3秒の強奪者 モンスターから奪ったスキルで魔王を倒す

モモん

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第5章

マグネットスライム

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「じゃあ、”依頼者カーリーさん”と犯行記録でも残しておきましょうか」

「前言撤回します……
というか、オリハルコン……いいですね」

「気に入りました?」

「はい!いつかオリハルコンの包丁が欲しいですね!
硬い素材もそうですが、柔らかい素材もきれいに切れそうですよね」

「カーリーさんは、料理なされるんですか?」

「はい……足の速さくらいしか取り柄がなくて、戦闘ではあまり役にたたないですけど、料理とか家事は割と好きなんです。
だから、こうしてドロップ品を磨くのも性にあっているんですけど……わかっていたらワックスとか持ってきたんですけどね」

「MRSの人にしては、変わった趣味ですよね」

「ええ、養成所時代に、誰かさんにバイトを斡旋されましたから……ねっ、コア」

「うふふっ。いい経験になったでしょ」

「はあ……、それにしても、上級迷宮なのに、こんな遠足みたいな緊張感のなさでいいんでしょうか……
養成所のころは、ここのサンボールで死にそうになったのに……」

「タケルとライムの探知能力があれば、サンボールくらい気づかれる前に処理できますからね。
まあ、気づかれても結界で囲って無害化すれば同じ事ですよね」

「はあ……、あっ!また、タケル君が何か見つけたみたいですね」

「きゃっ!」

ガチャガチャいいながら、カーリーの背負っている荷物がタケルのほうに引っ張られる。

そして、バチッと荷物に何かが当たった軽い衝撃があり、荷物の浮遊感が消えた。

「キャッ!」

バランスを崩したところに、荷物の荷重が加わり尻もちをついてしまう。
あわてて立ち上がろうとしたが、タケル君から声がかかる。

「カーリーさん、そのまま動かないでください」

「な、何なんですか」

「そのまま、そのまま……
……じっとしてろよ……
よし!テイム完了!」

私の背負った荷物に手を当てながらタケル君が言います。

「マグネットスライムだって、レアなのかな?
メタルスライム系だから、言われたようにテイムしたけど……」

「「マグネットスライムぅ!?」」

「あれって、単なるネタじゃなかったんですか?」

「えっ?でも、現実にいるから……捕まえたんだけど……」

「あっ、ごめんなさい。タケル君を責めた訳じゃないんですよ」

「そっ、そうだ。
誰でも知っているのに、存在が確認されていない……
単なる笑い話として認識されているからな」

「笑い話ですか?」
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