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第5章
紅茶をいれる
しおりを挟む「なっ、収納……あるなら……ゼイゼイ……
こんな……持たせなくても……」
「あら?荷物持ちで同行させろとおっしゃったのはそちらですよ。
せっかくお仕事をあげましたのに、ご不満なんですか?」
「……いえ……」
「なんか出たから、行ってくる」
タケル君はそう言って駆けていきました。
あの子は、疲れるっていうことを知らないのでしょうか……
紅茶をいただいたら、少し落ち着きました。
茶葉は最高級品ですね。
こんな状況でなければ、香りを楽しむところなんですが……
「あら、カーリーの淹れてくれる紅茶の方が美味しいかも……」
「コッ、コア……めったな事を言わないで……」
「そうなんですか?
どこがいけないのでしょうか?」
コアが釣れたとばかりに笑みを送ってくる……
「コアが失礼なことを申し上げましたが、茶葉の素性などで淹れ方も変わってきます。
一概に、これが正解なんていうものはないんです……ごめんなさい」
「あら、でもカーリーさんの淹れる紅茶の方が美味しいんでしょ?」
「美味しくて、香りもいいですよ!」
「コア……やめてよ……」
「せっかくなので、カーリーさんが淹れてみてくださいませんか?」
「……わ、分かりました……
えっと、茶葉が大きくて、今の蒸らしだと少ないかもしれません。
ただ、蒸らしすぎると渋みとかが出てくることもありますので、少しだけ蒸らしの時間を長くしましょう」
「3分くらいと教わったのですが、それではダメなんですか?」
「茶葉の状態で変わります。
今淹れていただいた茶葉ですと、まだ開いていません。
多分、このお茶ですと、もう少し時間をかけたほうが美味しいと思います」
……こんな高そうな茶葉使ったことがないので……正解なのかわかりません。
お茶屋さんで教わったことを言っているだけなんです。
女将さんに言われました……その茶葉にあった淹れ方……それは、自分の舌で確かめろと……
「あの……この茶葉は、どこで購入されたんですか?」
「NJPの冒険者ギルドから南に100mくらい行った茶屋ってお店ですよ」
……よかった……やっぱりバイト先のお茶だ……
あそこの最高級なら、何度か試した。
このサイズなら、4分から4分30秒で間違いないです……
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