7人のメイド物語

モモん

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第一章 一人と7人のメイド

リバーシ大会案の成立

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俺はリバーシ大会の草案を作って総務局へ協力を頼みに行く。

「こんちわ」

「あら、タウ君じゃない、どうしたの」

「こえ、みんなで どーぞ」

こういう時に、手土産を忘れてはいけない。
今回は生クリームとフルーツを使ったクレープだ。男性の分もある。

「わぁ、また手作りのスイーツね。ありがとう」

「そえと、リバー ヒの大会を開きたくて、お願いにきました」

「リバーシの大会?」

「くにで 一番、決めたい おもて」

「リバーシの一番。面白そうね。
ちょっと待ってね。担当のこを呼んでくるから」

俺とマリアンヌさんは応接に通された。

少ししてイベントなどを担当するジャスミンさんという女性がやってきた。

「リバーシの大会ですか。
確かに、国中に広まっていますし、盛り上がりそうですね」

「こえ、そうあん でふ」

「あら、具体的に考えてあるんですね。
拝見します」

「どーぞ」

「えっ、商品と機材はタウ君のほうで用意?」

「はぁい」

「城は、会場と人の提供だけ。
ホントですか」

「はぁい」

「わかりました。
局長にあげてみますので、2・3日お時間をいただけますか」

「おねがいひまふ」



翌日、城に行くと提案通り決済されたと回答を得た。
ここでしくじってはいけない。
俺は、王妃様に開会の挨拶をお願いするつもりなのだが、先に王様に声をかけるのが礼儀だ。

「おうはま リバー ヒ たいかい 、あいはつ おねがい」

「おお、具体的に進めるのだな。
だがなぁ、俺はリバーシ弱いんだよな。
しまも、王妃は選手として出るんだよな。
俺、立場ないじゃん。ここは、王妃に挨拶させた方がいいんじゃないか」

「あら、王様がそうおっしゃるなら……私でいいかしら」

「はぁい おねがいし ます」

こうして、一か月後のリバーシ大会開催が決まった。

優勝者の商品は金のコマ64個セット。売れば2年分の生活費になる。

俺は毎日のようにジャスミンさんと打ち合わせを重ねていった。
当初は地区ごとに予選を開くつもりだったが、オープン参加にして3日間かけて開催することにした。

こうなってくると、大会開催までは襲撃はないだろうとの予測が立ってくる。
大会前に俺が死んだら目立ちすぎるからだ。

リバーシ大会の事前申し込みは2000名を超えた。
まさに、国をあげてのイベントになったのだ。
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