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第一章 一人と7人のメイド
甘味は武器なんです
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俺とマリアンヌは普通に行動するようにいわれたため、翌日も俺は城に向かう。
ただし、今日からはマリアンヌが同行する。
「ねえ、この松葉づえを商品化したいって言ってきたのよ。
これは、タウが私のために作ったものだから、そういう話はタウにしてって言っておいたわ」
「あいがと 今日 も おわたら プ リ ン ね」
「やった!」
もう、王女はどこにだって杖をついて歩いて行ける。
今日からは、杖なしで歩く訓練だった。
杖なしで王妃様のところへいき、そこでお弁当……ならぬ、プリンの試食会だ。
「きょお わ ふるーつ と あわせたの」
「「キャー、素敵」」
「ちょっと、お母さま!
子供じゃないんですから」
「あら、ソフィアだってレディーでしょ」
「うっ……」
「どうも、妃はタウの前だと子供っぽくなるな」
「だって、タウったら私の弱いところばかり攻めてくるんですもの」
「ホント。タウって女心をわかってるわよね。
あっ、フルーツとの組み合わせもいけるわね」
「「!」」
「なんでしょうか、この食感と優しい甘さは」
「口を開くと、この感激が逃げていきそうだな……
タウよ、これも世に出すのか」
「はあい」
「うむ、民の喜ぶ顔が目に見えるようだな」
「また ち が うの もてくるね」
タウはそのまま退室し、総務局に顔を出す。
「あら、タウ君。どうしたの?」
「じょおせい の みな さん で どう ぞ」
「女性限定ね。
って、これ まさか ソフィア王女様が食べられた……」
「そ お」
「ありがとう!
っと、いけない、はしゃぎすぎよね
ありがとね。みんなでいただくわ」
その二日後には、クレープを作って財務局へ。
四日後には、シュークリームを作って厚生局へ。
王女が杖なしで歩けるようになるまでに、タウは女性全員に差し入れを終わらせていた。
「これで、女性職員全員ですね。
女を味方につけておいて損はないですわ」
そういうことだ。
女性に差し入れをするという案は、マリアンヌの提案である。
しかも、王女さまに提供したものと同じということは、市販されていないオリジナルということだ。
わざわざ、職員の分まで余計に作っているという好意が伝わらないはずはない。
この差し入れ以降、耳打ちしてくれたり、メモをもらうことが多くなり、その多くが御典医に気をつけろというものだった。
ただし、今日からはマリアンヌが同行する。
「ねえ、この松葉づえを商品化したいって言ってきたのよ。
これは、タウが私のために作ったものだから、そういう話はタウにしてって言っておいたわ」
「あいがと 今日 も おわたら プ リ ン ね」
「やった!」
もう、王女はどこにだって杖をついて歩いて行ける。
今日からは、杖なしで歩く訓練だった。
杖なしで王妃様のところへいき、そこでお弁当……ならぬ、プリンの試食会だ。
「きょお わ ふるーつ と あわせたの」
「「キャー、素敵」」
「ちょっと、お母さま!
子供じゃないんですから」
「あら、ソフィアだってレディーでしょ」
「うっ……」
「どうも、妃はタウの前だと子供っぽくなるな」
「だって、タウったら私の弱いところばかり攻めてくるんですもの」
「ホント。タウって女心をわかってるわよね。
あっ、フルーツとの組み合わせもいけるわね」
「「!」」
「なんでしょうか、この食感と優しい甘さは」
「口を開くと、この感激が逃げていきそうだな……
タウよ、これも世に出すのか」
「はあい」
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「また ち が うの もてくるね」
タウはそのまま退室し、総務局に顔を出す。
「あら、タウ君。どうしたの?」
「じょおせい の みな さん で どう ぞ」
「女性限定ね。
って、これ まさか ソフィア王女様が食べられた……」
「そ お」
「ありがとう!
っと、いけない、はしゃぎすぎよね
ありがとね。みんなでいただくわ」
その二日後には、クレープを作って財務局へ。
四日後には、シュークリームを作って厚生局へ。
王女が杖なしで歩けるようになるまでに、タウは女性全員に差し入れを終わらせていた。
「これで、女性職員全員ですね。
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そういうことだ。
女性に差し入れをするという案は、マリアンヌの提案である。
しかも、王女さまに提供したものと同じということは、市販されていないオリジナルということだ。
わざわざ、職員の分まで余計に作っているという好意が伝わらないはずはない。
この差し入れ以降、耳打ちしてくれたり、メモをもらうことが多くなり、その多くが御典医に気をつけろというものだった。
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