稀代の魔物使い

モモん

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第Ⅱ章 二人旅

オボロ

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イチロは30分で戻ってきました。

「まさか、早すぎる!リントまで100km以上あるんだぞ」

「多分、あの感じだと時速300kmくらい」

「総務局長、返事はどうだ?」

「返事ですか?」

「ああ、直前に通信の内容を差し替えた。
モンチならそれに応じた返事を書く筈だ」

「あと一か月待った方が良いのではと書かれています。
本人の署名も確認しました」

「何を待つんでしょうか?」

「お前が知る必要はない」

「あら、お前に関係ない、ではなくて、知る必要がない……はて」

「うるさい。局長、合格だ。決済しろ。明日から実施で頼む」

王様は揚げパンを咥えて退席しました。

「総務局長様、何をニヤついておられるのですか?」

「い、いえ、国家機密です」

ニジ、サンロも順に帰ってきます。
オボロは往復に2時間かかりました。

「シーリアちゃん、その、空いている時間でかまわないから、オボロの訓練を頼みたいんだけど」

「いいですよ。毎日15時頃には空きますから、17時まで2時間できますね。
大丈夫、オボロは優秀だから、2時間でも平気ですよ」

翌日から、定時便の運行で7時に城へ出向き、ピー助は一番遠いトランガへ同行させます。
そのあとで、レオンとワイバーンとミーちゃん・チョロリで遊んでお昼ごはん。
午後は毛玉モードで子供たちをお休みさせて、各局の女性を受け入れます。
速い子は12時15分に戻ってきますから、フランさんと一緒にお出迎えして内務局長さんに通信筒を渡します
一番遅いトランガ便も13時半頃には戻りますから、その対応をしてピー助は一休み。

15時からのオボロの訓練は、追いかけっこから始まります。
これには、チョロリも加わります。

「ね、ねえ、シーリアちゃん。あのカクカクした飛び方はなに、無理だって、追いつけないよ」

「大丈夫。すぐに慣れるから」

1時間でグッタリしたオボロを、ミーちゃんのところで休ませて訓練、いえ、追いかけっこ再開。

「食事をさせて、十分に休ませてあげてください。3日くらいで慣れると思います」

私的には、結構ハードスケジュールです。

お姉ちゃんはケイトさんと打ち合わせする時間が増えました。
ある日のこと、職人のおじさんがお城にやってきました。

「できたぜ。
角を削った粉を、さらに細かくしたんだ」

「おじさんすごい!」

「ん、何がすごいんだ?」

「あっ、王様、このおじさんが聖角灯を作ってくれたおじさん」
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