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第Ⅱ章 二人旅
便秘
しおりを挟む「くそう、メリッサをギャフンと言わせられるかと思ったんだが…」
「ギルマスの分かる程度の事でしたら。
ところで、ケイトから聞いているんですが、フォレストキャットのミーミーちゃんに回復能力があるんだとか」
「ケイトさんの知り合いなんですか。よかったら試してみます?」
「ええ、是非に。それと、同僚の従魔に体調を崩しているものがおりまして、一緒にお願いしてもよろしいでしょうか?」
「うん、連れてきて」
「ああ、あれか。応接はしばらく使っていいぞ。ほかの女たちも交代でリフレッシュさせてもらえ。
なあ、シーリーン。俺の頼みを断るってことはないよな」
「もちろんです!」
ケイトさんがもう一人の女性を連れて戻ってきます。
女性の腕の中には耳の長い白と茶色の混ざったウサギが抱かれています。
「触ってもいい?」
「はい」
「怖がらなくていいよ。どうしたの?」
ミュウ
「ふーん。そうなんだ。
じゃあ、今からいく?」
ミュウ!
「えっ、なに!」
「ちょっと散歩にいってくる。
運動不足による便秘だね。特定の草を食べて走り回れば大丈夫みたい。
お姉さんは少し休んでて。
お姉ちゃん、セイレーン連れてくよ。チョロりもおいで」
「あんまり遠くへ行っちゃだめよ」
「うん、30分くらいで戻る」
「いってらっしゃい」
「あ、あの、まさか会話できるんですか?」
「そうみたい」
「ケイトもそう言っていました。定時連絡便の細かい内容は、彼女がいなければ無理だったって。
普通なら、町の領主邸までの往復くらいしか指示できないから、彼女の企画書では機密文書は対象外だったそうです」
「ほう、興味深いな。
俺もガルドよりは魔物のいいたいことが分かるつもりだったが、今のはそういうレベルじゃないぞ」
「このワイバーンの母親が死んだときも、子供を頼むと言われたそうです。
とても、そんな気がするっていう感じじゃないんですよ」
「最初からそうだったのか?」
「手当をすると、魔物の側からも何か返ってくるって言ってましたけど、最初の頃は気がする程度だったと思います」
「ふむ、彼女の持つ資質なのか、龍やフォレストキャットの影響なのかは分からない訳か」
「ほかに使役している人なんていませんからね。それに、この回復効果も、フォレストキャットの能力なのか、この子固有の能力なのか、確認する方法がありませんもの。
では、失礼して私も実体験してみますから。
うふふ、ルマ君。ちょっとお邪魔するわね」
ギー
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