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第四章
第49話 もし、この子たちがいいつけを守らなかったら、責任は私がとります。
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サヤカはフィアに掴まって沖に出ていく。
俺はフライトで上空から撮影を続けた。
途中でヌルが合流し、海の中からサヤカを頭に乗せて泳いでいく。
「えっと、この子がヌルです。ヌルは、アンジーがどこかで見つけてきた子で、食事の半分は植物系のものを食べています。」
体の下にあるヌルに顔を近づけていく。
「実は、ヌルって、ほかの子とは匂いが違うんです。」
えっ、そうなの?
「アンジーとネロとヨーゼフはアラビア海生まれで、ドライとフィアは太平洋生まれ。イワンにはまだ会っていませんが、ベーリング海かオホーツク海ですね。」
うん。
「ヌルは多分太平洋の生まれだと思うんですが、植物系の食事が多い。みんな同じに見えて、実は色々な違いがあるんですよね。」
確かにそうだ。
「中には人を食べて駆逐されて……いえ、他人事ではなく、私がこの手で駆逐した子もいるんです。」
サヤカは目を閉じて続けた。
「あの頃は、それしか選択肢がありませんでした。人間の武器がまったく効かない、無敵の肉食獣。それが当時の白ゴジです。」
サヤカの目には涙が浮かんでいる。
「そんな中で、白ゴジに立ち向かって、初めて白ゴジを退治した魔法士がいました。私の夫であるシンドウ・ジンです。」
何を言い出すのか、カメラを持つ手に力が入る。
「ジン君に見守られながら、私も白ゴジの討伐を行いました。あの時の恐怖感は今も夢に出てきます。」
キュイーンとヌルが鳴き声をあげた。
「何度でも言います。ホントにそれしか選択肢がなかったんです。でも、今は違います。こうやって心を通わせて一緒に過ごすことができます。」
ここでサヤカは表情を一変させた。
「もし、この子たちがいいつけを守らなかったら……。私が責任を……とります。」
背筋の凍りそうな雰囲気というのを感じたことがあるだろうか。
ヌルもそれを感じたのか、ブルっとふるえた。
「ですが、人間の悪意が、この子たちを追い込んでしまう事だってあります。」
一転して、慈愛に溢れた表情を浮かべるサヤカ。
「そうなったら、私は全力でこの子たちを守ります。たとえ、全世界を敵に回すことになっても。」
ああ、サヤカにはそれだけの覚悟があったのか。
思い知らされた気分だった。
サヤカの向けてくる笑顔は、”あなたにも、それだけの覚悟がありますよね”という問いかけだった。
俺はサヤカの目を見てうなづいた。
実際に、俺たちには世界を相手に戦えるだけの力もある。
シベリアの軍事システムは95%掌握できているし、大和も同様だ。
今は、シン国とアメリアの掌握にかかっている。
そして、EUと中東も足がかりは掴んである。
年内には、全世界を掌握できるだろう。
サヤカ達はクルーズ船に愛想をふりまきながら並走していく。
最近はイルカたちも慣れてきたようで、一緒に泳ぐことも多いし、クジラが混ざることもある。
そして、海軍の巡視艇に同行して大和沿岸のパトロールに出かけることも多くなってきた。
特にホオジロザメの駆除が目的で、巡視艇の冷蔵庫には豚が積んであるため、1週間の定期巡回にも出かけるようになってきた。
「隊長、南サハリンから応援の要請が入ってます。」
「何かあった?」
「イワンとシャチの群れが険悪な雰囲気だそうです。」
「シャチの群れか。こっちじゃあまり見ないけど、面白そうだね。」
「私も行きたい。」
「じゃあ、3人で行ってみようか。」
「シャチって、人間を襲わないって聞いたけどホントなの?」
「この間来た獣医の吉塚先生に聞いたんだけど、シャチは狩りの対象と方法を母親が教えるんだって。」
「チーターなんかもそうだって聞いたことがあるわ。」
「だから、母親の教えに入っていない人間は、狩りの対象じゃないんだってさ。」
「そういえば、今年はキングクラブが大量発生して、漁師が困っているらしいよ。」
「キングクラブって、カニの王様って言われている、あれよね。」
「ああ。足1本が3mってとんでもないサイズのあれだよ。」
「それって、勝手に捕ってもいいのかしら。」
「好きなだけ捕ってかまわないそうだ。」
「好きなだけって……、基地のみんなと竜宮、それと実家と……。」
「実家に1匹は多いんじゃないか?」
「岩国基地の分を含めて2匹でしょ……。」
「足を広げると8mだぞ。どうやって持って帰るんだ。」
「冷凍にして、レビテーションで浮かせて私が押すわ!」
「まあ、可能ではあるな。」
「この子がイワン……。」
「ああ。イワンも可愛いだろ。」
「うん。」
「沖にシャチの群れが来ているみたいだな、行ってみよう。」
俺たちはシャチの群れに近づいて話しかけてみた。
「イワンには勝てないって理解してる。」
