稀代の魔物使い

モモん

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第Ⅱ章 二人旅

毛玉モードは引っ張りだこ

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私たちは、諦めて室内に入ります。

「「「おかえりなさいませ」」」

メイドさんが30名ほど整列しています。

「おかえりなさいませ、ご主人様。
メイド長を仰せつかりましたヘレン・マイヤードでございます」

ヘレンさんは深々とお辞儀をしています。

「あっ、シーリーン・アートランドでございます」

「シーリア・アートランドです」

「ヘレンさん、お二人はすぐに城へ戻りますから、正式な挨拶は後程に」

「承知いたしました。
本日のご夕食はこちらで?」

「そうしてください。私とジャネットも同伴させていただきますので、6人でお願いします」

「かしこまりました」

「それから、執事のナタリーさんです。
色々と教えてあげてください。
その横がフランさんで、お二人の下で内務局の重要な仕事をしていただきます。
フランさんも同居されますので、お部屋の手配をお願いします」

「かしこまりました。
では、ナタリーさんはこちらへ」


一通り屋敷の中を案内してもらい、城に戻ると、内務局の人たちは完全にリフレッシュできた様子です。

「これが、毛玉モードの回復効果ですか」

「そんなことまでご存じなんですか」

「ええ、一通りは」

「明日の通信内容はどうします?」

「局長に任せましょう」

「では、私たちは帰りますので、また後程……」

「あ、あの、シーリーン様とシーリア様ですよね」

ふいに声がかかります。

「総務局のナンシーと申します。その、ご都合のよろしい時に、総務局へもお越しいただけないでしょうか……」

「あら……、ああ、ミーちゃんが目当てですか。リアどうする?」

ミーちゃんの方を確認します。どうするって。

「んーっ、串焼きの半生で手を打つって言ってる」

「本人がそういうんじゃ仕方ないですね。では串焼きを用意してくださいな」

「あのー、土木局にもお願いしたいんですが……」

「じゃあ、調整はケイトさんにお任せしていいですか。定時便のフォロー期間中は毎日来ますから」

「職員の健康もうちの管轄です。よろこんでお手伝いさせていただきます。
それに、各局に恩を売っておいて損はありませんからね。
でも、その前に、私が体験してみないといけませんね」

「いいですよ、10分待ちますからどうぞ」

「お姉さま、こっちも同伴させてくださいませ」

「あら、ジャルク様。王様を引っ張ってきたんですか」

「最近、遅くまで仕事が続いていて疲労マックスのはずなのに、俺は平気だって言い張るんです」

10分後、王様とケイトさんは復活しました。

「すごいです。全身の細胞が活性化してます!
これ、お金取れますよ!」

「ああ、すまない。これなら、3日くらい徹夜できそうだ」

「駄目です。夜は寝てください」

「ああ、わかった」

「おかしいですよね。私が言っても平気だ!の一点張りなのに、シーリーンお姉さまが言うと了解するなんて」

「「……」」

お姉ちゃん、顔が赤いよ。



その夜は遅くまで歓談させてもらいました。
料理もおいしかったです。
でも、この家って男の人はいないんですね。
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