7人のメイド物語

モモん

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第七章 動物の園

第117話 夜行性

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 次の動物をどうするか。
 次に珍しい動物といえば、キリンだろう。
 珍しいという度合だけでみると、カモノハシとか出てくるが、あれは玄人受けするかもしれないが子供に受けるとは思えない。
 可愛いという観点で見れば、ピグミーマーモセットやトビネズミ、ヤマネ・モモンガなどがあげられるが、夜行性は駄目だと思う。

 ああ、ハムスターも良さそうだ。
 数が増えたら、一般向けに販売してもいい。

 俺はアフリカと思しき付近に飛んで、キリンを探した。
 ガゼルやシマウマは後回しでいいだろう。
 チーターは、人に慣れるというが、広大なエリアが必要になる。
 俺はキリンを3頭捕獲して持ち帰った。

 次はハムスターにしよう。
 触れられるという意味でも貴重だと思う。
 定番のゴールデンハムスターは、確かシリアのほうだったよな。
 ジャンガリアンなら、モンゴルの辺りだったか。
 ついでにゴビ砂漠に寄ってオオミミトビネズミも探してこよう。

 ハムスターもトビネズミも基本は夜行性だ。
 俺は5日かけてジャンガリアンハムスターと、オオミミトビネズミを50匹ずつ捕まえた。
 トビネズミはガラスケースの中で観賞用として、ハムスターは触れるようにガラスのケージ内で飼育する。
 どちらも室内で飼うことにした。

 夜行性だから、ガラスを叩いたりするんだろうな……。
 細長い飼育ケースにして、見学者が干渉できないエリアを増やしてやろう。
 いや、それよりも、夜行性動物用の建物を作ってやった方がよさそうだ。
 そうすれば、リスとかモモンガとかも飼育できるだろう。
 早速俺は体育館2面ほどの建屋を建てて薄暗い照明を設置した。
 建屋内は雑木林にして、夜は明るくするように昼と夜を逆にしたのだ。
 当然、窓のない建物である。
 ハムスターとトビネズミのケージも当然その中に設置する。

「うーん、ウサギは数が増えてきたけど、イヌとネコが集まらないな……。ネコといえばエジプトあたりがいいのかな。」
 シノブに同行してもらい、地球でいうヨーロッパ・地中海・中東に行ってみることにした。
 ついでに国交を結べるような国があったら仲良くしてみよう。
 そんなことをソフィアに話したら、一緒に行くといわれてしまった。
 まあ、そうなるよな。外務局長なんだから。

 俺たちは中東に向かった。
 目的はピグミージェルボア(バルチスタンコミミトビネズミ)だ。
「これから向かう砂漠には、世界で一番小さい動物がいるらしいんだ。」
「まあ、どんな動物ですの?」
「トビネズミの一種らしいんだけど、尻尾を除くと体調5センチ以下だっていうんだ。」
「うふふ、楽しみですわね。そんな子が見つかったら、お母さまがまた喜んじゃいますわね。」

 中東に向かうにあたり、地球でいう東南アジアからインド方面を経由する。
 それなりの都市があったら立ち寄ってみるつもりだ。

 東南アジアエリアには、小さい村しかなかったが、インドのあたりはそれなりの都市があった。
 その中でも大き目の都市に立ち寄ってみる。
 地球でいえばガンジス川に相当する河川の平地にあるその町は、農業中心のようだった。
 
 例によって、俺たちは少し離れた場所に着陸して町に向かっていく。
 周囲に城壁のない、穏やかな土地であるようだ。

「こんにちは。」
「こんにちわ。変わった乗り物だね。」
 町をみたところ、ここでは牛車が移動の中心になっているようだ。
 それだけ、生活のリズムもゆっくりなのだろう。
「ここは、何という国なんでしょうか?」
「国?ああ、マガダ国だよ。」
 マガダ国、なんとなく聞き覚えがある。
 たしか、インドの前身となった国の一つだ。


【あとがき】
 いけない。また古代文明編に行ってしまう……。
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