「じゃあ、何でイワンにちょっかいを出してるんだ?」
「イワンの食べてるお肉が欲しいみたいだよ。」
「豚かよ……。」
「美味しそうな匂いがするって言ってる。」
「待てよ……こいつらはキングクラブに勝てるのか?」
「……、勝てないことはないけど、鋭い足で刺されると大けがしちゃうんだって。」
「……そうだよな。リスクが大きすぎるか……、待てよ……、こいつらに、シールドの魔道具を使わせれば……。」
俺は支援チームに指示を出して、シールドの魔道具を防水に加工してもらった。
スイッチも大きくして、持続効果も5時間にする。
それをサハリンスクの南にある漁港に設置した。
ハイジに効果と使い方を説明してもらい、キングクラブを捕ってきたら豚1匹を食わせてやると約束した。
手付金として、12匹全員に60度に過熱した豚を食わせてやった。
全員がジャンプして喜ぶさまは壮観だった。
受け入れ施設には、夜中でも対応できるようにすると、その夜から早速カニが届いた。
シャチ達には、網を壊さないように注意するのと、困ったことがあれば人間を頼るように教えておいた。
俺たちはキングクラブ10匹を海水で茹で上げ、そのまま冷凍して竜宮に持ち帰った。
琉球の各基地に1匹づつ届け、竜宮でも1匹。
サヤカは、宣言していたように、岩国へ1匹持って行った。
そして、たまたま琉球本島の基地に来ていた広報部のスタッフにも2匹持ち帰らせた。
1匹は防衛大臣に渡してもらう。
大臣には、”閣僚の皆さんでどうぞ”とメッセージを入れてある。
なにしろ、このころのキングクラブは、足1本20万円と言われており、マグロ並みの高級品だった。
こうして、南サハリンのシャチによるキングクラブ漁は産業として定着していった。
シャチはどんどん増えていく。
エサは与えてあるため、漁場は荒らさないし、漁師にとって問題はない。
シャチの数は20匹から30匹・40匹と、10匹単位……、つまり群れ単位で増えていくのだ。
シャチに襲われなくなったことで、クジラの数も増えていくし、大型の魚も同様だった。
シャチやクジラが増えれば、観光客も増える。
南サハリンは、白ゴジとシャチとクジラの町としてどんどん繁栄していった。
最初はイワンだけだった白ゴジも、ベーリング海や北極海に出現した個体も南サハリンに誘導してある。
面白かったのはマスコミの報道だ。
”北極海で海ゴジラと呼ばれていた白ゴジはオホーツクに引っ越しをした”とか、”ヒトガタの正体は、雪に覆われた白ゴジだと判明”など、UMA解明!とか、いい加減な記事が増えてきた。
【あとがき】
南と北で展開する海の帝国。
俺はフライトで上空から撮影を続けた。
途中でヌルが合流し、海の中からサヤカを頭に乗せて泳いでいく。
「えっと、この子がヌルです。ヌルは、アンジーがどこかで見つけてきた子で、食事の半分は植物系のものを食べています。」
体の下にあるヌルに顔を近づけていく。
「実は、ヌルって、ほかの子とは匂いが違うんです。」
えっ、そうなの?
「アンジーとネロとヨーゼフはアラビア海生まれで、ドライとフィアは太平洋生まれ。イワンにはまだ会っていませんが、ベーリング海かオホーツク海ですね。」
うん。
「ヌルは多分太平洋の生まれだと思うんですが、植物系の食事が多い。みんな同じに見えて、実は色々な違いがあるんですよね。」
確かにそうだ。
「中には人を食べて駆逐されて……いえ、他人事ではなく、私がこの手で駆逐した子もいるんです。」
サヤカは目を閉じて続けた。
「あの頃は、それしか選択肢がありませんでした。人間の武器がまったく効かない、無敵の肉食獣。それが当時の白ゴジです。」
サヤカの目には涙が浮かんでいる。
「そんな中で、白ゴジに立ち向かって、初めて白ゴジを退治した魔法士がいました。私の夫であるシンドウ・ジンです。」
何を言い出すのか、カメラを持つ手に力が入る。
「ジン君に見守られながら、私も白ゴジの討伐を行いました。あの時の恐怖感は今も夢に出てきます。」
キュイーンとヌルが鳴き声をあげた。
「何度でも言います。ホントにそれしか選択肢がなかったんです。でも、今は違います。こうやって心を通わせて一緒に過ごすことができます。」
ここでサヤカは表情を一変させた。
「もし、この子たちがいいつけを守らなかったら……。私が責任を……とります。」
背筋の凍りそうな雰囲気というのを感じたことがあるだろうか。
ヌルもそれを感じたのか、ブルっとふるえた。
「ですが、人間の悪意が、この子たちを追い込んでしまう事だってあります。」
一転して、慈愛に溢れた表情を浮かべるサヤカ。
「そうなったら、私は全力でこの子たちを守ります。たとえ、全世界を敵に回すことになっても。」
ああ、サヤカにはそれだけの覚悟があったのか。
思い知らされた気分だった。
サヤカの向けてくる笑顔は、”あなたにも、それだけの覚悟がありますよね”という問いかけだった。
俺はサヤカの目を見てうなづいた。
実際に、俺たちには世界を相手に戦えるだけの力もある。
