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第二章 新しい町
謁見
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「な、なんだこれは!」
「床や壁が新築同然になり、家具も新品に……」
「か、課長、大変です!」
「どうした?」
「執務室が……キラキラしてます」
「なに?ちょっと失礼します」
うわ!ここもか!
「局長、執務室全体がここと同じになりました!」
「想像以上だな。
城全体で80室ある。いくらで請け負う」
「その前に、年末の大掃除の予算枠はどれくらいで?」
「金貨300枚だ」
「でしたら、外側込みで金貨500枚」
「変更は受けんぞ」
「よし、陛下に直訴する。
謁見の間で実演してくれ」
「結構です」
「あの、アキラさん、陛下って王様……」
「そうよ」
「粗相があると牢屋へ……」
「ないわよ!」
謁見の間かよ、小学校の体育館半分って感じか。
天井は高いし、カーペットの下がどうなるかは未知数だな。
「どうした総務局長。急に大掃除を前倒ししたいなどと。
それに、兵士長、訓練の途中なんだろうが、もう少し汚れを落として来いよ」
「申し訳ございません。緊急招集と聞き、直接まいりました」
「今、市中で噂になっている、アミノクリーンという商業ギルドの新サービスがございます。
これが、優れたものでありましたので、率先して城へも導入したく存じます」
「その程度のこと、お前の判断でやればいいだろう」
「それ以外にも、食事・下着・菓子など革命的な改革が起きつつあり、その中心にこの商業ギルド職員が絡んでおりますので、お見知りおきいただきたく呼んでおきました」
ザワザワ あれか? あの娘が?
「お待ちください」
「おお、ジェシカか、どうした」
「新サービスとは、アミノクリーン。夕海亭をきれいにしたもの。食事とはそこで昨日から提供になったサラダ類。
手のものを向かわせましたが入手できませんでしたわ。
その髪型も話題になっていて、ほかにも下着?菓子?聞いていませんわよ、そのような事」
「おそらく、数日のうちに話題になるかと存じます」
「というわけで、私も非常に興味がありますから、同席させていただきます」
「まあいい、好きにしろ」
「では、こちらが商業ギルドのアキラ副ギルド長とアミ嬢でございます」
「うむ、顔を見せてくれ」
「商業ギルドのアキラでございます」
「アミでござ……あっ」
「申し訳ございません。このような場所は初めてで失礼を」
「すみません、かかとの高いサンダルなんて、履いたことないものですから……」
クスクス
「よいよい。
で、目が不自由なのか?」
「はい、目は見えていませんが、最近になって魔法を覚えましたので、周りのことは分かります」
「わかった。続けてくれ」
「では、この謁見の間をきれいにしたいと思います。
ただ、絨毯の裏側がどうなるか……未知数です。
アミ、王様の前だからって緊張しなくていいわ。普段通りやってみて」
「はい、『クリーン!』」
キラキラキラーン☆彡♪
「まて、何だこれは……」
「あ、明るくなったのか?」
「壁や床が反射してるから実際に明るくなってるんだ」
「兵士長!洗濯の手間が省けたではないか。
それに、絵画のクスミも消えて、書き上げたばかりのようだ……」
「ちょっと待ってください。ティアラや宝石類が輝いています……。
お父様、彼女を私の側近にしてください。
きっと民の幸福につながるような事業を起こして見せます」
「お待ちください、ジェシカ様。
彼女はおそらくギルドにあってこそ、自由に動けます。
うちのスタッフに引き抜きたいのは本音ですが、それではおそらく自由な発想ができないでしょう」
「では、最小限の希望です。私の相談役として週一回登城させてください」
「副ギルド長、どうだ週一回、城の相談役としてアミ嬢を派遣してくれぬか」
「国王陛下のご要望とあれば否はございません」
「やった!」
「おまえのではないぞ、城の相談役だ」
「結構ですわ。彼女とのパイプができたんですから文句はありません。
それで、下着とか菓子とはどのようなものなのでしょう」
「菓子は甘いクリームを使ったもので、舌の上でとろけるような感じです。
下着は、胸帯を発展させたものでして、この場ではちょっと…」
「いいわ、次回登城の際には、サンプルを拝見できると嬉しいです」
「承知いたしました。
失礼ですが、別室をお借りして王女様のサイズを確認させて頂きたいのですが」
「ア、アミ、何を言い出すの!」
「縫製組合で、実際に試作品を作らせます。
アキラさんも一緒に測りましょうよ」
「いいわ、こっちへ来て頂戴」
「で、では、局長、後程事務室の方へ」
「わかりました。お待ちしてます」
「このコルセットが苦しいのよね」
グッ
「この乳の下と胸の高さが重要になります」
「乳を包みような縫製がキモね。
確かに、胸のラインがきれいに見えるわね。
コルセットなしでもメリハリがつくから、あとは体のラインを生かした服を作ればいいわね」
「それと、胸元を強調するような、控えめな細い鎖のネックレスを考案中です。
ワンポイントで小さめの宝石をつけて」
「ジャラジャラしたネックレスは不要って事ね。
大賛成だわ。
ほら、副ギルド長も早く脱いで」
「いえ、私は年ですし……」
「ふうん、部下の発案に賛成できないんだ……」
「いえ、脱ぎますよ……」
「床や壁が新築同然になり、家具も新品に……」
「か、課長、大変です!」
「どうした?」
「執務室が……キラキラしてます」
「なに?ちょっと失礼します」
うわ!ここもか!
