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序章 転生
引っ越し
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「タウ。私の分は?」
「あう……」
「お父様とお母さまだけじゃ、私が可哀そうだと思わないこと」
「ソフィア、こういうのはペアと決まっているもんだ」
「いああかたえす」
「ごめんなさい。王女様のことを知りませんでしたので、失礼いたしました」
「こうど、まてて」
「ホントね。絶対よ。約束破ったら許さないんだから!」
「あうっ」
「わがままな娘ですまんな」
「いえ、タウにこんな普通に接してくれる方はおりませんでしたので、本人も嬉しいんだと思います」
「えーっ、だってドラゴンにやられて助かったんだから、勇者じゃないですか」
「うーひゃ……」
「まあ、年も近いんだ。時々は遊び相手になってやってくれ。
ああ、それからな、ワイルズ家用の屋敷があるから、そこに入ってくれ」
突然、貴族の仲間入りをして、引っ越しが決まった。
スキルも収納と物質制御と身体制御がLv.2にあがっていた。
収納は、20cmの立方体が収納できるようになった。
2倍ではない。容量的には8倍になる。
とは言っても、8リットルは大きい……、いやラノベを考えればまだまだ小さいが、それでも槍とか問題なく収納できる。
河原で鉱石を採取するときはありがたい。
王女の分の金を確保し、加工して化粧箱に入れておく。
それと同時に、サスペンションの構造を考える。
やっぱ、4輪独立式にして、車軸の接触部分にはベアリングが必要だよな……
重量を抑えるにはやっぱりジュラルミンがいいけど、合金の比率は4.5の1.5の0.6だったよな……
それで、銅とマグネシウムとマンガンの順だったよな。あれっ、マグネシウムとマンガンが逆だったか……
ボーキサイトって、鉄分も多いから、赤いと思ったんだけど、まあ、当たって砕けろだ。
幸い、材料はそろった。
比率を考えて合成し、パーツにしてから加熱処理をする。
コイルには玉鋼を使い、ジュラルミンの車輪には、木の皮を圧縮して貼り付けてみた。
ベアリング部分には獣脂をたっぷり塗ってある。
このベースに、アルミの上物を載せて応急馬車である。
家財の多くは人手を雇って別便で運んでもらっている。
「すごく静かで揺れないわね」
「ひゃりんひ、ひのはわおつかた」
「木の皮?」
「そ・お」
「あーあ、貴族なんか性に合わないんだけどな……」
「あひひょうぶ」
「タウも手伝ってよね」
「う・ん」
屋敷につくと、メイドさんが勢ぞろいしていた。
「ええっ!こんなに大勢……」
「お帰りなさいませ。執事のベッキーでございます」
「あ、スカーレットです。よく分からないものですから、よろしくお願いしますね」
「お任せください」
「タ・ウえす」
「タウ様ですね。よろしくお願いいたします。
さあ、お部屋の方へご案内させていただきます。
お荷物はメイドたちに運ばせますから……」
居間でくつろいでいるとメイドが慌てた様子で入ってきた。
「ベ、ベッキー様、馬車が……」
「どうしました?」
「すごく軽くて、静かなんですが……」
「ああ、それタウが作ったのよ」
「!そうですか。変わったものを見かけたら、総務局に報告するように言われておりますので、連絡させていただいても……」
「どうぞ、隠すようなものもありませんから。
あっ、私の下着は秘密にしておいてね」
「あう……」
「お父様とお母さまだけじゃ、私が可哀そうだと思わないこと」
「ソフィア、こういうのはペアと決まっているもんだ」
「いああかたえす」
「ごめんなさい。王女様のことを知りませんでしたので、失礼いたしました」
「こうど、まてて」
「ホントね。絶対よ。約束破ったら許さないんだから!」
「あうっ」
「わがままな娘ですまんな」
「いえ、タウにこんな普通に接してくれる方はおりませんでしたので、本人も嬉しいんだと思います」
「えーっ、だってドラゴンにやられて助かったんだから、勇者じゃないですか」
「うーひゃ……」
「まあ、年も近いんだ。時々は遊び相手になってやってくれ。
ああ、それからな、ワイルズ家用の屋敷があるから、そこに入ってくれ」
突然、貴族の仲間入りをして、引っ越しが決まった。
スキルも収納と物質制御と身体制御がLv.2にあがっていた。
収納は、20cmの立方体が収納できるようになった。
2倍ではない。容量的には8倍になる。
とは言っても、8リットルは大きい……、いやラノベを考えればまだまだ小さいが、それでも槍とか問題なく収納できる。
河原で鉱石を採取するときはありがたい。
王女の分の金を確保し、加工して化粧箱に入れておく。
それと同時に、サスペンションの構造を考える。
やっぱ、4輪独立式にして、車軸の接触部分にはベアリングが必要だよな……
重量を抑えるにはやっぱりジュラルミンがいいけど、合金の比率は4.5の1.5の0.6だったよな……
それで、銅とマグネシウムとマンガンの順だったよな。あれっ、マグネシウムとマンガンが逆だったか……
ボーキサイトって、鉄分も多いから、赤いと思ったんだけど、まあ、当たって砕けろだ。
幸い、材料はそろった。
比率を考えて合成し、パーツにしてから加熱処理をする。
コイルには玉鋼を使い、ジュラルミンの車輪には、木の皮を圧縮して貼り付けてみた。
ベアリング部分には獣脂をたっぷり塗ってある。
このベースに、アルミの上物を載せて応急馬車である。
家財の多くは人手を雇って別便で運んでもらっている。
「すごく静かで揺れないわね」
「ひゃりんひ、ひのはわおつかた」
「木の皮?」
「そ・お」
「あーあ、貴族なんか性に合わないんだけどな……」
「あひひょうぶ」
「タウも手伝ってよね」
「う・ん」
屋敷につくと、メイドさんが勢ぞろいしていた。
「ええっ!こんなに大勢……」
「お帰りなさいませ。執事のベッキーでございます」
「あ、スカーレットです。よく分からないものですから、よろしくお願いしますね」
「お任せください」
「タ・ウえす」
「タウ様ですね。よろしくお願いいたします。
さあ、お部屋の方へご案内させていただきます。
お荷物はメイドたちに運ばせますから……」
居間でくつろいでいるとメイドが慌てた様子で入ってきた。
「ベ、ベッキー様、馬車が……」
「どうしました?」
「すごく軽くて、静かなんですが……」
「ああ、それタウが作ったのよ」
「!そうですか。変わったものを見かけたら、総務局に報告するように言われておりますので、連絡させていただいても……」
「どうぞ、隠すようなものもありませんから。
あっ、私の下着は秘密にしておいてね」
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