジー
 死因は神様の当て逃げです!  地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

30年待たされた異世界転移

明之 想
ファンタジー
 気づけば異世界にいた10歳のぼく。 「こちらの手違いかぁ。申し訳ないけど、さっさと帰ってもらわないといけないね」  こうして、ぼくの最初の異世界転移はあっけなく終わってしまった。  右も左も分からず、何かを成し遂げるわけでもなく……。  でも、2度目があると確信していたぼくは、日本でひたすら努力を続けた。  あの日見た夢の続きを信じて。  ただ、ただ、異世界での冒険を夢見て!!  くじけそうになっても努力を続け。  そうして、30年が経過。  ついに2度目の異世界冒険の機会がやってきた。  しかも、20歳も若返った姿で。  異世界と日本の2つの世界で、  20年前に戻った俺の新たな冒険が始まる。

転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】

ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった 【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。 累計400万ポイント突破しました。 応援ありがとうございます。】 ツイッター始めました→ゼクト  @VEUu26CiB0OpjtL

大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです

飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。 だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。 勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し! そんなお話です。

王宮で汚職を告発したら逆に指名手配されて殺されかけたけど、たまたま出会ったメイドロボに転生者の技術力を借りて反撃します

有賀冬馬
ファンタジー
王国貴族ヘンリー・レンは大臣と宰相の汚職を告発したが、逆に濡れ衣を着せられてしまい、追われる身になってしまう。 妻は宰相側に寝返り、ヘンリーは女性不信になってしまう。 さらに差し向けられた追手によって左腕切断、毒、呪い状態という満身創痍で、命からがら雪山に逃げ込む。 そこで力尽き、倒れたヘンリーを助けたのは、奇妙なメイド型アンドロイドだった。 そのアンドロイドは、かつて大賢者と呼ばれた転生者の技術で作られたメイドロボだったのだ。 現代知識チートと魔法の融合技術で作られた義手を与えられたヘンリーが、独立勢力となって王国の悪を蹴散らしていく!

転生したら貴族の息子の友人A(庶民)になりました。

ファンタジー
〈あらすじ〉 信号無視で突っ込んできたトラックに轢かれそうになった子どもを助けて代わりに轢かれた俺。 目が覚めると、そこは異世界!? あぁ、よくあるやつか。 食堂兼居酒屋を営む両親の元に転生した俺は、庶民なのに、領主の息子、つまりは貴族の坊ちゃんと関わることに…… 面倒ごとは御免なんだが。 魔力量“だけ”チートな主人公が、店を手伝いながら、学校で学びながら、冒険もしながら、領主の息子をからかいつつ(オイ)、のんびり(できたらいいな)ライフを満喫するお話。 誤字脱字の訂正、感想、などなど、お待ちしております。 やんわり決まってるけど、大体行き当たりばったりです。

処理中です...