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第二章 新しい町

アミの変身

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「その髪型と髪色なら、薄めのブラウスがいいわね。
白と淡いピンク、肌が白いから黒のノースリーブも似合いそう。
スカートもタイトな黒と茶、ミニもいいわね……、あらその胸帯……変わってるわね」

「ええ、とっても楽なので作ってみたんです」

「えっ、自分で作ったの。胸のラインが強調されて女性らしい感じが出てるわ。
肩ひもで、下がらないようにできてるの……背中の部分と肩ひもを調整できるようにすれば……!
ねえ、うちで作らせて、絶対に流行るわ!」


靴屋さんにも行きます。

「ほう、白のブラウスに茶のタイトスカート。
これなら、白と茶の編み上げのサンダルだな。
かかとが少し高いものがいいだろう。
革製も素材の色が生きるし、気分で使い分ければいいさ」



『アミ、ちょっと雑貨屋に寄ってくれ。
買いたいものがある』

『えっ、お酢と卵と植物油?
そんなもの買ってどうするの?』

『野菜を食べるときのソースを作るんだ。
異世界物の定番だよ。
まあ、胸を堪能したご褒美だな』

『胸は意外と楽だからいいけど……』



「いらっしゃい。あらアミちゃん、食事?」

「いえ、野菜用のソースを作ってもらいたくて」

「いいわよ、どんなの」

「マヨソースっていうんですけど、私も聞いただけで……」

「材料は?」

「卵の黄身、お酢、植物油、お塩とマスタード少々です。
材料は一通り買ってきました」

「あら、ぜんぶあるのに。
どうやって作ればいいの?」

「まず、油以外をよく混ぜます」

「水魔法があるから簡単よ。
……次は?」

「かき混ぜながら植物油を少しずつ混ざて行きます」

「ふんふん、こんな感じかな……
すこし白っぽくなってドロッとしてきたわね」

「あっ、それで完成です。
キュウリやニンジンをスティック状にして、それをつけて食べます」

「どれどれ……、シャクッ……!
なにこれ!」

「なんだ?」

「こ、これ食べてみてよ」

「キュウリか、シャクッ!……なんじゃこりゃ!」

「マヨソースです。私もシャクッ……、美味しい!」

「だ、だれが考えたんだ」

「もう、死んじゃった人に教えてもらったんです」

「うちで使わせてもらっていいか?」

「いいですよ」

「ねえ、ほかにはないの?」

「マヨソースがあれば、ゴマのドレッシングが作れます」

「材料は?」

「マヨソースとすりごま、ゴマ油、漁醤、お酢と砂糖を混ぜるだけです」

「ちょ、ちょっと作ってみる」

ゴリゴリゴリ
シャカシャカシャカ

「ウミャー!
おい、これをつけて食ってみろ」

「あっ、これもいける」

「豚肉を薄切りにして、お湯にくぐらせてから冷やして、野菜と一緒につけて食べると美味しいそうです」

「ちょっと待ってろ、作ってみる」

「あっ、私氷魔法使えますから、冷やします」

ダダダッ

「できたぞ」

「じゃあ、かけるわね」

トロッ

「し、試食だ……、おお、いけるぞこれも」

「これも出して平気?」

「もちろんです」

「この二つは、野菜だけでなく肉にも合う。
この街の胃袋をつかんでやるぞ!」
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