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第Ⅱ章 二人旅
王への説明
しおりを挟む「ここにいるフランがホワイトファルコン3羽を使役しています」
「「「えっ!」」」
「ファルコン3羽という事で中級魔物使いでしかありませんが、シャイリアからトランガ・リントと同行してもらい、その実力はシーリアが認めています。
フランは私共の従者ですから、表面上は私共が出ることで、信用度も確保できると踏んでいます」
「トランガまで飛ばしていただけるんですか!」
フランさんが首肯します。
「多分、三か月くらいは王都にいるので、その間はピー助にもフォローさせる。きっと大丈夫だよ」
「構想は、朝一番で王都から3羽を出発させます。
もちろん、雨天時は中止。途中で天気が崩れたりしたら本人の判断で行くか戻るか決めさせます。
絶対にムリはさせません。
シャイリアとリントには8時頃には着くでしょう。トランガには9時頃を想定しています。
夜間の事故などがあった場合は、多少の休憩を入れて折り返すことも可能です。
帰りの便は、昼に出してもらいます。
こちらには1時から2時到着でしょう。
その間のフランの待機場所確保と連絡者を決めていただければ直ぐにでも開始できます。
リントの領主様には、明日8時に待機をお願いしましたから、よろしければ試験の立ち合いをお願いしたいと思います」
「そ、そこまで……」
「事前に、こちらの計画を伺っておけばよかったのですが、シャイリアでフランの従魔のことを知りましたので、領主様との調整を兼ねて訓練を先行してしまいました。
ケイトさん、ごめんなさいね」
「と、とんでもございません。局長会議にかける資料は揃っていますので、手直しして使っていただけるだけで幸せです」
「明朝、試験をするなら局長会議など後回しだ。
ケイト、王の予定を確認して、空いていれば直接説明にいくぞ。
ジャネット、総務局長に話して、王への説明時に同席してもらえ。不在なら代行を引っ張ってこい」
「「はい」」
「お二人にも、いや、フランさんにも同席をお願いしたいのですが」
「当然です」
「おいおい、全局長を引き連れて、今度は何をやらかすつもりだ」
「人聞きの悪いことをいわないでください。
聖角灯の全町への設置報告を兼ねて、ちょっとご提案を」
「ああ、聖角灯の件は連絡が入っておる。全て寄贈したそうだな」
「ええ、報酬は王都でたんまりと頂きましたから」
「名誉男爵でなく、二人を聖女に認定しろとかいう国民が多いらしいぞ。
そんな爵位ないわ!と言ったら、新設すればいいとか……、ジャルクのやつ何を考えているんだか…」
「今日は、全ての町に対する定時連絡便のご提案と、ラトランド王国に関するご報告に伺った次第です」
「定時連絡便と……、ラトランドだと」
ザワザワ…
「先に定時連絡便について、ケイトさんからご説明をお願いします」
「お前が説明するんじゃないのか?」
「内務局に提案させていただきましたので、そちらから報告していただくのがスジかと存じます」
「どちらでも構わん。始めろ」
「シーリーン・アートランド卿ならびにシーリア・アートランド卿の補佐を務めます、ケイト・モスライトでございます。
内務局にて長年の案件でございました各町への定時連絡便構想が、この度お二人のご尽力により実現可能となりましたのでご報告させていただきます」
「ああ、定時連絡便構想については、局長会議でも度々議題に上っているから具体的な部分だけでいいぞ」
「はい。お二人の従者であるフラン様が、ホワイトファルコン3羽を使役されています」
「「「ホワイトファルコンだと!」」」
「ほう、一人でファルコン3羽かよ」
「はい、既に各町の領主様との調整と顔つなぎも完了しており、明朝7時からリントの領主様への試験飛行を行いたいと考えています」
「明日の早朝かよ、随分と急だな」
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