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第Ⅰ章 修行
王様に会う
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「一般的というと、例外もあるんですか?」
「小さい魔物専門に育てている者もおるんじゃ。
任務によっては小さい魔物が有利な場合もあるしのう。
そういう者は、群れで育てているもんじゃ。
そうして、知識を受け継がせるんじゃよ」
「そんな考え方もあるんですね。勉強になります」
「それに可愛いから、王族の女性から人気なんじゃよ」
「ミーミーもピー助もチョロリも可愛い!」
「ミーミーは確かに可愛いわよね。毛も柔らかいし鳴き声も可愛いし、人気者になるわよ」
「えへ」
「確かに、女性はネコ系を好む傾向にあるもんじゃ。
ヴォルフなんぞには目もくれんわ」
「セイレーンは白いから結構人気あるわよ」
「んー、でもミーミーのほうが気持ちいい」
「ネコ系は、自分で体を綺麗にするから、手間もかからないのよね。
セイレーンなんて、放っておくとボロボロになっちゃうから……」
クーンと悲しそうな鳴き声がしました。
「ここが王都。塀も高くて大きい!」
「おっと、身分証を見えるところに……、お前たちもギルド証を首からぶら下げておくように。
不審者だと思われるとタイホされるぞ」
「わはは、ガルド様を逮捕するような不心得者はおりませぬよ。
貌は知らなくとも、一角獣だけで十分です。
お帰りなさいませガルド様」
門の警備兵から声をかけられる。
「おお、そういえば王都も久しぶりじゃなぁ。
屋敷はまだ残っておるのかのう」
「勿論でございます。
宮廷魔物使いの永世名誉顧問であられるガルド様のお屋敷がなくなる事などありえませんですぞ」
「先生って偉い人?」
「宮廷魔物使いというだけで下級貴族並みの待遇だって聞くわ。そこのトップクラスともなれば……とんでもなく偉い人よ」
お姉ちゃんと小声で話した。
「では、屋敷で着替えてから城へ向かうとするか」
「えっ、お城へあがる服など持ってきておりませんが……」
「ん、ああ、お前たちはそのままでよいぞ。じゃが、面倒なことに、わしは格式ばった格好をせんといかぬのじゃ…、まったく面倒じゃが。
ありゃ、待てよ…。そういえばジョセフの娘と孫じゃったか……」
先生は私たちの姿をジーっと見て言いました。
「家に着いたらすぐ風呂に入れ。
着るものは何とかする」
「えっ?」
先生のお屋敷に着いてからが大変でした。
黒服のメイドさん数人に拘束され、お風呂に漬けられてゴシゴシと磨かれ、髪を整えてお化粧までされてしまいました。
コルセットでこれでもかとウエストを絞られ、フワフワしたドレスを着せられました。
「おう、何とか仕上がったな。では城へ行くぞ。今日のところは従魔は置いていくぞ」
大層な馬車に乗り込みゴトゴト、お城の中を我が物顔で歩く先生に連れられていきます。
「お、お姉ちゃん、私……、挨拶の仕方なんて知らない……」
「わ、私だって王様の前に出たことないもの……
先生の真似をしていてば大丈夫よ、きっと」
絨毯の敷かれた広間で先生を真似て片膝をついたらクスクスと笑い声が起こりました。
「お前たちは立ってお辞儀をしていればよい。
だいたい、片膝をつくような服装ではないだろうに」
そんなことを言われても、こんな服着たことありません。
少し待っていると、王冠を被った偉そうなおじさんがやってきて、正面の椅子に座りました。
「陛下におかれましては……」
「面倒な挨拶はよい。久しいなガルドよ。
後ろの娘御も楽にしてよいぞ。」
「陛下、この二人はジョセフの娘と孫にございます」
「おお、するとどちらかがジョセフの後継者となるのじゃな」
「この後の修行にて見極めたいと存じます。
とりあえずはお目通しにと参上いたしました」
「大儀である。後程、詳しく報告をするように」
「承知いたしました」
「小さい魔物専門に育てている者もおるんじゃ。
任務によっては小さい魔物が有利な場合もあるしのう。
そういう者は、群れで育てているもんじゃ。
そうして、知識を受け継がせるんじゃよ」
「そんな考え方もあるんですね。勉強になります」
「それに可愛いから、王族の女性から人気なんじゃよ」
「ミーミーもピー助もチョロリも可愛い!」
「ミーミーは確かに可愛いわよね。毛も柔らかいし鳴き声も可愛いし、人気者になるわよ」
「えへ」
「確かに、女性はネコ系を好む傾向にあるもんじゃ。
ヴォルフなんぞには目もくれんわ」
「セイレーンは白いから結構人気あるわよ」
「んー、でもミーミーのほうが気持ちいい」
「ネコ系は、自分で体を綺麗にするから、手間もかからないのよね。
セイレーンなんて、放っておくとボロボロになっちゃうから……」
クーンと悲しそうな鳴き声がしました。
「ここが王都。塀も高くて大きい!」
「おっと、身分証を見えるところに……、お前たちもギルド証を首からぶら下げておくように。
不審者だと思われるとタイホされるぞ」
「わはは、ガルド様を逮捕するような不心得者はおりませぬよ。
貌は知らなくとも、一角獣だけで十分です。
お帰りなさいませガルド様」
門の警備兵から声をかけられる。
「おお、そういえば王都も久しぶりじゃなぁ。
屋敷はまだ残っておるのかのう」
「勿論でございます。
宮廷魔物使いの永世名誉顧問であられるガルド様のお屋敷がなくなる事などありえませんですぞ」
「先生って偉い人?」
「宮廷魔物使いというだけで下級貴族並みの待遇だって聞くわ。そこのトップクラスともなれば……とんでもなく偉い人よ」
お姉ちゃんと小声で話した。
「では、屋敷で着替えてから城へ向かうとするか」
「えっ、お城へあがる服など持ってきておりませんが……」
「ん、ああ、お前たちはそのままでよいぞ。じゃが、面倒なことに、わしは格式ばった格好をせんといかぬのじゃ…、まったく面倒じゃが。
ありゃ、待てよ…。そういえばジョセフの娘と孫じゃったか……」
先生は私たちの姿をジーっと見て言いました。
「家に着いたらすぐ風呂に入れ。
着るものは何とかする」
「えっ?」
先生のお屋敷に着いてからが大変でした。
黒服のメイドさん数人に拘束され、お風呂に漬けられてゴシゴシと磨かれ、髪を整えてお化粧までされてしまいました。
コルセットでこれでもかとウエストを絞られ、フワフワしたドレスを着せられました。
「おう、何とか仕上がったな。では城へ行くぞ。今日のところは従魔は置いていくぞ」
大層な馬車に乗り込みゴトゴト、お城の中を我が物顔で歩く先生に連れられていきます。
「お、お姉ちゃん、私……、挨拶の仕方なんて知らない……」
「わ、私だって王様の前に出たことないもの……
先生の真似をしていてば大丈夫よ、きっと」
絨毯の敷かれた広間で先生を真似て片膝をついたらクスクスと笑い声が起こりました。
「お前たちは立ってお辞儀をしていればよい。
だいたい、片膝をつくような服装ではないだろうに」
そんなことを言われても、こんな服着たことありません。
少し待っていると、王冠を被った偉そうなおじさんがやってきて、正面の椅子に座りました。
「陛下におかれましては……」
「面倒な挨拶はよい。久しいなガルドよ。
後ろの娘御も楽にしてよいぞ。」
「陛下、この二人はジョセフの娘と孫にございます」
「おお、するとどちらかがジョセフの後継者となるのじゃな」
「この後の修行にて見極めたいと存じます。
とりあえずはお目通しにと参上いたしました」
「大儀である。後程、詳しく報告をするように」
「承知いたしました」
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