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第三章 冒険者
国王が家に来るって……迷惑だ!
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「でも、ここの仕事が、そんなに人気だったとはビックリよ」
「バーべキューも良かったですし、新作を試食させていただけたり、今回だって最初のお風呂を私たちにまで使わせていただいて……」
「仕事は、他と比べて大変ですけど、やりがいがあるので楽しいですしね」
「そうそう、売り子のできるメイドなんてここしかありませんから」
「それに、ご主人様の目を意識しないで働けるのもいいですよね」
「その分、お客様の目が厳しいけどね」
「言えてる……
時々、身内が来るじゃない。
あれって緊張するわよね」
「そうそう、身内の目って、周りと比較するじゃない」
「だよね~」
女だけのお風呂って、こんな話で盛り上がっています。
「えっ、王様を風呂に入れろって……」
「ほら、支店長が時々入ってるでしょ。
スターリン様って、元宰相だから、王様のところで自慢しちゃったんですよ」
「それで、なんでうちの風呂に入りに来るのさ……
城に風呂を作ればいいだろう」
「城に作るにしても、ここよりも良いものでないといけないわけで、王様自ら来たいと……」
「いや、迷惑ですよ」
「そういわないでくださいよ。
王妃様も楽しみにされていますので」
「えっ、一緒に入るつもりですか」
「いえ、王妃様は側仕えのメイドたちと、王様は各局長とお見えになられます」
「そんな、困らせないでくださいよ」
「困っているのはこっちですよ。
ああ、夜23時以降ならいいですよ。
朝まで貸し切りにしてあげます。
でも、うちのメイドたちは一切対応しませんから」
「そんなこと言わないで、明日一日貸し切りでお願いしますよ」
「明日って……もう決まってるんですか」
「はい……」
「で、使用料は?」
「金貨10枚でいかがでしょう」
こうして、風呂の貸し切りを押し切られてしまった。
「すまない。
明日、王と王妃たちが風呂に入りに来ることになってしまった。
悪いが、手分けして対応してほしい」
「すごいことですよ。
両陛下が一般の男爵家に訪問されるなど、考えられません。
メイド一同、全力で対応させていただきます」
「風呂に入ってから、食事もされるそうなんだが……」
「食事まで……
前代未聞ですよ。メイド一同、腕の見せ所ですね」
こうして、国王を迎えることになった。
「バーべキューも良かったですし、新作を試食させていただけたり、今回だって最初のお風呂を私たちにまで使わせていただいて……」
「仕事は、他と比べて大変ですけど、やりがいがあるので楽しいですしね」
「そうそう、売り子のできるメイドなんてここしかありませんから」
「それに、ご主人様の目を意識しないで働けるのもいいですよね」
「その分、お客様の目が厳しいけどね」
「言えてる……
時々、身内が来るじゃない。
あれって緊張するわよね」
「そうそう、身内の目って、周りと比較するじゃない」
「だよね~」
女だけのお風呂って、こんな話で盛り上がっています。
「えっ、王様を風呂に入れろって……」
「ほら、支店長が時々入ってるでしょ。
スターリン様って、元宰相だから、王様のところで自慢しちゃったんですよ」
「それで、なんでうちの風呂に入りに来るのさ……
城に風呂を作ればいいだろう」
「城に作るにしても、ここよりも良いものでないといけないわけで、王様自ら来たいと……」
「いや、迷惑ですよ」
「そういわないでくださいよ。
王妃様も楽しみにされていますので」
「えっ、一緒に入るつもりですか」
「いえ、王妃様は側仕えのメイドたちと、王様は各局長とお見えになられます」
「そんな、困らせないでくださいよ」
「困っているのはこっちですよ。
ああ、夜23時以降ならいいですよ。
朝まで貸し切りにしてあげます。
でも、うちのメイドたちは一切対応しませんから」
「そんなこと言わないで、明日一日貸し切りでお願いしますよ」
「明日って……もう決まってるんですか」
「はい……」
「で、使用料は?」
「金貨10枚でいかがでしょう」
こうして、風呂の貸し切りを押し切られてしまった。
「すまない。
明日、王と王妃たちが風呂に入りに来ることになってしまった。
悪いが、手分けして対応してほしい」
「すごいことですよ。
両陛下が一般の男爵家に訪問されるなど、考えられません。
メイド一同、全力で対応させていただきます」
「風呂に入ってから、食事もされるそうなんだが……」
「食事まで……
前代未聞ですよ。メイド一同、腕の見せ所ですね」
こうして、国王を迎えることになった。
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