8 / 26
第二章 新しい町
クリーンの魔法と収納
しおりを挟む
急いで家に帰って、荷物をまとめます。
明日の朝出発する定期馬車を予約し、食料を買い込みます。
荷物は、収納に入れられるので楽ちんです。
「お姉ちゃん、ホントに王都に行くの?」
「そうよ、商業ギルドで働けることになったの」
正面に座ったおじさんが話しかけてきました。
上品そうな身なりですが、目は笑っていません。
「ほう、失礼な言い方ですが、目がお悪いようですが、よく商業ギルドで雇ってもらえましたね」
「ええ、魔法である程度は分かるようになりましたので」
「引っ越しにしては、荷物がないようですが、別便で送られたのかな?」
「……、向こうで全部揃えますから、処分してきました」
「いやあ、私も王都で商いをしておりますので、これからお世話になりそうだ。よろしくお願いしますよ」
「そうだったんですか。こちらこそよろしくお願いいたします」
「すっげー、人がいっぱいいる!」
「お兄ちゃん、恥ずかしいから大声出さないで……」
「そうよ、アキトもアリアも、これからはここに住むんだからね。
さあ、家にいくわよ」
最初に商業ギルドによります。
「アキラさん、弟と妹を連れてきました。
今日から住みますので、よろしくお願いします」
「あら、来たのね。
じゃあ、出勤までに字の特訓よ。頑張って……
でも、荷物は?」
「あの、……内緒にしてくださいね」
「何を?」
「実は、収納があるんです」
「収納?」
「はい。この道具袋が特殊な袋で、なんでも入っちゃうんです」
「えっ?それ……」
「はい」
「ちょっと待って、これから部屋に行くのよね」
「はい」
「どんな感じなのか、見せてもらっていいかな」
『信頼できそうな人間には、知っておいてもらったほうがいいだろう』
「はい、大丈夫です」
部屋のカギを開けて中に入ります。
「ちょっと待ってくださいね『クリーン!』」
キラキラキラーン☆彡♪
「えっ?」
「これくらいの広さなら私でもできますから」
「えっ、き、きれいになってる」
「隣の部屋もやっちゃいますから」
「ま、待って……、クリーンって、自分の体とか、着ている服には使うけど、普通は部屋をきれいにするなんて……聞いたことないわ……」
「えっ、そうなんですか?」
『俺は知らないぞ……』
「でも、姉ちゃんは毎日やってた」
「わかった。所長に相談してみるけど、この魔法だけで本採用の価値はありそうね。
汚れがひどくてもできる?」
「今までは、見えていなかったんです。
だから、やってみないと……」
「わかった。で、収納って……」
「じゃあ、テーブルから出します」
ドン
「エッ?
えっ、なんで……、どこから……」
「ボロで恥ずかしいんですけど、衣類です」
ドサッ
「食器です」
ガチャッ ガチャッ ガチャッ ガチャッ
「パンです」
カサッ
「ミルクです」
ドン
「こ、これって、どれくらい入るの?」
『まだ、限界まで試したことはないが、この3倍くらいかな』
「試してないんですけど、この3倍くらいは……」
「重たくならないの?」
「普通に持てますから……」
「その袋があれば、馬車なんて要らないじゃない。
とんでもない重量物だって運べるわ」
「公になっちゃうと、トラブルの元ですから、内緒でお願いします」
「そうね。でも所長には言っておいた方がいいわね。
秘密にするから、ギルドが困ったときには力を貸してくれると助かる」
「じゃあ、二人で秘密にしてくださいね」
「いったい、どうしたってんだよ。
こんな空き部屋に連れてきて」
「ええ、一週間ぶりですから、多少ホコリとか蜘蛛の巣とか虫の死骸とかありますよね。
見えますよね、所長」
「ああ、何がいいたい。これを掃除するんだから人を増やせとかいうつもりか」
「アミ、全部屋を一気にできる?」
「やってみます『クリーン!』」
キラキラキラーン☆彡♪
「なにっ!どういう事だ!」
「今までは、世間の標準的なクリーンを知らないでいたらしいんですが、掃除専門の仕事としても食べていけるんじゃないでしょうか」
「どれくらいの汚れまで対応できる?馬車とか立体的なものでもできるのか?」
「それは、これから検証ですね。
本採用でいいですよね」
「当たり前だろうが!他所にとられる前に確保だ。
今のところ、給料は金貨5枚だ。汚れの程度や状況で増額する」
明日の朝出発する定期馬車を予約し、食料を買い込みます。
荷物は、収納に入れられるので楽ちんです。
「お姉ちゃん、ホントに王都に行くの?」
「そうよ、商業ギルドで働けることになったの」
正面に座ったおじさんが話しかけてきました。
上品そうな身なりですが、目は笑っていません。
「ほう、失礼な言い方ですが、目がお悪いようですが、よく商業ギルドで雇ってもらえましたね」
「ええ、魔法である程度は分かるようになりましたので」
「引っ越しにしては、荷物がないようですが、別便で送られたのかな?」
「……、向こうで全部揃えますから、処分してきました」
「いやあ、私も王都で商いをしておりますので、これからお世話になりそうだ。よろしくお願いしますよ」
「そうだったんですか。こちらこそよろしくお願いいたします」
「すっげー、人がいっぱいいる!」
「お兄ちゃん、恥ずかしいから大声出さないで……」
「そうよ、アキトもアリアも、これからはここに住むんだからね。
さあ、家にいくわよ」
最初に商業ギルドによります。
「アキラさん、弟と妹を連れてきました。
今日から住みますので、よろしくお願いします」
「あら、来たのね。
じゃあ、出勤までに字の特訓よ。頑張って……
でも、荷物は?」
「あの、……内緒にしてくださいね」
「何を?」
「実は、収納があるんです」
「収納?」
「はい。この道具袋が特殊な袋で、なんでも入っちゃうんです」
「えっ?それ……」
「はい」
「ちょっと待って、これから部屋に行くのよね」
「はい」
「どんな感じなのか、見せてもらっていいかな」
『信頼できそうな人間には、知っておいてもらったほうがいいだろう』
「はい、大丈夫です」
部屋のカギを開けて中に入ります。
「ちょっと待ってくださいね『クリーン!』」
キラキラキラーン☆彡♪
「えっ?」
「これくらいの広さなら私でもできますから」
「えっ、き、きれいになってる」
「隣の部屋もやっちゃいますから」
「ま、待って……、クリーンって、自分の体とか、着ている服には使うけど、普通は部屋をきれいにするなんて……聞いたことないわ……」
「えっ、そうなんですか?」
『俺は知らないぞ……』
「でも、姉ちゃんは毎日やってた」
「わかった。所長に相談してみるけど、この魔法だけで本採用の価値はありそうね。
汚れがひどくてもできる?」
「今までは、見えていなかったんです。
だから、やってみないと……」
「わかった。で、収納って……」
「じゃあ、テーブルから出します」
ドン
「エッ?
