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第五章 結婚
第93話 エルフ
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「一体、どうしてこんな甘味が……」
「局長、甘味だけじゃありません。すごい香りで事務所中満たされています。」
「ああ、俺は鼻が……」
「間違いありません。これは最上級のフルーツですよ。」
「だが、栽培が難しいらしい。」
「当然です。こんなものがポンポンできてしまったら、ほかのフルーツが売れなくなってしまいます。」
「だが……、ここにきてエルフかよ。」
「それしか……ないですよね。」
「エルフと何があったんですか?」
「まあ、うちの不手際が原因なんだが……」
「3年前でしたか、こちらが間違った品種の種を渡してしまったんです。それで、その年の収穫はできなくなってしまいました。」
「まあ、それで賠償しろとなってな。こっちは応じなかったらしいんじゃ。」
「前任の局長は頑固でしたからね。」
「じゃあ、僕が交渉に行きましょうか。」
「私も一緒に行きます!」
申し出てくれたアミラさんに翌朝迎えに来ると告げて農林局を出た。次は総務局だ。
「こんにちわ。」
「あっ、教育長いらっしゃいませ。」
「はい、これ。少ないけどハリのお土産です。」
「えっ、何ですか、この香り……」
「メロンっていうフルーツなんだ。一口ずつしかないけど皆さんでどうぞ。」
俺はそのまま医療課へ入った。
「ドラゴンの素材持ってきました。」
「おお、タウ医師。一昨日お披露目したやつだな。」
「ええ。ドラゴンの爪・肝臓・目玉・舌・胃一通りありますよ。」
「貴重な薬ばかりだ。これでどれだけの患者を救えることか。」
「こっちもありますよ。」
「なんだぁ、こりゃあシーサーペントの背びれかよ。」
「それから、卵巣とエラ。卵も入ってますよ。」
「おま、そんな希少品まであるのかよ。」
最後は魔法局だ。
「こんにちわ。ジュラルミンで作ったボディーのサンプルを持ってきました。」
ボディーのサンプルといっても、エンジンとシートを外した車のボディーだ。
「すごい。こんなに太いタイヤをつけてあるんですね。」
「地上も走れた方が面白いですからね。」
魔法局で話をした後でソフィアの部屋へ行く。
「明日、エルフの里へ行ってくるよ。」
「どのようなご用件なのでしょう。」
「メロンの種を渡して、栽培を頼むつもりなんだ。」
「まあ、この国でもメロンの栽培ができるんですか!」
「まだ決まったわけじゃないですよ。お願いしにいくんですから。」
「何かトラブルがあったんですね。もし、私でお役にたてるなら、なんなりとおっしゃってくださいね。」
「何でトラブルだと思うの?」
「トラブルでなければ、タウが行かずに農林局に任せるでしょう。」
「へえ。正解ですよ。じゃあ、ご褒美にこれをどうぞ。」
「何ですの、コレ?」
「リップグロス。口紅みたいなものです。赤の色味を抑えたぶん、艶のある唇を表現できていると思います。」
「塗ってください。」
「いや、男の僕じゃ無理だよ。今の口紅も落とさないといけないし、ここはメイドさんにお願いしよう。」
「仕方ありませんわ。」
ソフィアはメイドさんと奥の部屋に入っていった。キャッキャッとはしゃぐ声が聞こえる。
「コホン、如何でしょう。」
「うん、思った通りソフィアにはこれくらいの色のほうが似合うよ。このままキスしたいくらいだ。」
キャッとメイドさんの声が聞こえた。ソフィアは目を閉じて口を突き出している。俺はソフィアの両肩を抱いておでこにキスをした。
「もうっ!」
「いや、人前でそんなことできないよ。」
俺はソフィアの部屋を退散した。
家に帰った俺はジャニスに確認する。
「明日エルフの里に行くんだけど、注意することはあるかな?」
「そうですね。本来であれば私が同行できれば良いのですが事情がありまして……」
「うん。それは大丈夫だよ。」
「同調を使うでしょうから、嘘はだめです。」
「なるほど。」
「お世辞も嫌われます。」
「うん。」
「素材を重視するので加工品は敬遠されます。」
「了解。プリンとかもダメなんだね。」
「プリンですか、微妙なところですね。素材とまったく違うものを生み出すというのは新鮮と受け止められるかもしれません。」
「じゃあ、一応用意しておこうかな。他には、例えば冷蔵庫や馬車・ポンプなんかはどうだろう。」
「使う人がいるかどうかですが、里の中に泉がありますので、ポンプは需要がないと思います。」
「分かった、ありがとう。」
「あっ、それと、エルフは自然との共生を大事にしますから、金属よりも木を好みます。」
