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第三章 冒険者タウ
大弓
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Sランクの依頼を確認したところ、サイクロプスという巨人の討伐依頼だった。
現状確認されているのは5体で、ことによるとそれ以上かもしれない。
「これなら楽勝だな」
「応援は呼ばない?」
「問題なしよ」
「じゃ、出発しましょう」
サイクロプスが現れたのは西の遺跡で、馬車で一日のところにある。
俺とアイラ、シノブ、ミーシャの4人は馬車に乗り込んだ。
御者はアイラだ。
「この馬車は本当に揺れないわよね」
「板バネもすごい発明なれど、これは別格でござる」
「特別注文もすごく入ってるんでしょ」
「パーツさえ作っておけば、組み立てと仕上げはイグリッドがやってくれるから楽だよ」
「これって、一度乗ったらもうほかの馬車に乗れないものね」
「王室専用のものは更にすごいでござるよ」
「知ってる。ベッドになるんでしょ」
「あはは、さすがにアレはやりすぎたかな」
「とんでもない。
本当に疲れるのでござるよ。普通の馬車は」
「そうだ、今度局長の奥様にも馬車をプレゼントしよう」
「そこは、局長にでよろしいのでは?」
「うーん、やっぱり奥様ですね」
「どっちでも同じでござるよ」
西の遺跡の手前にある村で一泊し、いよいよ遺跡に入る。
この遺跡は、昔、国であった名残だという。
馬車を収納にしまい、俺たちは遺跡に入っていく。
「シノブ」
「はいよ」
シノブは瓦礫同然の石を起用に上り、状況を伝えてくれる。
「右に2頭、左前方に一頭確認」
「じゃ、右のから片づけるか」
「引き離さなくて大丈夫?」
「2頭程度問題ない」
そういってアイラは飛び出していった。
一頭の足に切り付け、前のめりになったところを首に切り付け絶命させる。
サイクロプスは体高3m以上の巨人だ。こうしないと首に届かない。
オオーッ と、もう一頭が声をあげるが、二頭目も同じようにしとめる。
「声をあげさせちまった、集まってくるぞ」
「左前方の一頭と、その奥から2頭」
「タイミングは?」
「ほぼ同時」
「一頭、足止めできるか?」
「やってみる」
そう言って、シノブは石の上を飛んでいく。
「大丈夫?」
「ああ、問題ない」
俺は、固定式の大弓を収納から引っ張り出して、矢をセットする。
「それは?」
「大弓だよ。
てこの原理で弦を引くから、威力はあると思う」
「てこ?」
「まあ、見ててよ」
現れた二匹が重なるのを待って、発射する。
バシュっと矢……というよりも、木の杭が飛んでいき、二匹を貫いた。
そこをすかさず、アイラがしとめる。
「すげえな、それ」
現状確認されているのは5体で、ことによるとそれ以上かもしれない。
「これなら楽勝だな」
「応援は呼ばない?」
「問題なしよ」
「じゃ、出発しましょう」
サイクロプスが現れたのは西の遺跡で、馬車で一日のところにある。
俺とアイラ、シノブ、ミーシャの4人は馬車に乗り込んだ。
御者はアイラだ。
「この馬車は本当に揺れないわよね」
「板バネもすごい発明なれど、これは別格でござる」
「特別注文もすごく入ってるんでしょ」
「パーツさえ作っておけば、組み立てと仕上げはイグリッドがやってくれるから楽だよ」
「これって、一度乗ったらもうほかの馬車に乗れないものね」
「王室専用のものは更にすごいでござるよ」
「知ってる。ベッドになるんでしょ」
「あはは、さすがにアレはやりすぎたかな」
「とんでもない。
本当に疲れるのでござるよ。普通の馬車は」
「そうだ、今度局長の奥様にも馬車をプレゼントしよう」
「そこは、局長にでよろしいのでは?」
「うーん、やっぱり奥様ですね」
「どっちでも同じでござるよ」
西の遺跡の手前にある村で一泊し、いよいよ遺跡に入る。
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「シノブ」
「はいよ」
シノブは瓦礫同然の石を起用に上り、状況を伝えてくれる。
「右に2頭、左前方に一頭確認」
「じゃ、右のから片づけるか」
「引き離さなくて大丈夫?」
「2頭程度問題ない」
そういってアイラは飛び出していった。
一頭の足に切り付け、前のめりになったところを首に切り付け絶命させる。
サイクロプスは体高3m以上の巨人だ。こうしないと首に届かない。
オオーッ と、もう一頭が声をあげるが、二頭目も同じようにしとめる。
「声をあげさせちまった、集まってくるぞ」
「左前方の一頭と、その奥から2頭」
「タイミングは?」
「ほぼ同時」
「一頭、足止めできるか?」
「やってみる」
そう言って、シノブは石の上を飛んでいく。
「大丈夫?」
「ああ、問題ない」
俺は、固定式の大弓を収納から引っ張り出して、矢をセットする。
「それは?」
「大弓だよ。
てこの原理で弦を引くから、威力はあると思う」
「てこ?」
「まあ、見ててよ」
現れた二匹が重なるのを待って、発射する。
バシュっと矢……というよりも、木の杭が飛んでいき、二匹を貫いた。
そこをすかさず、アイラがしとめる。
「すげえな、それ」
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