えっ、なんで……、どこから……」
「ボロで恥ずかしいんですけど、衣類です」
ドサッ
「食器です」
ガチャッ ガチャッ ガチャッ ガチャッ
「パンです」
カサッ
「ミルクです」
ドン
「こ、これって、どれくらい入るの?」
『まだ、限界まで試したことはないが、この3倍くらいかな』
「試してないんですけど、この3倍くらいは……」
「重たくならないの?」
「普通に持てますから……」
「その袋があれば、馬車なんて要らないじゃない。
とんでもない重量物だって運べるわ」
「公になっちゃうと、トラブルの元ですから、内緒でお願いします」
「そうね。でも所長には言っておいた方がいいわね。
秘密にするから、ギルドが困ったときには力を貸してくれると助かる」
「じゃあ、二人で秘密にしてくださいね」
「いったい、どうしたってんだよ。
こんな空き部屋に連れてきて」
「ええ、一週間ぶりですから、多少ホコリとか蜘蛛の巣とか虫の死骸とかありますよね。
見えますよね、所長」
「ああ、何がいいたい。これを掃除するんだから人を増やせとかいうつもりか」
「アミ、全部屋を一気にできる?」
「やってみます『クリーン!』」
キラキラキラーン☆彡♪
「なにっ!どういう事だ!」
「今までは、世間の標準的なクリーンを知らないでいたらしいんですが、掃除専門の仕事としても食べていけるんじゃないでしょうか」
「どれくらいの汚れまで対応できる?馬車とか立体的なものでもできるのか?」
「それは、これから検証ですね。
本採用でいいですよね」
「当たり前だろうが!他所にとられる前に確保だ。
今のところ、給料は金貨5枚だ。汚れの程度や状況で増額する」
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
若返ったおっさん、第2の人生は異世界無双
たまゆら
ファンタジー
事故で死んだネトゲ廃人のおっさん主人公が、ネトゲと酷似した異世界に転移。
ゲームの知識を活かして成り上がります。
圧倒的効率で金を稼ぎ、レベルを上げ、無双します。
平凡冒険者のスローライフ
上田なごむ
ファンタジー
26歳独身動物好きの主人公大和希は、神様によって魔物・魔法・獣人等ファンタジーな世界観の異世界に転移させられる。
平凡な能力値、野望など抱いていない彼は、冒険者としてスローライフを目標に日々を過ごしていく。
果たして、彼を待ち受ける出会いや試練は如何なるものか……
ファンタジー世界に向き合う、平凡な冒険者の物語。
ちっちゃくなった俺の異世界攻略
鮨海
ファンタジー
あるとき神の采配により異世界へ行くことを決意した高校生の大輝は……ちっちゃくなってしまっていた!
精霊と神様からの贈り物、そして大輝の力が試される異世界の大冒険?が幕を開ける!
辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~
雪月 夜狐
ファンタジー
壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。
辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。
しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。
他作品の詳細はこちら:
『転生特典:錬金術師スキルを習得しました!』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/906915890】
『テイマーのんびり生活!スライムと始めるVRMMOスローライフ』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/515916186】
『ゆるり冒険VR日和 ~のんびり異世界と現実のあいだで~』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/166917524】
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
チート幼女とSSSランク冒険者
紅 蓮也
ファンタジー
【更新休止中】
三十歳の誕生日に通り魔に刺され人生を終えた小鳥遊葵が
過去にも失敗しまくりの神様から異世界転生を頼まれる。
神様は自分が長々と語っていたからなのに、ある程度は魔法が使える体にしとく、無限収納もあげるといい、時間があまり無いからさっさと転生しちゃおっかと言いだし、転生のため光に包まれ意識が無くなる直前、神様から不安を感じさせる言葉が聞こえたが、どうする事もできない私はそのまま転生された。
目を開けると日本人の男女の顔があった。
転生から四年がたったある日、神様が現れ、異世界じゃなくて地球に転生させちゃったと・・・
他の人を新たに異世界に転生させるのは無理だからと本来行くはずだった異世界に転移することに・・・
転移するとそこは森の中でした。見たこともない魔獣に襲われているところを冒険者に助けられる。
そして転移により家族がいない葵は、冒険者になり助けてくれた冒険者たちと冒険したり、しなかったりする物語
※この作品は小説家になろう様、カクヨム様、ノベルバ様、エブリスタ様でも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる