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第二章 国交

防御用リングと攻撃用リング

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「とりあえず、特殊部隊のことは考えず、通常の戦闘を考えましょう」

「全員に魔力障壁と物理障壁は入れておきましょうよ」

「身体強化もセットにできるんじゃない?」

「ああ、それで、腕輪にしてやれば使いやすいんじゃないかな」

「腕輪だったら、もう片方に攻撃魔法を装備してもらえばいいよ」

「ミクル先生が、威力増加と使用魔力半減って使ってたじゃない。
あれって魔法ごとに必要なのかな」

「ああ、常駐化できるかってことか。常駐できるなら、防御用の腕輪に書いておけるもんね」

「試してみたいな。ノルンさん、呪文って知ってますか?」

「ああ、この程度の呪文なら暗記している」

「そういえば、必ずセキュリティーをかけろって言ってたよな」

「よく覚えてたの。この一文を一行目に入れてください。
それから、発動の順番を先頭に入れておくの」

リン先生から紙が配られた。

「これって、このワードを入れないと書き換えできないって意味ですか」

「そうですの。
この一文は、普通に読んでも表示されないのよ」

「では、2番目に威力増加で、3番目に使用魔力半減だな」

「あっ、2行目の倍ってところを5倍とかにするの」

「魔法局ではそんなことは教えてくれなかった……」

「今のところ、9倍まではその呪文で増加できることが確認されておりますの」

「それ以上は別の魔法が存在するって事ですか」

「そうですの。例えば、消費MPをすべて1で発動できるようにするとか」

「それって、魔法師の存在を根底から覆す呪文ですよね」

「だから、まだ教えてあげられないの」

「魔力量に関係なく、あらゆる魔法が使えるってすげえな」

「呪文を多く知っている者が優秀ってことですね」

「うーん、一概にそうとも言い切れないの。
魔法が暴発するリスクとか、無詠唱の方が早いとかね。
やっぱり、一から積み上げた人の方がリスクが少ないんですよ」

「ともかく、私たちはできることをやっていきましょう。
4番目が魔法障壁で5番目が物理障壁。
二つ目の腕輪には初級の風魔法を入れておこう

「では、こちらがミスリルの腕輪ですから、書き込んで試してください」

リンは収納から腕輪二つを取り出した。

「では、私が防御の方を」

「じゃ、私が攻撃を」

「この流れだと、俺が試験だな……あれっ、腕が入らない」

「役立たずだな。俺が試すよ」

「すいません……」

「左が防御だな。ん。おい、カベオ、俺を殴ってみろ」

「うっしゃ……」 ゴイーン

「痛てえよ。骨が折れるかと思った」

「じゃあ、火魔法でやるわ。
『炎よ、この男を焼き尽くせ!』……
駄目ですね。腕輪の防御は正常に作動してるみたいです」

「よし、この状態で右に魔力を……」

「おい、俺に向けんじゃねえよ!この流れだとジュリへ向けるんだろう!」

ボン

「うわー!」 ドガン

「つーっ、これが初級の風魔法かよ」

「そうか、5倍かもしれないってことを忘れていた。許せ」

「効果9倍にして、身体強化かければ、これで突撃できんじゃね」

「そうだな、カベオはそれで参戦してもらおう。安心しろ、右手にはもっと強力な魔法を持たせてやる」

「いや、待ってよ。俺は魔法技師であって、突撃部隊じゃないんだからさ」

「最前線で、魔道具を操る魔法技師なんてすごいですよ。当日は見物人も多いですから、注目も集まりますよ」

「そうね、鎧や盾、剣も持たずに敵陣に飛び込んでいく。勇者級の戦力ですよね」

「いやぁ、そうか……って、やらねえよ!」

「ざんねんですぅ」

「残念じゃねえんだよ。爆風とか防げねえんだよ。知ってるよそれくらい」

「うん、爆風対策を考えましょう」

「そうね。」

「いいよ、そんなこと考えなくても!」
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