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序章 転生
金細工
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俺はすっかり忘れていた。
あの巫女さんの言葉
-主に肉体の損傷が激しい場合が多いですが、奇跡的に命をつなぎ留めます。
この場合、肉体に入った時点でハンデを負いますから、代償として特殊能力を一つだけ得ることができます。
特殊能力の確認は『スキル』と念じてください。
『スキル!』
チャララーン♪
収納 :Lv.1
水制御 :Lv.2
熱制御 :Lv.1
物質制御 :Lv.1
身体制御 :Lv.1
おお、結構あるじゃん。
収納って……ああ、意識を集中すると内容が分かるんだ。
えっと、1000c㎥までの物体を収納できる。
品質の劣化はしない。
出す、入れるのワードを決めておくと便利。
1000c㎥ってことは10cmの立方体……、1リットル……
おい、1リットルの収納って、何に使うんだよ!
仕方ないので、筆入れにする。
墨ツボを持ち歩けるのは便利だ。
小刀も入る。
そういえば、生物不可とかないんだ。
普通のラノベとかだと制約がありそうなんだが……
まあ、1リットルで考えることじゃないよな。
魔法に関する記憶をたどってみた。
魔法には4つの属性があり、一般的に人は火・水・風・土のどれか一つの属性を宿している。
また、職業によってはこれらに属さない無属性の魔法を使うこともある。
うーん、元々使えるのは水だったみたいだけど、熱と火は別モンなんだろうか。
物質制御ってのは、多分定着と強化から来てるんだろうし、身体制御ってのは毎日の繰り返しから身についたんだと思う。
歩くときに、右ひざが曲がって何度も転んだからな…
そうするとだ、土を持ってきて、『水』と『混ぜて』、『乾燥』させて、ススとノリを混ぜたものを『定着』。
更に『強化』して『高温』で仕上げてやれば、あっという間に器ができる訳だな。
「かあはん」
「どうした」
「まほお、ちゅくた」
「おお、強化と定着が使えたから、土属性だったな。
だが、私が作ってもこんな仕上がりにはならないぞ」
「う・うん。『わら』」
ウオーターと言ったんだが……
チョロチョロ
「なに、水属性なのか!」
「そ・お」
カリカリ
「水属性と、土属性と収納だと?」
「う・ん『デオ』」
手に竹ペンを取り出す。
『スーオー』収納
「消えた。出し入れできる空間みたいなものか……」
「う・ん」
「聞いたことがないぞ。
どれくらい入るんだ?」
「こえくだひ」
両手をあわせて示す。
「あはは、あまり役にはたたんな。
きっと、神様が可哀そうに思って持たせてくれたんだろう。
よかったな」
「う・ん」
それからは魔法に明け暮れる毎日だった。
河原に行って岩から金属を『抽出』し、ペン先に『整形』する。
微量だが、川底の砂や岩から砂金も分離できた。
どうにか金で一本分のペン軸とペン先を作って母さんにプレゼントする。
整形の時に、羽を形作ってある。
「かあはん、こえ」
「な、なんだい。……まさか、金なのかい」
「かわ・で・あつめた」
「土魔法を極めていくと、金属の加工もできるとは聞いていたが、驚いたよ。
これほどのものを作るとはね。ああ、うれしいよ」
「うふ」
あの巫女さんの言葉
-主に肉体の損傷が激しい場合が多いですが、奇跡的に命をつなぎ留めます。
この場合、肉体に入った時点でハンデを負いますから、代償として特殊能力を一つだけ得ることができます。
特殊能力の確認は『スキル』と念じてください。
『スキル!』
チャララーン♪
収納 :Lv.1
水制御 :Lv.2
熱制御 :Lv.1
物質制御 :Lv.1
身体制御 :Lv.1
おお、結構あるじゃん。
収納って……ああ、意識を集中すると内容が分かるんだ。
えっと、1000c㎥までの物体を収納できる。
品質の劣化はしない。
出す、入れるのワードを決めておくと便利。
1000c㎥ってことは10cmの立方体……、1リットル……
おい、1リットルの収納って、何に使うんだよ!
仕方ないので、筆入れにする。
墨ツボを持ち歩けるのは便利だ。
小刀も入る。
そういえば、生物不可とかないんだ。
普通のラノベとかだと制約がありそうなんだが……
まあ、1リットルで考えることじゃないよな。
魔法に関する記憶をたどってみた。
魔法には4つの属性があり、一般的に人は火・水・風・土のどれか一つの属性を宿している。
また、職業によってはこれらに属さない無属性の魔法を使うこともある。
うーん、元々使えるのは水だったみたいだけど、熱と火は別モンなんだろうか。
物質制御ってのは、多分定着と強化から来てるんだろうし、身体制御ってのは毎日の繰り返しから身についたんだと思う。
歩くときに、右ひざが曲がって何度も転んだからな…
そうするとだ、土を持ってきて、『水』と『混ぜて』、『乾燥』させて、ススとノリを混ぜたものを『定着』。
更に『強化』して『高温』で仕上げてやれば、あっという間に器ができる訳だな。
「かあはん」
「どうした」
「まほお、ちゅくた」
「おお、強化と定着が使えたから、土属性だったな。
だが、私が作ってもこんな仕上がりにはならないぞ」
「う・うん。『わら』」
ウオーターと言ったんだが……
チョロチョロ
「なに、水属性なのか!」
「そ・お」
カリカリ
「水属性と、土属性と収納だと?」
「う・ん『デオ』」
手に竹ペンを取り出す。
『スーオー』収納
「消えた。出し入れできる空間みたいなものか……」
「う・ん」
「聞いたことがないぞ。
どれくらい入るんだ?」
「こえくだひ」
両手をあわせて示す。
「あはは、あまり役にはたたんな。
きっと、神様が可哀そうに思って持たせてくれたんだろう。
よかったな」
「う・ん」
それからは魔法に明け暮れる毎日だった。
河原に行って岩から金属を『抽出』し、ペン先に『整形』する。
微量だが、川底の砂や岩から砂金も分離できた。
どうにか金で一本分のペン軸とペン先を作って母さんにプレゼントする。
整形の時に、羽を形作ってある。
「かあはん、こえ」
「な、なんだい。……まさか、金なのかい」
「かわ・で・あつめた」
「土魔法を極めていくと、金属の加工もできるとは聞いていたが、驚いたよ。
これほどのものを作るとはね。ああ、うれしいよ」
「うふ」
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