7人のメイド物語

モモん

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第三章 冒険者タウ

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 俺とジャニス、産業局のマリアンヌとジョセの四人は服飾ギルドを訪問した。

「ギルド長、大変です」

「マリアンヌとジョセじゃないですか。
来るなり大変だとはどうしたのですか?」

「こちらのワイルズ卿が女性用の下着を開発されたんです」

「おお、ワイルズ卿というと、リバーシや竹ペンの開発者ですね。
卿の考案されたハサミは、うちでも重宝しています。
あっ、申し遅れました。復職ギルドを任されているキャサリン・スウィートと申します」

「タウ・ワイルズです。タウと呼んでください。
こっちは執事のジャニスです」

「それで、下着というのは?」

ジャニスがブラウスの前をはだけてギルド長に見せるとギルド長は驚いた。

「すごいですね。胸が強調されているのでコルセットなしでも体のラインが美しく見える」

「つけるのも簡単ですし、胸帯よりも苦しくないんですよ」

「これを流通させようというわけですね」

「はい。王妃さまと王女さまにも着用いただいております。
そうしたら、王妃さまがすぐにでも量産して、女性をコルセットや胸帯の苦しさから解放するようにと仰せつかりました」

「さすがはカトリーヌさま。
ええ、これはすぐにでも流行らせなくてはいけませんね。
復職ギルド総動員で量産に入りましょう」

「では、型紙とサンプルをおいていきますので、よろしくお願いします。
それと、体のラインが変わりますので、ブラウスなども見直したほうがいいと思いますよ。
お金に関する調整は、後日担当にお邪魔させますので、よろしくお願いします」

「ジャニスさんでしたね。わかりました。ともかくは、サンプルづくりを急ぎましょう」

「女性用ですから、生地も花柄とか色付きのものとか、喜ばれると思いますよ」

「タウさまのいわれるとおりですわね。
でも、男性なのによくこんなものを思いつきましたね」

「あーっ、男性側からすると、やっぱり女性の胸って憧れですからね。
きれいに見せるにはどうしたらいいか考えました」

「あらっ、脱がせやすいとかじゃないんですね」

「……」


 こうして、ブラとパンティーが市場に投下されるや、瞬く間に広まっていった。
貴族用に高級な布を使ったり、フリルがついたりと、そのバリエーションも増えていく。
しかも、下着なので当然複数枚購入される。
俺もだが、我が家のメイドはとんでもない金持ちになっていることだろう。

 避妊具のほうも、局長の試用で合格をいただいたので医療課で販売することになった。
こちらは、メイドの口コミで広まっていった。
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