稀代の魔物使い

モモん

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序章 出会い

フォレストキャット

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「やっと見つけたわシーリア……。
ねえ、私を覚えてない?シーちゃん」

ミーミーはお姉さんに体を寄せていました。
お母さんの、いもうと……
プルっと体が震えました。

私を抱き寄せるこの感触。この香り……
プルプルと震えてきます。
三年分の空白を埋めるように、お母さんの顔が浮かび、お母さんに似た顔立ちのいもうと……
二人ともシーちゃんだね……、そういってお母さんは笑ったの。
シー……、リーンでいいよ、シーリーンよ。

「リーン……、シーリーン……お姉ちゃん……」

「そうよ、リア」

ワーっと、声をあげて泣きました。
紛らわしいからリーンとリアでいいわね。そう言ってくれたのはリーンお姉ちゃんでした。

「お姉ちゃん……お姉ちゃん……」

涙が次から次へとあふれてきます。



「連れてきていただいてありがとうございます。
シーリアは私の姪にあたります。
この子をずっと探していたんです。本当にありがとうございます。
今は手持ちがありませんので、お待ちいただくか、夕方にでもアートランド家にお越しいただければ、十分なお礼をさせていただきます」

「うん?お前さん方はジョセフの血縁者かな?」

「父をご存じなんですか?」

「そうか、シーリアもジョセフの血を引いておったとはのう。それならば手当てを使えることも合点がいくか。
わかった、わしのほうから伝えることがあるんでな、夕方屋敷にお邪魔しよう。では後程な」

お爺ちゃんはそう言ってギルドから出ていきました。


「さてと、この子たちの従魔登録をしなくっちゃね」

「うん」

「字は書ける?」

「だいじょうぶ」

「名前なんだけど、これからはシーリア・アートランドよ」

「アートランド?」

「そう、お母さんの名前もアートランドだったのよ。
それから、問題はこの子たちの種類ね」

「種類?」

「そう、従魔登録するときに種類を記載しないといけないの。
ねえゲンさん、私の見立てだと、この子はフォレストキャットだと思うんだけどどうかな?」

「なにぃ、フォレストキャットだぁ、何を寝言ほざいて………、にしか見えねえな。
おれも、野生の成体を一度見ただけだが、北の森の王フォレストキャットを従魔かよ。
それに、こいつはブルーファルコンだよな。
今はグレーだけどよ、成体になったら綺麗な空色になる。
羽1本が金貨10枚って超レア種だぞ。
だけどよ、問題はこのチビ助だろうな。
ドラゴンを従魔にした例は、これまでにも数件あるけどな、ランドドラゴン系しかねえんだよ。
こいつは純粋な龍属だな。
嬢ちゃん、他に何か変わったことはなかったかい」

ザワザワザワッ

「えっと、火を……その、吹きました」

ザワザワ

「ああ、ブレスだ。龍属であることは間違いねえな。
多分これから長い時間をかけて成長とともに変化していく。
金龍・銀龍・白竜・黒龍、今人間が認識しているのはこれだけだが、目撃例自体すくねえから龍種と書くしかねえよな。
だけどよ、三種とも従魔登録は初だぞ。
嬢ちゃんのレベルはどうすんだい」

「実績なしで特級はムリだな。
上級で登録しておけ」

ザワザワザワッ!

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