「それ、ポイントかもしれないね。注意するよ。」
アミラさんは農林局農業課の係長だ。身長は165cmくらいで標準的な体形。ショートの髪は深い緑色の癖っ毛だ。今日の服装は髪と同系色のパンツスーツだった。
「アミラさんはエルフの里に行ったことあるんですか?」
「一度だけ行ったことがありますけど、門前払いでした。」
その時、馬車が急に止まった。今日の御者はアイラだ。6年ほど前に依頼でエルフの里に来たことがあるというのでついてきてもらった。
「タウ、あの子血だらけだ。」
アイラの示す方を見ると、確かに10才くらいの女の子がうずくまっていた。白いワンピースのわき腹が血に染まっている。
「大変だ!」
俺は馬車を降りて女の子に駆け寄った。周囲に人影はない。
「大丈夫?」
「イタイ……」
「ちょっと傷口を見るね。」
俺はそう告げてワンピースをめくりあげた。左わき腹に裂傷がある。魔法できれいにしてから傷口を塞ぎついでにワンピースの汚れも落としてやった。肌の色も白く、耳の先が少しとがっている。エルフだろう。俺は収納から傷薬や絆創膏を取り出して傷口の処置をし包帯を巻いた。
「痛かっただろ、よく我慢したね。」
「うん、ありがとう……」
「これは炎症を抑える薬だよ。飲んだほうがいい。」
「えん。」
少女に錠剤をわたし、水がなかったのでオレンジジュースを飲ませた。
「おいしい……。お兄ちゃん、お医者さん?」
「そうだよ。お城で王様やお姫様の病気を治してるんだから安心して。」
少女はパアっと顔を明るくした。
「お姫様も?」
「うん。ソフィア姫も僕の患者さんだよ。」
「すごい!ソフィア姫様ってどんな感じ?」
「そうだね。金髪で……食いしん坊かな。」
「うふふ、私と同じ。何が好きなの?」
「うーん、スイーツなら何でも喜んで食べるね。」
「スイーツ……聞いたことあるけど、里にはないなぁ。」
「傷口が開くといけないから馬車で送ってあげるよ。スイーツを食べてみたいかい。」
「えっ、あるの!」
「ソフィア姫に必要なものは全部持っているからね。」
「?」
「この篭、お前んだろ?」
アイラが藪の中から篭をとってきてくれた。
「血がついていた木を確認したが、毒のある木じゃなかったぜ。」
やっぱり冒険者だけあって目のつけどころが違う。
「あっ、ありがとう。山菜とっていてよろけた時に木が刺さっちゃったの……」
「痛かったろう、さっ、馬車に乗って。」
俺はジャニスト同じ銀色ショートの髪をポンポンとたたいた。
【あとがき】
さて、エルフ編です……って、そんなに長い話ではない予定です。
「局長、甘味だけじゃありません。すごい香りで事務所中満たされています。」
「ああ、俺は鼻が……」
「間違いありません。これは最上級のフルーツですよ。」
「だが、栽培が難しいらしい。」
「当然です。こんなものがポンポンできてしまったら、ほかのフルーツが売れなくなってしまいます。」
「だが……、ここにきてエルフかよ。」
「それしか……ないですよね。」
「エルフと何があったんですか?」
「まあ、うちの不手際が原因なんだが……」
「3年前でしたか、こちらが間違った品種の種を渡してしまったんです。それで、その年の収穫はできなくなってしまいました。」
「まあ、それで賠償しろとなってな。こっちは応じなかったらしいんじゃ。」
「前任の局長は頑固でしたからね。」
「じゃあ、僕が交渉に行きましょうか。」
「私も一緒に行きます!」
申し出てくれたアミラさんに翌朝迎えに来ると告げて農林局を出た。次は総務局だ。
「こんにちわ。」
「あっ、教育長いらっしゃいませ。」
「はい、これ。少ないけどハリのお土産です。」
「えっ、何ですか、この香り……」
「メロンっていうフルーツなんだ。一口ずつしかないけど皆さんでどうぞ。」
俺はそのまま医療課へ入った。
「ドラゴンの素材持ってきました。」
「おお、タウ医師。一昨日お披露目したやつだな。」
「ええ。ドラゴンの爪・肝臓・目玉・舌・胃一通りありますよ。」
「貴重な薬ばかりだ。これでどれだけの患者を救えることか。」
「こっちもありますよ。」
「なんだぁ、こりゃあシーサーペントの背びれかよ。」
「それから、卵巣とエラ。卵も入ってますよ。」
「おま、そんな希少品まであるのかよ。」
最後は魔法局だ。
「こんにちわ。ジュラルミンで作ったボディーのサンプルを持ってきました。」
ボディーのサンプルといっても、エンジンとシートを外した車のボディーだ。
「すごい。こんなに太いタイヤをつけてあるんですね。」
「地上も走れた方が面白いですからね。」
魔法局で話をした後でソフィアの部屋へ行く。
「明日、エルフの里へ行ってくるよ。」
「どのようなご用件なのでしょう。」
「メロンの種を渡して、栽培を頼むつもりなんだ。」
