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第七章 動物の園
第125話 世界平和会議
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友好国である7カ国による首脳会議がフォン王国で開催された。
各国の送迎はすべて飛空艇で行い、昼食を召し上がっていただき、会議に入る。
ちなみに、ナイルの人々は宗教上の理由から豚肉を食べない。まあ、今回はチキンなので問題ないのだが。
「皆様、本日はお忙しい中、お集まりいただきありがとうございます。進行は私ジャニスが務めさせていただきます。」
そう、この大舞台に俺は執事のジャニスを起用した。
俺の意図を正確に汲み取ってくれるのは、ジャニスしかいない。
この会議で俺の作った案は概ね承認された。
正式名称は、世界平和同盟:WPA(world peace alliance)となり、会議が2か月に一度各国持ち回りで議長国となり開催されることが決まった。
旗のデザインがナイル王国の提案で決まり、国旗とともに目立つ場所へ掲揚することも決まっている。
ちなみに同盟旗は、空を象徴する青地に、授乳をする母親と乳児が白抜きで描かれている。
この同盟旗は船にも掲揚され、一目で識別できるようになっている。
そして、同盟の代表は投票で俺に決まってしまった。解せん……。
各国へは、飛空艇が一機づつとバズーカ2丁が贈られることになった。
事務局はフォン王国が務めることになり、事務所が城の中に設置される。
事務局長はジャニスになり、各国より2名づつ常駐することになる。
世界平和同盟:WPA(world peace alliance)の発足も終わり、俺はいよいよスエズ運河の建築に取り掛かることにした。
両端部分だけを残し、深さ30m、幅150mの溝を掘っていく。掘るといっても、ブロックごとに収納へ取り込むだけなのだが……。
護岸はナイルの人が総出でコンクリートで固めていく。
そして余った土をナイルの西側の砂漠の砂と入れ替えていくのだ。
コンクリートの養生もあって、工事は一か月もかかってしまった。
地中海側から5キロ地点に巨大な跳ね橋の魔道具も作った。平時は道路だが、船が航行する時には釣り上げるのだ。
「いよいよだな。」
「ええ、ナイルの作業人たちもよく頑張ってくれました。」
「ふふっ、国土の土のエリアがこれだけ増えたのだし、これからは通行料も見込めるのだ。民の目の色も変わるさ。」
「それで、本当に周辺国への通知についてくるのかい。」
「当然じゃろ。WPAのメンバーとしてわらわが行かずして誰が行くというのじゃ。」
「いや、この間、外務大臣を決めたでしょ。」
「まだ、あやつには荷が重すぎる。」
「そんなこと言ってるから、人材が育たないんだよ。」
「馬鹿なことをいうな。今回の運河もわらわは口出しせず、土木大臣に任せたであろう。」
「いやいや、最初の作業を見ただけで、単調な作業の繰り返しに飽きただけでしょ。」
「そ、そんなことはないぞ。そうだ!畜産大臣からの報告で、ヒヨコどもが順調に育っているようじゃぞ。」
「50羽が、あっという間に200羽か、玉子が市場に出回るのも近そうだね。」
「トマトやイチゴも順調に育っているようじゃし、大ナイル川を遡上する動力船の数も増えてきた。ナイルはこれから大きく成長するのじゃ。」
「よかったね。」
「そして、わらわは国を栄えさせた偉大なる女王として語り継がれるだろう。」
「駄目だよ、自分で言っちゃ。」
「誰も言ってくれんのじゃ。」
「いや、国民の顔を見ればわかるよ。みんな活気にあふれているからね。」
そうして、俺とパメラは周辺国を回った。
力の誇示もあって、今回は城の前に直接飛空艇で降りたった。
「ナイル王国、女王のパメラじゃ。皇帝に取り次ぐよう希望する。」
この辺は俺には真似できない。
