33 / 62
ランのアプリ
特別手当
しおりを挟む
チャラリーン
『特別指令です。
ポイント35.41-132.42
難民船を装った特殊部隊
海軍は間に合わないわ
よろしくね ♪』
「ちぇ、狙いは出雲教会かよ。
あそこにはゴッジーラの両足が封印されているんだったな。
村井ちゃん、距離は?」
『約700kmです。
対象の上陸予想は55分後です』
『サル君、鎌倉の教会道経由で移動して。
鎌倉へは、私の方で手配するから』
「あんがと、モモッチ」
『イヌ君は、二次待機お願い』
『こちらイヌ。了解した』
村井ちゃんは、俺の端末で育っているスライムだ。
そして、教会道は各教会間を瞬時に移動できる転送機能の事になる。
本州に存在する教会5か所にゴッジーラの体が分散して封印されている。
別に秘密でもなんでもなくて、教会の看板にそう書かれている。
封印の地は出雲、伊勢、富士、鹿島、日光の5か所で、各所に教会が設置されている。
九州・四国・北海道は各3個所。
オーストラリアではウルルと呼ばれる巨大な一枚岩の下に封印されているとか、栄国ではストーンヘンジの下だとか……真偽のほどは定かでない。
上陸前に現地へ到着すれば、あとは簡単である。
ドローンに変身し、相手に警告を与える。
胡麻化そうとする相手の素性を読み上げ、口上を述べる。
つまり、敵対行動を確認したため確保すると最後通牒を突き付けるのだ。
反論は一切聞かない。
船ごと瞬間冷凍し施設に転送する。
この後は、俺の仕事ではない。
「転送完了。
帰って大丈夫かな?」
『待って、二人足りないわ。
付近に生体反応はない?』
「ああ……、これか泳いでる奴と、潜ってる奴。
泳いでる奴はそのまま冷凍して送るよ。
潜っている奴は、少し時間がかかるかな」
『何言ってるの。
結界で確保して強制浮上。
冷凍して終わりでしょ』
「スタイル抜群の、水着のお姉さんみたいなんだけど」
『人類の敵よ。
抹殺を許可するわ』
「へいへい」
『それから、沖に領海侵犯の潜水艦。
そっちは浮上させないで潰せって』
「へいへい。
了解ですよ」
直接見えなければ、ゲーム感覚だ。
うおりゃ!と叫んで艦影をタップする。
良心の呵責みたいなものもない。
問答無用でミサイルを放ってくる奴らだ。こいつらを放置するって事は、大和国民の生命を脅かすことになる。
それに、こういうのは対処が簡単だが、渡り鳥などを使った細菌攻撃みたいなのは手に負えない。
気がつくまでに数万人が犠牲となり、現在も続いている。
大和国で夏もしくは冬を過ごす鳥には多くの種類がある。
その一部は、大和を中継点としてシベリアまで飛ぶ。
その鳥たちに細菌を感染させて運ばせるのだ。
当然、気が付けばロシア側も報復に出る。
結果、数十万羽の鳥が命を落とした。
種が絶滅したものもいる。
現在は結界で菌を排除しているが、感染している鳥は国に入ることができず、息絶えていく。
自分たちが生きていくためなら何をしても許される。
両連邦がそういう価値観を持つのならば、俺も自分の価値観で行動しよう。
最近はそう思うようになってきた。
”時には特別な指令で活動してもらうことがある” 当初そう言われていたが、蓋を開けてみれば連日の対応が待っていた。
俺たちは、モモを司令塔にして、三交代で現地対応にあたっている。
大陸側からの干渉が多いため、宗像、大宰府、阿蘇、出雲、宗谷、知床の教会を経由することが多い。
出動のあった日は、危険手当込みで一日五万円が支給される。
連日対応があれば月50万以上になるが、ちょっとした油断が死に繋がる事を考えれば妥当なところなのだろう。
『特別指令です。
ポイント35.41-132.42
難民船を装った特殊部隊
海軍は間に合わないわ
よろしくね ♪』
「ちぇ、狙いは出雲教会かよ。
あそこにはゴッジーラの両足が封印されているんだったな。
村井ちゃん、距離は?」
『約700kmです。
対象の上陸予想は55分後です』
『サル君、鎌倉の教会道経由で移動して。
鎌倉へは、私の方で手配するから』
「あんがと、モモッチ」
『イヌ君は、二次待機お願い』
『こちらイヌ。了解した』
村井ちゃんは、俺の端末で育っているスライムだ。
そして、教会道は各教会間を瞬時に移動できる転送機能の事になる。
本州に存在する教会5か所にゴッジーラの体が分散して封印されている。
別に秘密でもなんでもなくて、教会の看板にそう書かれている。
封印の地は出雲、伊勢、富士、鹿島、日光の5か所で、各所に教会が設置されている。
九州・四国・北海道は各3個所。
オーストラリアではウルルと呼ばれる巨大な一枚岩の下に封印されているとか、栄国ではストーンヘンジの下だとか……真偽のほどは定かでない。
上陸前に現地へ到着すれば、あとは簡単である。
ドローンに変身し、相手に警告を与える。
胡麻化そうとする相手の素性を読み上げ、口上を述べる。
つまり、敵対行動を確認したため確保すると最後通牒を突き付けるのだ。
反論は一切聞かない。
船ごと瞬間冷凍し施設に転送する。
この後は、俺の仕事ではない。
「転送完了。
帰って大丈夫かな?」
『待って、二人足りないわ。
付近に生体反応はない?』
「ああ……、これか泳いでる奴と、潜ってる奴。
泳いでる奴はそのまま冷凍して送るよ。
潜っている奴は、少し時間がかかるかな」
『何言ってるの。
結界で確保して強制浮上。
冷凍して終わりでしょ』
「スタイル抜群の、水着のお姉さんみたいなんだけど」
『人類の敵よ。
抹殺を許可するわ』
「へいへい」
『それから、沖に領海侵犯の潜水艦。
そっちは浮上させないで潰せって』
「へいへい。
了解ですよ」
直接見えなければ、ゲーム感覚だ。
うおりゃ!と叫んで艦影をタップする。
良心の呵責みたいなものもない。
問答無用でミサイルを放ってくる奴らだ。こいつらを放置するって事は、大和国民の生命を脅かすことになる。
それに、こういうのは対処が簡単だが、渡り鳥などを使った細菌攻撃みたいなのは手に負えない。
気がつくまでに数万人が犠牲となり、現在も続いている。
大和国で夏もしくは冬を過ごす鳥には多くの種類がある。
その一部は、大和を中継点としてシベリアまで飛ぶ。
その鳥たちに細菌を感染させて運ばせるのだ。
当然、気が付けばロシア側も報復に出る。
結果、数十万羽の鳥が命を落とした。
種が絶滅したものもいる。
現在は結界で菌を排除しているが、感染している鳥は国に入ることができず、息絶えていく。
自分たちが生きていくためなら何をしても許される。
両連邦がそういう価値観を持つのならば、俺も自分の価値観で行動しよう。
最近はそう思うようになってきた。
”時には特別な指令で活動してもらうことがある” 当初そう言われていたが、蓋を開けてみれば連日の対応が待っていた。
俺たちは、モモを司令塔にして、三交代で現地対応にあたっている。
大陸側からの干渉が多いため、宗像、大宰府、阿蘇、出雲、宗谷、知床の教会を経由することが多い。
出動のあった日は、危険手当込みで一日五万円が支給される。
連日対応があれば月50万以上になるが、ちょっとした油断が死に繋がる事を考えれば妥当なところなのだろう。
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説


婚約破棄の後始末 ~息子よ、貴様何をしてくれってんだ!
タヌキ汁
ファンタジー
国一番の権勢を誇る公爵家の令嬢と政略結婚が決められていた王子。だが政略結婚を嫌がり、自分の好き相手と結婚する為に取り巻き達と共に、公爵令嬢に冤罪をかけ婚約破棄をしてしまう、それが国を揺るがすことになるとも思わずに。
これは馬鹿なことをやらかした息子を持つ父親達の嘆きの物語である。

【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?


目覚めれば異世界!ところ変われば!
秋吉美寿
ファンタジー
体育会系、武闘派女子高生の美羽は空手、柔道、弓道の有段者!女子からは頼られ男子たちからは男扱い!そんなたくましくもちょっぴり残念な彼女もじつはキラキラふわふわなお姫様に憧れる隠れ乙女だった。
ある日体調不良から歩道橋の階段を上から下までまっさかさま!
目覚めると自分はふわふわキラキラな憧れのお姫様…なにこれ!なんて素敵な夢かしら!と思っていたが何やらどうも夢ではないようで…。
公爵家の一人娘ルミアーナそれが目覚めた異なる世界でのもう一人の自分。
命を狙われてたり鬼将軍に恋をしたり、王太子に襲われそうになったり、この世界でもやっぱり大人しくなんてしてられそうにありません。
身体を鍛えて自分の身は自分で守ります!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
婚約破棄されて辺境へ追放されました。でもステータスがほぼMAXだったので平気です!スローライフを楽しむぞっ♪
naturalsoft
恋愛
シオン・スカーレット公爵令嬢は転生者であった。夢だった剣と魔法の世界に転生し、剣の鍛錬と魔法の鍛錬と勉強をずっとしており、攻略者の好感度を上げなかったため、婚約破棄されました。
「あれ?ここって乙女ゲーの世界だったの?」
まっ、いいかっ!
持ち前の能天気さとポジティブ思考で、辺境へ追放されても元気に頑張って生きてます!
異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた
りゅう
ファンタジー
異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。
いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。
その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる