点検口をあけるとそこは異世界だった

モモん

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第一章 異国

ラン無双

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『あとは、実際に使われた魔法陣ですね』

「ジムザさん、どこ?」

「城の地下になります」

この時、ジムザが国王に目配せをした。

「ボス、あたしが転送されたのは、地下じゃなかったぞ。
倒れた時、空が見えた」

「はあ……、国王さん、魔法陣はどこかな?」

「はい。魔法陣は城の最上階になりますです」

王の案内で城の最上階へ移動する。
ジムザさんは余計なことをしないよう、白龍の腹パンをくらって悶絶し片足を持って引きずられていく。

『この魔法陣は、人を目的の場所に転移させるものですね。
ちょっと試してみましょう。
暴竜ちゃん、その中心に立ってみて』

シオンが魔法陣の上に立ち、ランが呪文のようなものを唱えるとシオンは消えた。

『うおっ! どこだここは……、ん、お前地竜かよ』

『マスター、こんな感じです。
世界間の行き来に使われていた記述も見られます』

「それって、管理者も移動できるの?」

『ゲートは対地球世界だけですから、それ以外の移動はこの魔法陣ですね。
マスター、後でアプリにしますから、その魔法陣は破壊してください』

「了解だよ」

「あとは、この者共の始末ですわね」

「ナオちゃん、ジムザったら階段で頭打ったみたいで……息してない」

「はあ、なんだか拍子抜けしてしまいましたね。
私の方はサワタリ殿にお任せいたします」

「私たちも、弱い者いじめしているような……
なのでサワタリ様にお任せです」

「ああ、良かったな王様。許されたみたいだぞ。
できれば、政治に平民の意見を反映できるようにしてくれ」

『マスター、大変なのです。
世界の創造から管理者権限の付与、権限の設定とか魔法大全で分かってしまいました。
それで、マスターにはすべての権限を付与しましたから、やりたい事があれば指示してください……なのです』

「要らねえよ」

『そうはいきません。
マスターに権限がないと、私が使うわけにはいかないじゃないですか』

「あー、好きにしろ」

『はい、好きにします。
転送のアプリをセットしておきましたから、いつでも帰ってこられますよ』

「あっ、マオがどんなふうにやっているのか見たいので、私たちも連れて行ってくださいな」

こうして、ナオの世界にもダンジョンと温泉が普及していった。

俺のしらないうちに、アプリはどんどん増えていく。
掟破りの巨乳エルフ創造 とか、いつ使うんだよ。
色白スリムドワーフ娘ってどんなアプリなんだ。
熟マーメイドってなんだよ。
大人になった雪ん子……ロリッ娘雪女って……ハアハアッ……

あいつ、俺の頭ン中みて作ってんな。


【おまけ:ランの天地創造】

規模:太陽系相当の創成期

やはり原初の海で生物が誕生するのは天文学的確率みたいですね。
では、こちらの土をパラっと……ダメ……ダメ……ダメですか。

こうなったら、秘儀『お弁当の食べ残し放置!』

おお! 生物らしきものが……あっ、全滅した

奥義『お弁当全投入!』

おお! 繁殖……分裂かな、何でもいいや。

ウニョウニョと、なんか地球型の生物と違う気がするけど、まあ許容範囲でしょ。
動物?植物?ミミズ?
大気も安定してきたし、コケみたいなのも出てきたけど……海も陸もウニョウニョ……
まあ、土地が肥えているみたいだし、そのうちに生物相も変わる……変わらないよぉ
イソギンチャクみたいな集団行動ウニョウニョと、ミミズみたいな単独行動ウニョウニョ。

しかたない。環境変化で隕石投入……大気が塵で覆われて氷河期突入!
あれっ?地下に潜って、耐えてる……
こうなったら、モンスター集団投入!
あっ、なんか溶解液みたいのだした。

モンスター溶けちゃったよ……

次!ドラゴン軍団!
ああ、土ん中に引きずり込まれて……


アプリの試験運用に、道具を使う世界を作りたかったラン。
そのうちに、ウニョウニョに飽きて放置された世界。
やがて……
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