国王としての風格は、持って生まれたものなのだろう。
【あとがき】
同盟の発足と運河開通。あれっ、犬が出てこない……。
各国の送迎はすべて飛空艇で行い、昼食を召し上がっていただき、会議に入る。
ちなみに、ナイルの人々は宗教上の理由から豚肉を食べない。まあ、今回はチキンなので問題ないのだが。
「皆様、本日はお忙しい中、お集まりいただきありがとうございます。進行は私ジャニスが務めさせていただきます。」
そう、この大舞台に俺は執事のジャニスを起用した。
俺の意図を正確に汲み取ってくれるのは、ジャニスしかいない。
この会議で俺の作った案は概ね承認された。
正式名称は、世界平和同盟:WPA(world peace alliance)となり、会議が2か月に一度各国持ち回りで議長国となり開催されることが決まった。
旗のデザインがナイル王国の提案で決まり、国旗とともに目立つ場所へ掲揚することも決まっている。
ちなみに同盟旗は、空を象徴する青地に、授乳をする母親と乳児が白抜きで描かれている。
この同盟旗は船にも掲揚され、一目で識別できるようになっている。
そして、同盟の代表は投票で俺に決まってしまった。解せん……。
各国へは、飛空艇が一機づつとバズーカ2丁が贈られることになった。
事務局はフォン王国が務めることになり、事務所が城の中に設置される。
事務局長はジャニスになり、各国より2名づつ常駐することになる。
世界平和同盟:WPA(world peace alliance)の発足も終わり、俺はいよいよスエズ運河の建築に取り掛かることにした。
両端部分だけを残し、深さ30m、幅150mの溝を掘っていく。掘るといっても、ブロックごとに収納へ取り込むだけなのだが……。
護岸はナイルの人が総出でコンクリートで固めていく。
そして余った土をナイルの西側の砂漠の砂と入れ替えていくのだ。
コンクリートの養生もあって、工事は一か月もかかってしまった。
地中海側から5キロ地点に巨大な跳ね橋の魔道具も作った。平時は道路だが、船が航行する時には釣り上げるのだ。
「いよいよだな。」
「ええ、ナイルの作業人たちもよく頑張ってくれました。」
「ふふっ、国土の土のエリアがこれだけ増えたのだし、これからは通行料も見込めるのだ。民の目の色も変わるさ。」
「それで、本当に周辺国への通知についてくるのかい。」
「当然じゃろ。WPAのメンバーとしてわらわが行かずして誰が行くというのじゃ。」
「いや、この間、外務大臣を決めたでしょ。」
「まだ、あやつには荷が重すぎる。」
「そんなこと言ってるから、人材が育たないんだよ。」
「馬鹿なことをいうな。今回の運河もわらわは口出しせず、土木大臣に任せたであろう。」
「いやいや、最初の作業を見ただけで、単調な作業の繰り返しに飽きただけでしょ。」
「そ、そんなことはないぞ。そうだ!畜産大臣からの報告で、ヒヨコどもが順調に育っているようじゃぞ。」
「50羽が、あっという間に200羽か、玉子が市場に出回るのも近そうだね。」
「トマトやイチゴも順調に育っているようじゃし、大ナイル川を遡上する動力船の数も増えてきた。ナイルはこれから大きく成長するのじゃ。」
「よかったね。」
「そして、わらわは国を栄えさせた偉大なる女王として語り継がれるだろう。」
「駄目だよ、自分で言っちゃ。」
「誰も言ってくれんのじゃ。」
「いや、国民の顔を見ればわかるよ。みんな活気にあふれているからね。」
そうして、俺とパメラは周辺国を回った。
力の誇示もあって、今回は城の前に直接飛空艇で降りたった。
「ナイル王国、女王のパメラじゃ。皇帝に取り次ぐよう希望する。」
この辺は俺には真似できない。
国王としての風格は、持って生まれたものなのだろう。
【あとがき】
同盟の発足と運河開通。あれっ、犬が出てこない……。
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