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第六章 海の先
第110話 脱出
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イカン帝国暫定皇帝フランコ・ビサロとの面会。
ソフィア単独での面会を断ると、担当者はしぶしぶ俺たちの同行を認めた。
「俺は王女と面会すると言ったはずだが?」
「はっ、申し訳ございません。どうしても同行すると聞かず……。」
「まあいい。だが、ここからは王女との会談だ。余計な者は退席してもらおう。」
「私も王族の一員として、それは承諾できませんね。」
「ふん。国同士が敵対するすることになった場合、お前は責任をとれるのか?」
「陛下より全権を預かっていますからね。当然ですよ。」
「ならば帰って国王に伝えるといい。王女はこのフランコに差し出したので戻って来ないとな。」
「それは聞き捨てなりませんね。彼女は私の妻ですから。」
「ふん、ならばお前を殺せば、この女は俺のものということだな。やれ!」
ビサロの合図で、横に控えていた兵士が前に出てくる。
俺は収納からアイラとシノブの武器を取り出して指示をする。
「アイラ、脱出経路の確保!」
「了解!」
「シノブはソフィアのフォローだ!」
「承知!」
俺はフルアーマーの兵士に対して短針銃を取り出した。今回の事態に備えて事前に作っていたもので、氷の針を打ち出すものだ。
短針銃を目の隙間めがけて発射する。ワンアクションで50本の針を射出する。
「「グワッ!」」
フルアーマー2体は倒れて目のあたりを抑えて転げまわっている。
ビサロは、その様子を見て後ろの壁にあった隙間に逃げ込んでいった。
俺はソフィアとシノブを伴って部屋の外に出る。
「アイラ!中庭のほうが近い。」
「了解!」
俺たちはバズーカで兵士を倒しながら中庭に移動し、収納から飛空艇を取り出した。
その瞬間だった。左の肩に焼けるような痛みが走った。
見ると、矢が貫通していた。
「「タウ!」」 「主!」
「くっ……シノブ!操縦しろ。アイラ、しんがりを頼む。」
俺たちは飛空艇に乗り込んで空に逃れた。
「タウ!大丈夫なの!?」
「ア、アイラ、後ろに突き出た矢じりを切ってくれ……。」
「わかった……痛いだろうが我慢しろよ。」
アイラが切ったのを確認して、矢を一気に引き抜いた。
「……グワッ!」
「クリーン!」 「治癒!」
「……これで、とりあえずは大丈夫だろう。」
「本当に大丈夫なの?」
「ああ、痛みは残っているが、あとで炎症を抑える薬を飲むから大丈夫。」
「タウ、イカンはどうする?」
「潰すに決まってるだろ。とりあえず収納に大岩が50発あるから、上空から落としてやろう。」
「えぐいな……。」
「アイラはバズーカを好きなように打ち込んでくれ。」
「了解!」
「シノブ、城に戻って上空を旋回してくれ。」
「承知!」
「タウ、私は……。」
「ソフィアが手を汚すことは……。」
「イヤッ!」
ソフィアにもバズーカを渡した。
「魔力切れになる前にやめるんだぞ……。」
「わかっているわよ。」
20分程度で、城は跡形もなく壊滅できた。
俺たちは成果の確認をすることなくヤマに向かった。
傷は治療したが、肉をえぐって貫通した事実は消せない。
飛空艇の中で炎症止めを飲み、三角巾で腕を吊った俺は疼くような痛みに耐えて安静にしていた。
「どうされたのじゃ!」
エル国王に心配されたが、ソフィアがすべて受け答えしてくれ、俺は与えられたベッドで眠った。
多分、発熱すると言い残してあったため誰かが対応してくれるだろう。
俺は睡眠薬を飲んで眠りに落ちた。
【あとがき】
戦闘のシーンは、本当に苦手です。なので、さらっと流してます。
ソフィア単独での面会を断ると、担当者はしぶしぶ俺たちの同行を認めた。
「俺は王女と面会すると言ったはずだが?」
「はっ、申し訳ございません。どうしても同行すると聞かず……。」
「まあいい。だが、ここからは王女との会談だ。余計な者は退席してもらおう。」
「私も王族の一員として、それは承諾できませんね。」
「ふん。国同士が敵対するすることになった場合、お前は責任をとれるのか?」
「陛下より全権を預かっていますからね。当然ですよ。」
「ならば帰って国王に伝えるといい。王女はこのフランコに差し出したので戻って来ないとな。」
「それは聞き捨てなりませんね。彼女は私の妻ですから。」
「ふん、ならばお前を殺せば、この女は俺のものということだな。やれ!」
ビサロの合図で、横に控えていた兵士が前に出てくる。
俺は収納からアイラとシノブの武器を取り出して指示をする。
「アイラ、脱出経路の確保!」
「了解!」
「シノブはソフィアのフォローだ!」
「承知!」
俺はフルアーマーの兵士に対して短針銃を取り出した。今回の事態に備えて事前に作っていたもので、氷の針を打ち出すものだ。
短針銃を目の隙間めがけて発射する。ワンアクションで50本の針を射出する。
「「グワッ!」」
フルアーマー2体は倒れて目のあたりを抑えて転げまわっている。
ビサロは、その様子を見て後ろの壁にあった隙間に逃げ込んでいった。
俺はソフィアとシノブを伴って部屋の外に出る。
「アイラ!中庭のほうが近い。」
「了解!」
俺たちはバズーカで兵士を倒しながら中庭に移動し、収納から飛空艇を取り出した。
その瞬間だった。左の肩に焼けるような痛みが走った。
見ると、矢が貫通していた。
「「タウ!」」 「主!」
「くっ……シノブ!操縦しろ。アイラ、しんがりを頼む。」
俺たちは飛空艇に乗り込んで空に逃れた。
「タウ!大丈夫なの!?」
「ア、アイラ、後ろに突き出た矢じりを切ってくれ……。」
「わかった……痛いだろうが我慢しろよ。」
アイラが切ったのを確認して、矢を一気に引き抜いた。
「……グワッ!」
「クリーン!」 「治癒!」
「……これで、とりあえずは大丈夫だろう。」
「本当に大丈夫なの?」
「ああ、痛みは残っているが、あとで炎症を抑える薬を飲むから大丈夫。」
「タウ、イカンはどうする?」
「潰すに決まってるだろ。とりあえず収納に大岩が50発あるから、上空から落としてやろう。」
「えぐいな……。」
「アイラはバズーカを好きなように打ち込んでくれ。」
「了解!」
「シノブ、城に戻って上空を旋回してくれ。」
「承知!」
「タウ、私は……。」
「ソフィアが手を汚すことは……。」
「イヤッ!」
ソフィアにもバズーカを渡した。
「魔力切れになる前にやめるんだぞ……。」
「わかっているわよ。」
20分程度で、城は跡形もなく壊滅できた。
俺たちは成果の確認をすることなくヤマに向かった。
傷は治療したが、肉をえぐって貫通した事実は消せない。
飛空艇の中で炎症止めを飲み、三角巾で腕を吊った俺は疼くような痛みに耐えて安静にしていた。
「どうされたのじゃ!」
エル国王に心配されたが、ソフィアがすべて受け答えしてくれ、俺は与えられたベッドで眠った。
多分、発熱すると言い残してあったため誰かが対応してくれるだろう。
俺は睡眠薬を飲んで眠りに落ちた。
【あとがき】
戦闘のシーンは、本当に苦手です。なので、さらっと流してます。
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