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序章 転生
俺のイメージした馬車
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収納がLv.3になった。
40cmの立方体が収納できるようになった。
64リットルあれば実用的といえる。
王家用の馬車はチタン製にした。
一度作ったパーツだから手間はかからない。
御者席にはレバー式のブレーキを装備し、この世界で流通しているガラスを強化して窓につける。
最後に王家のエンブレムを配置して完成だ。
本革シートの6人乗りプラス御者席に二人。
ゴム製タイヤの最新型だ。
「なに、もう完成したのか!」
「は あい。そ、それ と、おうひ さま、こ れ」
「えっ、あっ。」
むき出しで手渡したのは、プラチナで作った羽の髪飾り。
赤いルビーがアクセントになっている。
「これって、白金。ルビーがとても綺麗……。
タウ、つけてくださらない」
「あ、あい」
王妃様の黒髪に白金の羽が映える。
「こ、これ も」
「まあ、指輪まで……」
王妃様は右手を俺の前に出してきた。
俺は左手でお妃さまの薬指にルビーの指輪をはめる。
「タウ、ありがとう。チュッ」
王妃様が俺の左頬にキスをしてくれた。
柔らかい唇だった。
「おい、結婚式みたいな事をするな」
「お、おうさま には、 これ」
袋からチタン製の剣を取り出し手渡す。
「ば しゃと、おなじ、そざい つくた」
チタン製のレイピアは軽い。
だが、刃の表面がきれいすぎて、切れ味はあまりよくない。
鞘と柄には、ラピスラズリでコーティングしてある。
「うっ、紋章が柄頭に刻まれているのか。しかも軽い」
「あまり、きる むいてない。 さす よう」
少し喋りすぎて、息が切れる。
シャリン
「うむ、見事なものだ。刃が美しいな」
シャキーン
「タウ、おれからもキスを」
「い、いら ない」
大爆笑だった。
「おお、紋章が……、これは剣と同じ塗料だな」
「らぴ す らずり」
「この、御者席のレバーは?」
「しゃりん こてい する。 はしって て ひく と あぶない」
「この黒いのは?」
「ゴム」
「ふむ、適度な弾力があるな。
窓にガラスを使ってるのか」
「きょ うか してる」
「妃、タウ、乗れ。
だれか、御者を」
「はっ」
「まあ、二重のカーテンが」
「い、イス まわ る」
「ほう、対面式にも、並行式にもできるのだな」
「ればー ひく たおれ る」
「なに!」
「まあ、ベッドになりましてよ」
「……」
「親子3人なら、寝ていけますわね」
「ああ、こんなのは、考えたこともなかったぞ……」
「静かな馬車だからこその発想ですわね」
「一歩先の発想か……
政の世界もそうありたいものだな」
兵士用の仕様ができたというので、兵団の本部まで出向いた。
「こ、これ、は しる、むり」
嫌がらせとしか思えない。
幅8m、長さ20mの馬車など、走れる道があるとは思えない。
「お前がそれを考える必要はない。
指示通り作ればいいんだよ。お前らはただでさえ、人に迷惑をかけてるんだからよ」
「一人じゃ素材もとりにいけねえんだからな」
9才の子供に言うセリフじゃないだろう。
まあ、35才のオヤジには蚊ほどにも刺さらないが。
3日かけて作ってやったよ。
そしたら、ゾロゾロと見にやって来た。
「おーし、襲撃を受けたときに、どれだけ耐えられるかチェックだ」
「「「おー!」」」
ゴガ ガギッ ボゴッ
やりたい放題だな。くそが。
「あー、これじゃあ使い物になんねえな」
「やっぱ、前線を知らないガキに作れっこないっしょ」
「まあ、やり直しだな」
お前らの指示通り作っただけだよ……
くそっ、装甲車でも作ったろうか。
というわけで。御者席までを装甲で覆った装甲馬車が完成した。
窓は小さく少ない。タイヤは太くしてボディーの内側に収納して6輪ある。
「10人しか乗れないではないか!こんなもの実用性に乏しい」とかいう意見もあったが、黒で塗装した装甲に魅了された者も多く、採用となった。
増産しろと言われたので、素材を用意しろと言ってやった。