シベリアの軍事システムは95%掌握できているし、大和も同様だ。
今は、シン国とアメリアの掌握にかかっている。
そして、EUと中東も足がかりは掴んである。
年内には、全世界を掌握できるだろう。
サヤカ達はクルーズ船に愛想をふりまきながら並走していく。
最近はイルカたちも慣れてきたようで、一緒に泳ぐことも多いし、クジラが混ざることもある。
そして、海軍の巡視艇に同行して大和沿岸のパトロールに出かけることも多くなってきた。
特にホオジロザメの駆除が目的で、巡視艇の冷蔵庫には豚が積んであるため、1週間の定期巡回にも出かけるようになってきた。
「隊長、南サハリンから応援の要請が入ってます。」
「何かあった?」
「イワンとシャチの群れが険悪な雰囲気だそうです。」
「シャチの群れか。こっちじゃあまり見ないけど、面白そうだね。」
「私も行きたい。」
「じゃあ、3人で行ってみようか。」
「シャチって、人間を襲わないって聞いたけどホントなの?」
「この間来た獣医の吉塚先生に聞いたんだけど、シャチは狩りの対象と方法を母親が教えるんだって。」
「チーターなんかもそうだって聞いたことがあるわ。」
「だから、母親の教えに入っていない人間は、狩りの対象じゃないんだってさ。」
「そういえば、今年はキングクラブが大量発生して、漁師が困っているらしいよ。」
「キングクラブって、カニの王様って言われている、あれよね。」
「ああ。足1本が3mってとんでもないサイズのあれだよ。」
「それって、勝手に捕ってもいいのかしら。」
「好きなだけ捕ってかまわないそうだ。」
「好きなだけって……、基地のみんなと竜宮、それと実家と……。」
「実家に1匹は多いんじゃないか?」
「岩国基地の分を含めて2匹でしょ……。」
「足を広げると8mだぞ。どうやって持って帰るんだ。」
「冷凍にして、レビテーションで浮かせて私が押すわ!」
「まあ、可能ではあるな。」
「この子がイワン……。」
「ああ。イワンも可愛いだろ。」
「うん。」
「沖にシャチの群れが来ているみたいだな、行ってみよう。」
俺たちはシャチの群れに近づいて話しかけてみた。
「イワンには勝てないって理解してる。」
「じゃあ、何でイワンにちょっかいを出してるんだ?」
「イワンの食べてるお肉が欲しいみたいだよ。」
「豚かよ……。」
「美味しそうな匂いがするって言ってる。」
「待てよ……こいつらはキングクラブに勝てるのか?」
「……、勝てないことはないけど、鋭い足で刺されると大けがしちゃうんだって。」
「……そうだよな。リスクが大きすぎるか……、待てよ……、こいつらに、シールドの魔道具を使わせれば……。」
俺は支援チームに指示を出して、シールドの魔道具を防水に加工してもらった。
スイッチも大きくして、持続効果も5時間にする。
それをサハリンスクの南にある漁港に設置した。
ハイジに効果と使い方を説明してもらい、キングクラブを捕ってきたら豚1匹を食わせてやると約束した。
手付金として、12匹全員に60度に過熱した豚を食わせてやった。
全員がジャンプして喜ぶさまは壮観だった。
受け入れ施設には、夜中でも対応できるようにすると、その夜から早速カニが届いた。
シャチ達には、網を壊さないように注意するのと、困ったことがあれば人間を頼るように教えておいた。
俺たちはキングクラブ10匹を海水で茹で上げ、そのまま冷凍して竜宮に持ち帰った。
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サヤカは、宣言していたように、岩国へ1匹持って行った。
そして、たまたま琉球本島の基地に来ていた広報部のスタッフにも2匹持ち帰らせた。
1匹は防衛大臣に渡してもらう。
大臣には、”閣僚の皆さんでどうぞ”とメッセージを入れてある。
なにしろ、このころのキングクラブは、足1本20万円と言われており、マグロ並みの高級品だった。
こうして、南サハリンのシャチによるキングクラブ漁は産業として定着していった。
シャチはどんどん増えていく。
エサは与えてあるため、漁場は荒らさないし、漁師にとって問題はない。
シャチの数は20匹から30匹・40匹と、10匹単位……、つまり群れ単位で増えていくのだ。
シャチに襲われなくなったことで、クジラの数も増えていくし、大型の魚も同様だった。
シャチやクジラが増えれば、観光客も増える。
南サハリンは、白ゴジとシャチとクジラの町としてどんどん繁栄していった。
最初はイワンだけだった白ゴジも、ベーリング海や北極海に出現した個体も南サハリンに誘導してある。
面白かったのはマスコミの報道だ。
”北極海で海ゴジラと呼ばれていた白ゴジはオホーツクに引っ越しをした”とか、”ヒトガタの正体は、雪に覆われた白ゴジだと判明”など、UMA解明!とか、いい加減な記事が増えてきた。
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