「局長、執務室全体がここと同じになりました!」
「想像以上だな。
城全体で80室ある。いくらで請け負う」
「その前に、年末の大掃除の予算枠はどれくらいで?」
「金貨300枚だ」
「でしたら、外側込みで金貨500枚」
「変更は受けんぞ」
「よし、陛下に直訴する。
謁見の間で実演してくれ」
「結構です」
「あの、アキラさん、陛下って王様……」
「そうよ」
「粗相があると牢屋へ……」
「ないわよ!」
謁見の間かよ、小学校の体育館半分って感じか。
天井は高いし、カーペットの下がどうなるかは未知数だな。
「どうした総務局長。急に大掃除を前倒ししたいなどと。
それに、兵士長、訓練の途中なんだろうが、もう少し汚れを落として来いよ」
「申し訳ございません。緊急招集と聞き、直接まいりました」
「今、市中で噂になっている、アミノクリーンという商業ギルドの新サービスがございます。
これが、優れたものでありましたので、率先して城へも導入したく存じます」
「その程度のこと、お前の判断でやればいいだろう」
「それ以外にも、食事・下着・菓子など革命的な改革が起きつつあり、その中心にこの商業ギルド職員が絡んでおりますので、お見知りおきいただきたく呼んでおきました」
ザワザワ あれか? あの娘が?
「お待ちください」
「おお、ジェシカか、どうした」
「新サービスとは、アミノクリーン。夕海亭をきれいにしたもの。食事とはそこで昨日から提供になったサラダ類。
手のものを向かわせましたが入手できませんでしたわ。
その髪型も話題になっていて、ほかにも下着?菓子?聞いていませんわよ、そのような事」
「おそらく、数日のうちに話題になるかと存じます」
「というわけで、私も非常に興味がありますから、同席させていただきます」
「まあいい、好きにしろ」
「では、こちらが商業ギルドのアキラ副ギルド長とアミ嬢でございます」
「うむ、顔を見せてくれ」
「商業ギルドのアキラでございます」
「アミでござ……あっ」
「申し訳ございません。このような場所は初めてで失礼を」
「すみません、かかとの高いサンダルなんて、履いたことないものですから……」
クスクス
「よいよい。
で、目が不自由なのか?」
「はい、目は見えていませんが、最近になって魔法を覚えましたので、周りのことは分かります」
「わかった。続けてくれ」
「では、この謁見の間をきれいにしたいと思います。
ただ、絨毯の裏側がどうなるか……未知数です。
アミ、王様の前だからって緊張しなくていいわ。普段通りやってみて」
「はい、『クリーン!』」
キラキラキラーン☆彡♪
「まて、何だこれは……」
「あ、明るくなったのか?」
「壁や床が反射してるから実際に明るくなってるんだ」
「兵士長!洗濯の手間が省けたではないか。
それに、絵画のクスミも消えて、書き上げたばかりのようだ……」
「ちょっと待ってください。ティアラや宝石類が輝いています……。
お父様、彼女を私の側近にしてください。
きっと民の幸福につながるような事業を起こして見せます」
「お待ちください、ジェシカ様。
彼女はおそらくギルドにあってこそ、自由に動けます。
うちのスタッフに引き抜きたいのは本音ですが、それではおそらく自由な発想ができないでしょう」
「では、最小限の希望です。私の相談役として週一回登城させてください」
「副ギルド長、どうだ週一回、城の相談役としてアミ嬢を派遣してくれぬか」
「国王陛下のご要望とあれば否はございません」
「やった!」
「おまえのではないぞ、城の相談役だ」
「結構ですわ。彼女とのパイプができたんですから文句はありません。
それで、下着とか菓子とはどのようなものなのでしょう」
「菓子は甘いクリームを使ったもので、舌の上でとろけるような感じです。
下着は、胸帯を発展させたものでして、この場ではちょっと…」
「いいわ、次回登城の際には、サンプルを拝見できると嬉しいです」
「承知いたしました。
失礼ですが、別室をお借りして王女様のサイズを確認させて頂きたいのですが」
「ア、アミ、何を言い出すの!」
「縫製組合で、実際に試作品を作らせます。
アキラさんも一緒に測りましょうよ」
「いいわ、こっちへ来て頂戴」
「で、では、局長、後程事務室の方へ」
「わかりました。お待ちしてます」
「このコルセットが苦しいのよね」
グッ
「この乳の下と胸の高さが重要になります」
「乳を包みような縫製がキモね。
確かに、胸のラインがきれいに見えるわね。
コルセットなしでもメリハリがつくから、あとは体のラインを生かした服を作ればいいわね」
「それと、胸元を強調するような、控えめな細い鎖のネックレスを考案中です。
ワンポイントで小さめの宝石をつけて」
「ジャラジャラしたネックレスは不要って事ね。
大賛成だわ。
ほら、副ギルド長も早く脱いで」
「いえ、私は年ですし……」
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