いくら装甲で覆っても、馬がやられれば役にたたない。
こんなもの、趣味の世界でしかない。
40cmの立方体が収納できるようになった。
64リットルあれば実用的といえる。
王家用の馬車はチタン製にした。
一度作ったパーツだから手間はかからない。
御者席にはレバー式のブレーキを装備し、この世界で流通しているガラスを強化して窓につける。
最後に王家のエンブレムを配置して完成だ。
本革シートの6人乗りプラス御者席に二人。
ゴム製タイヤの最新型だ。
「なに、もう完成したのか!」
「は あい。そ、それ と、おうひ さま、こ れ」
「えっ、あっ。」
むき出しで手渡したのは、プラチナで作った羽の髪飾り。
赤いルビーがアクセントになっている。
「これって、白金。ルビーがとても綺麗……。
タウ、つけてくださらない」
「あ、あい」
王妃様の黒髪に白金の羽が映える。
「こ、これ も」
「まあ、指輪まで……」
王妃様は右手を俺の前に出してきた。
俺は左手でお妃さまの薬指にルビーの指輪をはめる。
「タウ、ありがとう。チュッ」
王妃様が俺の左頬にキスをしてくれた。
柔らかい唇だった。
「おい、結婚式みたいな事をするな」
「お、おうさま には、 これ」
袋からチタン製の剣を取り出し手渡す。
「ば しゃと、おなじ、そざい つくた」
チタン製のレイピアは軽い。
だが、刃の表面がきれいすぎて、切れ味はあまりよくない。
鞘と柄には、ラピスラズリでコーティングしてある。
「うっ、紋章が柄頭に刻まれているのか。しかも軽い」
「あまり、きる むいてない。 さす よう」
少し喋りすぎて、息が切れる。
シャリン
「うむ、見事なものだ。刃が美しいな」
シャキーン
「タウ、おれからもキスを」
「い、いら ない」
大爆笑だった。
「おお、紋章が……、これは剣と同じ塗料だな」
「らぴ す らずり」
「この、御者席のレバーは?」
「しゃりん こてい する。 はしって て ひく と あぶない」
「この黒いのは?」
「ゴム」
「ふむ、適度な弾力があるな。
窓にガラスを使ってるのか」
「きょ うか してる」
「妃、タウ、乗れ。
だれか、御者を」
「はっ」
「まあ、二重のカーテンが」
「い、イス まわ る」
「ほう、対面式にも、並行式にもできるのだな」
「ればー ひく たおれ る」
「なに!」
「まあ、ベッドになりましてよ」
「……」
「親子3人なら、寝ていけますわね」
「ああ、こんなのは、考えたこともなかったぞ……」
「静かな馬車だからこその発想ですわね」
「一歩先の発想か……
政の世界もそうありたいものだな」
兵士用の仕様ができたというので、兵団の本部まで出向いた。
「こ、これ、は しる、むり」
嫌がらせとしか思えない。
幅8m、長さ20mの馬車など、走れる道があるとは思えない。
「お前がそれを考える必要はない。
指示通り作ればいいんだよ。お前らはただでさえ、人に迷惑をかけてるんだからよ」
「一人じゃ素材もとりにいけねえんだからな」
9才の子供に言うセリフじゃないだろう。
まあ、35才のオヤジには蚊ほどにも刺さらないが。
3日かけて作ってやったよ。
そしたら、ゾロゾロと見にやって来た。
「おーし、襲撃を受けたときに、どれだけ耐えられるかチェックだ」
「「「おー!」」」
ゴガ ガギッ ボゴッ
やりたい放題だな。くそが。
「あー、これじゃあ使い物になんねえな」
「やっぱ、前線を知らないガキに作れっこないっしょ」
「まあ、やり直しだな」
お前らの指示通り作っただけだよ……
くそっ、装甲車でも作ったろうか。
というわけで。御者席までを装甲で覆った装甲馬車が完成した。
窓は小さく少ない。タイヤは太くしてボディーの内側に収納して6輪ある。
「10人しか乗れないではないか!こんなもの実用性に乏しい」とかいう意見もあったが、黒で塗装した装甲に魅了された者も多く、採用となった。
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こんなもの、趣味の世界でしかない。
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