「まあ、この国でもメロンの栽培ができるんですか!」
「まだ決まったわけじゃないですよ。お願いしにいくんですから。」
「何かトラブルがあったんですね。もし、私でお役にたてるなら、なんなりとおっしゃってくださいね。」
「何でトラブルだと思うの?」
「トラブルでなければ、タウが行かずに農林局に任せるでしょう。」
「へえ。正解ですよ。じゃあ、ご褒美にこれをどうぞ。」
「何ですの、コレ?」
「リップグロス。口紅みたいなものです。赤の色味を抑えたぶん、艶のある唇を表現できていると思います。」
「塗ってください。」
「いや、男の僕じゃ無理だよ。今の口紅も落とさないといけないし、ここはメイドさんにお願いしよう。」
「仕方ありませんわ。」
ソフィアはメイドさんと奥の部屋に入っていった。キャッキャッとはしゃぐ声が聞こえる。
「コホン、如何でしょう。」
「うん、思った通りソフィアにはこれくらいの色のほうが似合うよ。このままキスしたいくらいだ。」
キャッとメイドさんの声が聞こえた。ソフィアは目を閉じて口を突き出している。俺はソフィアの両肩を抱いておでこにキスをした。
「もうっ!」
「いや、人前でそんなことできないよ。」
俺はソフィアの部屋を退散した。
家に帰った俺はジャニスに確認する。
「明日エルフの里に行くんだけど、注意することはあるかな?」
「そうですね。本来であれば私が同行できれば良いのですが事情がありまして……」
「うん。それは大丈夫だよ。」
「同調を使うでしょうから、嘘はだめです。」
「なるほど。」
「お世辞も嫌われます。」
「うん。」
「素材を重視するので加工品は敬遠されます。」
「了解。プリンとかもダメなんだね。」
「プリンですか、微妙なところですね。素材とまったく違うものを生み出すというのは新鮮と受け止められるかもしれません。」
「じゃあ、一応用意しておこうかな。他には、例えば冷蔵庫や馬車・ポンプなんかはどうだろう。」
「使う人がいるかどうかですが、里の中に泉がありますので、ポンプは需要がないと思います。」
「分かった、ありがとう。」
「あっ、それと、エルフは自然との共生を大事にしますから、金属よりも木を好みます。」
「それ、ポイントかもしれないね。注意するよ。」
アミラさんは農林局農業課の係長だ。身長は165cmくらいで標準的な体形。ショートの髪は深い緑色の癖っ毛だ。今日の服装は髪と同系色のパンツスーツだった。
「アミラさんはエルフの里に行ったことあるんですか?」
「一度だけ行ったことがありますけど、門前払いでした。」
その時、馬車が急に止まった。今日の御者はアイラだ。6年ほど前に依頼でエルフの里に来たことがあるというのでついてきてもらった。
「タウ、あの子血だらけだ。」
アイラの示す方を見ると、確かに10才くらいの女の子がうずくまっていた。白いワンピースのわき腹が血に染まっている。
「大変だ!」
俺は馬車を降りて女の子に駆け寄った。周囲に人影はない。
「大丈夫?」
「イタイ……」
「ちょっと傷口を見るね。」
俺はそう告げてワンピースをめくりあげた。左わき腹に裂傷がある。魔法できれいにしてから傷口を塞ぎついでにワンピースの汚れも落としてやった。肌の色も白く、耳の先が少しとがっている。エルフだろう。俺は収納から傷薬や絆創膏を取り出して傷口の処置をし包帯を巻いた。
「痛かっただろ、よく我慢したね。」
「うん、ありがとう……」
「これは炎症を抑える薬だよ。飲んだほうがいい。」
「えん。」
少女に錠剤をわたし、水がなかったのでオレンジジュースを飲ませた。
「おいしい……。お兄ちゃん、お医者さん?」
「そうだよ。お城で王様やお姫様の病気を治してるんだから安心して。」
少女はパアっと顔を明るくした。
「お姫様も?」
「うん。ソフィア姫も僕の患者さんだよ。」
「すごい!ソフィア姫様ってどんな感じ?」
「そうだね。金髪で……食いしん坊かな。」
「うふふ、私と同じ。何が好きなの?」
「うーん、スイーツなら何でも喜んで食べるね。」
「スイーツ……聞いたことあるけど、里にはないなぁ。」
「傷口が開くといけないから馬車で送ってあげるよ。スイーツを食べてみたいかい。」
「えっ、あるの!」
「ソフィア姫に必要なものは全部持っているからね。」
「?」
「この篭、お前んだろ?」
アイラが藪の中から篭をとってきてくれた。
「血がついていた木を確認したが、毒のある木じゃなかったぜ。」
やっぱり冒険者だけあって目のつけどころが違う。
「あっ、ありがとう。山菜とっていてよろけた時に木が刺さっちゃったの……」
「痛かったろう、さっ、馬車に乗って。」
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