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第三章 冒険者タウ
王妃に着てもらった
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俺は部屋の外で彼女たちの身支度を待った。
「お待たせ」
「如何ですか?」
「気に入ったわよ。ブラだけじゃなく、パンティーとかいうのも楽でいいわ」
「私はレギンスにしたわ。どう、似合ってるかしら」
「よくお似合いですよ、お二人とも」
「問題は陛下よね。胸を強調しすぎだとか、足を見せるなんてはしたないとか言い出しそうで……」
「とても魅力的な足なんですから、隠しておくなんてもったいないですよ」
「ああ、軽くて楽で涼しいの。もう一度、あれを着ろっていわれても無理よ」
「レギンスのほうは動きやすいですわ」
「では、陛下のもとにまいりましょう」
「「はい」」
「陛下、如何ですか?」
「王妃よ、若返ったんじゃないのか……」
「タウにはそんな魔法使えませんわ」
「逆に、ソフィアは落ち着いたレディに見えるぞ」
「ありがとうございます。お父さま」
「陛下、私は今後この服装で執務したいと思っております」
「だが、足と胸が……まあ、王妃が気に入ったのならかまわんよ」
「胸は、本当に楽ですの。
タウ、このブラを早急に市販なさい。
世の女性を胸帯とコルセットから開放するのよ」
「そこまでのものなのか……」
「馬車に匹敵する発明ですわ」
「そういわれてはバックアップしないわけにはいかんだろう。
タウよ、産業局長に言って、復職ギルドに総動員をかけさせろ」
「いいんですか」
「かまわん。王妃が民に必要だと判断したのだ。
すぐに手配しろ」
「はい」
俺は総務局長にことわってから産業局長のもとに向かう。
「おや、タウ君どうしうたんだね」
「女性用の下着を作ったのですが、大至急普及させるように陛下から指示がございました」
「おいおい、今度は女性用の下着かよ。
おい、マリアンヌ、それとジョセちょっと来い」
「はい、なんでしょう?」
「タウ君が女性用の下着を考案したそうだ。
ちょっと、二人で確認してくれ」
「下着ですか。では、別室で……」
二人はジャニスとともに会議室に入っていく。
「それで、陛下はどうしろと」
「服飾ギルドを総動員して、量産にはいれと言われました」
「簡単に言ってくれるよな……、向こうだって商売だ。
そんな簡単には動いてくれねえよ」
バン! けたたましくドアが開き、3人が出てくる。
「局長!復職ギルドに行ってきます」
「おいおい、どうしたってんだよ」
「大至急、量産体制に入ってもらいます」
「おまえ、そんなこと言ったって……」
「実物を見せれば向こうもそういうはずです」
「ジョセ、お前の意見は?」
「私は胸帯でもそんなに苦になりませんが、一般的な大きさの女性ならって、何言わせるんですか!」
「売れるんだな?」
「王妃さまと王女さまが率先して着用されるんです。
売れない理由が見当たりません」
「わかった、行ってこい。
ただし、無理強いはするなよ」
「お待たせ」
「如何ですか?」
「気に入ったわよ。ブラだけじゃなく、パンティーとかいうのも楽でいいわ」
「私はレギンスにしたわ。どう、似合ってるかしら」
「よくお似合いですよ、お二人とも」
「問題は陛下よね。胸を強調しすぎだとか、足を見せるなんてはしたないとか言い出しそうで……」
「とても魅力的な足なんですから、隠しておくなんてもったいないですよ」
「ああ、軽くて楽で涼しいの。もう一度、あれを着ろっていわれても無理よ」
「レギンスのほうは動きやすいですわ」
「では、陛下のもとにまいりましょう」
「「はい」」
「陛下、如何ですか?」
「王妃よ、若返ったんじゃないのか……」
「タウにはそんな魔法使えませんわ」
「逆に、ソフィアは落ち着いたレディに見えるぞ」
「ありがとうございます。お父さま」
「陛下、私は今後この服装で執務したいと思っております」
「だが、足と胸が……まあ、王妃が気に入ったのならかまわんよ」
「胸は、本当に楽ですの。
タウ、このブラを早急に市販なさい。
世の女性を胸帯とコルセットから開放するのよ」
「そこまでのものなのか……」
「馬車に匹敵する発明ですわ」
「そういわれてはバックアップしないわけにはいかんだろう。
タウよ、産業局長に言って、復職ギルドに総動員をかけさせろ」
「いいんですか」
「かまわん。王妃が民に必要だと判断したのだ。
すぐに手配しろ」
「はい」
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「おや、タウ君どうしうたんだね」
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「おいおい、今度は女性用の下着かよ。
おい、マリアンヌ、それとジョセちょっと来い」
「はい、なんでしょう?」
「タウ君が女性用の下着を考案したそうだ。
ちょっと、二人で確認してくれ」
「下着ですか。では、別室で……」
二人はジャニスとともに会議室に入っていく。
「それで、陛下はどうしろと」
「服飾ギルドを総動員して、量産にはいれと言われました」
「簡単に言ってくれるよな……、向こうだって商売だ。
そんな簡単には動いてくれねえよ」
バン! けたたましくドアが開き、3人が出てくる。
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「おいおい、どうしたってんだよ」
「大至急、量産体制に入ってもらいます」
「おまえ、そんなこと言ったって……」
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「ジョセ、お前の意見は?」
「私は胸帯でもそんなに苦になりませんが、一般的な大きさの女性ならって、何言わせるんですか!」
「売れるんだな?」
「王妃さまと王女さまが率先して着用されるんです。
売れない理由が見当たりません」
「わかった、行ってこい。
ただし、無理強いはするなよ」
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