上 下
24 / 40
第二章

私たち、結婚しました

しおりを挟む
バーベキューのおかげで、メイドたちも打ち解けてきた。
朝の挨拶も元気になり、笑顔が増えた。
こんなことなら、もっと早く……
いや、俺たちが忙しくて無理だったな。

あれから、俺たちは時々キスをしている。

「萌にもキスしてあげて」

「えっ、だって萌は……」

「でないと、嘘だってバレちゃうでしょ」

「そ、そうなのか……」

こうして俺は萌にキスをした。
智代梨の前でもキスしたし、萌の前で智代梨ともキスをした。

キスをして胸を触る。

「あっ、仁たら勃起してる」

「ホント、かわいい……」

「し、仕方ないだろ……」

「しょうがないなぁ。
じゃあ、三人で結婚式しよっか」

どうも、女子二人でいると大胆になるようだ。

俺は、頭が沸騰したまま、二人を抱いた。

「萌はよかったのか」

「智代梨ちゃんと一緒なら……」

それから三人で教会へ行き、届け出を出した。
この世界は、一夫多妻が認められている。

「「「ご主人様、おめでとうございます」」」

メイドたちも祝福してくれた。
俺は必要に迫られ、避妊具を作った。

三人の意見で、子供はまだ早いだろうという結論を出したからだ。

この避妊具は、メイドたちの口コミで影のブームとなった。

俺は王様からも呼び出しを受けた。
王妃様に内緒で20個納品させてもらった。

この結婚を機に、恭介は隣の屋敷に移った。
店の拡張にも都合がいい。



「ご主人様。平民の間から、ここは来づらいとの意見が多いのですが、そろそろ一般街へも出店を検討していただけないでしょうか」

「だけどなぁ、俺たちはそこまで金を稼ぎたいわけじゃないんだが」

「ですが、国民の生活を考えるのも貴族の勤めでございますよ」

「そうか、じゃあ、誰か任せられるような人材を探さないと」

「人材ならば、お店の常連さんにいっぱいおりますよ」

「えっ?」

「元宰相のスターリン様、元経理課長のザイゼン様、元総務課長のシュタック様。他にも名だたる方がおられます」

「あ、あの爺さんたちが……」

みんなバーベキューに参加してくれた人たちだった。

俺からお願いしてみたところ、二つ返事で引き受けてくれた。
スターリンさんは支店長、シュタックさんは副支店長。ザイゼンさんは両方の経理担当だ。

三人とも一緒に物件から探す。

「総務課の情報では、冒険者ギルドの隣の酒場が、店を閉めるようですが」

「立地的には最高ではないか」

情報といい、人脈といい、信用といい三人は無敵だった。

スターリンさん名義で酒場を譲り受け、早速開店に向けて準備が始まる。
しおりを挟む

処理中です...